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黒川紀章氏設計の名建築『中銀カプセルタワービル』をデジタル技術を活用して3次元で保存!建物をスマートフォンで表示できるARも先行公開!

建築家・黒川紀章氏が設計したメタボリズム建築の代表作『中銀カプセルタワービル』(東京・銀座)の解体工事が始まりました。 解体着工を前に、名建築の価値を後世に残すため、gluon(グルーオン)を中心に「3Dデジタルアーカイブプロジェクト」が始動し、プロジェクトメンバーで中銀カプセルタワービルを3次元で計測し、実空間の情報をまるごと3次元データ化しました。活動資金を募るためのクラウドファンディングもスタートし、支援者にはスマートフォンで建物を手元に召喚することができるAR(拡張現実)も公開されました。

◆プロジェクト概要

建築家・黒川紀章氏が設計したメタボリズム建築の代表作『中銀カプセルタワービル』(東京・銀座)の解体工事が始まりました。 

解体着工を前に名建築の価値を後世に残すため、gluon(グルーオン)を中心に3Dデジタルアーカイブプロジェクトが始動し、プロジェクトメンバーで建物を3次元で計測し、3Dデータによる保存活動を行いました。

中銀カプセルタワーの記録には、ミリ単位で正確な距離を計測できるレーザースキャンのデータと、一眼レフカメラやドローンによって撮影した2万枚以上の写真データを組み合わせて、建物全体をスキャンすることで、実空間の情報をまるごと3次元データ化。平面的な写真や図面だけでは記録しきれない複雑な形状や立体的な構造を記録することで、建築形状を正確に把握し、デジタルアーカイブとして後世へ残していきます。

クラウドファンディングの支援者に先行公開された「中銀カプセルタワービルAR」。
解体工事が始まっている中銀カプセルタワービル(写真左)とARの同ビル(写真右)

◆クラウドファンディングもスタート。支援者には中銀カプセルタワービルのARを先行公開。

3次元計測の費用やデータの制作費を集めるためクラウドファンディングを8月9日まで実施。

リターンには、活動内容を紹介するオンライントークセッションへの参加券、中銀カプセルのNFT、高密度・超解像度の3次元点群データの提供などが用意されています。

また、クラウドファンディングの支援者には、中銀カプセルタワービルをスマートフォンで見ることができるAR(拡張現実)も先行公開され、TwitterなどのSNSを中心に様々な場所で撮影された写真がハッシュタグ「#中銀カプセルタワービルAR」で投稿されています。

 

◆広がる3Dデータの活用方法

計測した3次元データは、空間へのより深い理解を促すための立体的な建築教材としての活用をはじめ、ARやVR、3Dプリンターを用いた模型製作など多様なメディア形式で再現・活用することが可能です。クラウドファンディングでの支援が目標金額を達成した場合は、多くの人に役立つよう3次元点群データをオープンソースとしてウェブサイトで無償で公開し、学術研究や新たな創作活動へ繋がる機会を創出します。

 

【プロジェクトページ】https://motion-gallery.net/projects/3dda-nakagin

 

◆建築物の3Dデジタルアーカイブについて

ミリ単位で正確な距離を計測できるレーザースキャンのデータと、一眼レフカメラやドローンによって撮影した写真データとを組み合わせて、建物全体をスキャンすることで、実空間の情報をまるごと3次元データ化します。平面的な写真や図面だけでは記録しきれない複雑な形状や構造の立体的な記録に加えて、住人の方々が工夫して暮らす中で改変した軌跡や経年変化した建物の姿をありのままに記録することで、建築形状を正確に把握し、3Dデータとして後世へ残します。

3次元レーザースキャナーを用いて、高精度の位置測定を行い、建物の形状を立体的にスキャン。

◆なぜ3Dデータで残すのか?

従来、建物の記録には写真や図面による2次元での記録が一般的であったが、建築は3次元の空間であり、建物内に入った感覚や角度によって変化する佇まいは、写真や図面だけでは伝達しきれないこともあります。これまでは3次元のものを2次元で記録するほかなかったが、コンピューターやインターネットの普及によって、記録するメディア形態の選択肢も広がったため、3次元の空間をそのまま3Dデータとして伝送することも可能になりました。

今後もスマートフォンやデバイスの発達により、3Dデータの活用機会は広がっていくと予想されるため、今ある最大限の技術で記録を残しておくことが大切になってきます。

20,000枚以上の写真から3Dモデルを作成。建物の素材や経年変化など、質感も合わせて記録をしています。

◆3Dデジタルアーカイブプロジェクトが目指すこと

中銀カプセルタワービルをはじめ、戦後に建てられた近代建築は、竣工から50年以上が経ち、老朽化などから維持が困難になってくる建物も今後増えてくると予想されます。

本プロジェクトでは、現代のテクノロジーを使うことで、オルタナティブな手法を提示し、アーカイブとして建物の価値を保存するだけにとどまらず、建物を生きた存在として、今の時代ならではの生かし方、デジタル空間上での活用・楽しみ方を構築していくことを目指しています。

 

◆中銀カプセルタワービルについて

東京・銀座の中銀カプセルタワービルは、日本を代表する建築家の黒川紀章氏の設計で1972年に完成。1960年代に日本の建築家・都市計画家のグループによって展開された建築運動「メタボリズム」の思想を体現する建物として世界的に知られています。しかし、竣工から50年経った建物は、老朽化が進んでおり、2022年4月12日から解体着工が進んでいます。

中銀カプセルタワービル(写真奥)の前で、ARの同ビル(写真手前)と撮影。
現地では中銀カプセルタワービルが仮囲いに覆われ始めているが、3Dデータとして記録を残しておくことでARで在りし日の姿をスマートフォン越しにいつでも呼び起こすことができます。


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企業情報

企業名 gluon
代表者名 牛尾 靖成
業種 建築

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