井津建郎「インド ― 光のもとへ」 Kenro Izu: Eternal Light
井津建郎は、ニューヨークに拠点を置く写真家で、これまでアジアの聖地や石造遺跡を撮影してきました。この撮影を通して彼の関心は次第に人の心にある「内なる聖地」へと向かい、さらにインドでは、ガンジスのベナレス、アラハバッド、ブリンダバンなどで、年に2、3回に及ぶ長期滞在を繰り返し、深い信仰に支えられたヒンドゥーの人々の生と死に向き合い、命の尊厳とは何かを問いながら撮影に取り組みました。本展は、このインドで撮影された井津の最新作を紹介するもので、世界初公開となる《祈りのこだます地》、《永遠の光》シリーズ等、約120点を展示致します。静謐なモノクロームに広がる深遠な世界は、正に井津建郎の新境地です。また井津には、カンボジアにアンコール小児病院、ラオスにラオ・フレンズ小児病院を創設した異色の経歴があり、会期中のイベントで、ノンフィクション作家の山岡淳一郎を聴き手に、この経緯や撮影エピソードを語ります。
清里フォトアートミュージアムでは、NY在住の写真家、井津建郎(いず けんろう)による、下記の展覧会を開催いたします。
展覧会名:井津建郎「インド ― 光のもとへ」 Kenro Izu: Eternal Light
会期:2016年7月2日(土)~10月10日(月・祝)
休館日:7,8月は無休、9月以降は毎週火曜日
開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
入館料:一般800円、学生600円、中・高生400円 団体割引(20名様以上)あり
交通のご案内:
【車にて】中央自動車道須玉I.C.または長坂I.C.より車で約20分
【J R】中央本線小淵沢駅にて小海線乗り換え 清里駅下車、車で約10分
Tell: 0551-48-5599
FB: https://www.facebook.com/kmopa
twitter: https://twitter.com/kmopa
ニューヨークを拠点に、プラチナ・プリント技法による石造遺跡の作品で高い評価を得てきた、井津建郎(いず けんろう)の新作を展示いたします。1996年、井津は初めてインド・ベナレスを訪れ、死者が荼毘(だび)に付される様子を目にしました。ベナレスは、ヒンドゥー教徒が、死後ガンジス河に流されることを切望する聖地です。喪主が河に灰を投げ入れ、談笑していた家族は立ち去り、後には何も残っていない ——— 私たちとは異なる死生観を目の当たりにしてから10年の後、インドでの本格的な撮影が始まりました。
井津は、異色の経歴を持つ写真家としても知られています。1993年、アンコール遺跡の撮影をきっかけに、NPOを創立。カンボジアとラオスに小児病院を設立しました。その活動を通して多くの命に触れた経験は、遺跡から聖地を守る人々へ、さらに、死と向き合う人々へと、井津の眼差しに大きな変化をもたらしました。
深い信仰に支えられたヒンドゥーの人々が迎える死、それは苦しみに満ちた輪廻の世界から、次の生への旅立ちです。彼らは、永遠の「光」のもとへ帰ることを信じ、穏やかに死を受け入れているのです。その「光」を写真に刻もうとした井津は、自らの代名詞である大型カメラによる撮影スタイルを離れ、手持ちのカメラを駆使した新たな技法に挑戦する道を選びました。静謐なモノクロームに広がる深遠な世界は、井津建郎の新境地そのものといえるでしょう。ぜひご覧ください。
●井津建郎(いず けんろう)
1949年大阪に生まれる。20歳で写真家を目指し渡米。1974年より宝石を専門に撮影するスタジオを運営。1979年より14×20インチ(約36×50㎝)フィルムと、重さ100キロの大型カメラで世界各地の聖地を撮影している。自身が創立した小児病院のNPOでは、“アートは社会を変え得る”というメッセージをこめて、1997年より毎年チャリティ・オークションを主催。多数の写真家が賛同し、作品を無償提供している。2007年、写真界のアカデミー賞と言われる「ルーシー・アワード」のヴィジョナリー賞を受賞した。
会期中のイベント
■KMoPAチャリティ・ライブ2016
「小児病院をつくった写真家・井津建郎」
●日時:7月30日(土)14:00~16:00 会場:当館音楽堂
K・MoPAが支援する「ラオ・フレンズ小児病院」と「アンコール小児病院」は写真家・井津建郎が創設。なぜ彼は、異国の地に病院をつくろうと決意したのか?ノンフィクション作家の山岡淳一郎が、その原点にせまります。収益は、同病院と東日本大震災の被災者支援団体「いのち・むすびば」に寄付します。
第一部<トーク>● 出演: 井津建郎、山岡淳一郎(ノンフィクション作家)、赤尾和美(看護師)
第二部<ライブ>● 出演: ウォン・ウィンツァン(ピアニスト、即興演奏家、作曲家)
●参加費:一般3,000円、2名以上はお一人2,000円、小・中学生は無料 友の会会員は各1,000円引き
要予約/定員120名/全席自由
■アーティスト・トーク:「インド ー 光のもとへ」
●日時:7月31日(日)13:00~15:00
●出演:井津建郎、山岡淳一郎(ノンフィクション作家)
ノンフィクション作家の山岡淳一郎を聞き手に、さまざまな撮影エピソードなどを語ります。
●入館料のみ
■プラチナ・プリント・ワークショップ
プラチナ・プリントとは、鉄塩の感光性を利用し、プラチナやパラジウムを使用して焼き付ける古典技法です。白から黒までの豊かな階調と、微妙なグラデーション表現が特徴です。保存性が高く、画像は劣化・退色しません。あなたも手作りの印画紙に写真を焼き付けてみませんか。暗室作業は初めてという方でも丁寧に指導します。
●日時:9月24・25日(土・日)2日間 ●講師:細江賢治(写真家)
●要予約/定員8名 ●参加のお申し込みは、9月17日まで
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企業情報
企業名 | 清里フォトアートミュージアム |
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代表者名 | 細江英公 |
業種 | その他サービス |
コラム
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