2011年春季労使交渉(春闘)にのぞむスタンスと人事賃金管理の方向
「2011年春季労使交渉(春闘)にのぞむスタンスと人事賃金管理の方向」調査 ・定昇制度のある企業は8割弱、うち賃上げは、本年も「定昇のみ実施」が7割弱 ・2011年の賃上げ相場は5割が「昨年と同程度」と予測
報道資料
2011年2月18日
産労総合研究所
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2011年春季労使交渉(春闘)にのぞむスタンスと人事賃金管理の方向
・定昇制度のある企業は8割弱、うち賃上げは、本年も「定昇のみ実施」が7割弱
・2011年の賃上げ相場は5割が「昨年と同程度」と予測
http://www.e-sanro.net/sri/news/pr_1102/
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産労総合研究所(代表 高橋邦明)が発行する定期刊行誌「賃金事情」(編集長 堀之内長一)は、2011年春季労使交渉(春闘)にのぞむスタンスと人事賃金管理の方向に関する調査を行った。
調査対象:全国1・2部上場企業と過去に本調査に回答のあった当社会員企業
企業から任意に抽出した3,000社
調査時期:2010年11月中旬~12月下旬
回答状況:回答のあった177社について集計
●2011年の春闘
昨年に引き続き、先行きの不透明感が払拭できないなか、2011年の春季労使交渉がスタートした。
連合は、低下し続ける「労働条件の復元」と「非正規労働者の処遇改善」を重点課題にあげている。ただし賃上げについては、春闘をリードする自動車や電機などの組合が、すでにベア要求をしない旨を表明。経営側も定昇の実施については"やむなし"との態度を早々に示すなど、本年も、「定昇確保(賃金カーブの維持)」をめぐる攻防になりそうだ。
産労総合研究所では毎年、賃金交渉にさきがけて「春季労使交渉にのぞむ経営側のスタンス調査」を実施し、世間相場の動向と自社の賃上げ予測等を明らかにしている。今回はそれに加えて、企業が直面する人事・賃金の課題を通じて、これからの人事賃金管理の方向を探ってみた。
調査結果は、徐々に改善の兆しは見えつつも、やはり、先行きが見えないことから、経営者側の慎重な姿勢がうかがわれる結果となっている。
●世間相場は半数が「2010年と同程度」と予測、「2010年 を上回る」も約1割
まず、2011年の賃上げ相場が2010年と比べてどうなるかを予測してもらったところ、業績回復基調を反映して、前年とは異なる結果になった。最も多いのが「前年と同程度」の50.3%(前回調査28.2%)、次いで「前年を下回る」が19.2%(同54.3%)、「前年を上回る」と回答した企業も10.2%(同0.5%)に増加している。
他方、先行きの不透明感がまだ払拭されないためか、「現時点(2010年12月)ではわからない」と判断を留保した企業は、前回の 17.0%からわずかに増えて20.3% となった。
景気回復期には、世間相場に対する担当者の見方も、「前年を上回る」が毎年一定の割合を保ちつつ推移してきたが(2005年26.2%→2006年33.3%→2007年35.8%→2008年24.2%)、金融危機以降は、2009年0.6%、2010年0.5%と激減した。今回は、わずかながら、ようやく回復の兆しが見えてきたといったところかもしれない。
<2011年の賃上げ予測(世間相場)>
2010年と同程度 50.3%
2010年を下回る 19.2%
2010年を上回る 10.2%
現時点ではわからない 20.3%
●「賃上げを実施予定」は58.2%、他方「現時点ではわからない」も31.6%
自社の賃上げについて、どのようなス タンスでのぞもうとしているのかをみると、「賃上げを実施する予定」と回答した企業は、前年の57.4%とほぼ同じ58.2%。同様に、「現時点ではわからない」と回答した企業も前年の30.9%とほぼ同じ31.6%である。 また、「賃上げは実施せず、賃金を据え置く予定」の企業は、前年の8.5%からわずかに減少して7.3%となり、幸いにもというべきか、「賃下げや賃金カットを考えている」企業は、回答企業に関するかぎり、本年は1社もないという結果になった(昨年は2.1%)。
「賃上げを実施する予定」と回答した企業は、2005年 79.6%→2006年70.2%→2007年76.4%→2008年85.5%→ 2009年61.9%、2010年57.4%と推移してきたが、本年はようやく下げ止まったようである。
<2011年の賃上げ予定>
賃上げを実施する予定 58.2%
賃上げは実施せず、据え置く予定 7.3%
現時点ではわからない 31.6%
その他 1.7%
無回答 1.1%
●賃上げ率は「2010年と同程度」が75.7%、「2010年を上 回る」も13.6%
賃上げを実施すると回答した企業は、2011年の自社の賃上げ率をどの程度と予想しているのだろうか。 「2010年と同程度」が75.7%(前回調査83.3%)と圧倒的多数を占め、予想賃上げ率は平均1.8%(前年調査1.7%)。
<2011年の自社賃上げ予測(2010年との対比)>
2010年と同程度(賃上げ率1.8%) 75.7%
2010年を上回る(賃上げ率1.9%) 13.6%
2010年を下回る(賃上げ率1.6%) 6.8%
その他 3.9%
▼図やグラフが入ったホームページは以下のURLから
http://www.e-sanro.net/sri/news/pr_1102/
◎その他の調査ポイント
◆「定昇制度あり」は75.1%、うち賃上げは「定昇のみ実施予定」が66.2%
◆2010年は87.0%の企業が賃上げを実施、平均5,021円・1.8%で額・率とも2009年を上回る
◆2011年の年間賞与額の見通しは、2010年に比べて「増加」が15.3%、「ほぼ同額」が31.6%
◆全社員に占める非正社員の割合は平均18.7%(前年は24.3%),派遣社員を含め非正規社員の減少傾向続く
◆"有期労働契約のルールづくりに関心あり"は33.3%、なかでも最も関心が高いのは"正社員への転換措置の義務づけ"
◆メンタルヘルス対策を実施している企業は66.1%、"職場復帰プログラムあり"は28.2%
※詳細データは「賃金事情」2011年2/5号にて、22ページに渡って掲載しています。また、報道関係者の方に限り、22ページの全データをメールにて差し上げます。詳しくは上記ホームページから。
▼図やグラフが入ったホームページは以下のURLから
http://www.e-sanro.net/sri/news/pr_1102/
【2011年の労使交渉のためのガイドブック】
「2011年版 賃金・労働条件総覧」には、春闘における賃金・処遇決定のためのあらゆる業種別データが満載です。
必要に応じてデータを加工することで、より実証的、説得的な情報を得ることができます。
http://www.e-sanro.net/sri/books/syoin/syj13/syj13_48.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【本リリースに関する取材などのお問い合わせ】
株式会社産労総合研究所「賃金事情」編集部 担当: 堀之内・吉田・黒田
TEL 03(3237)1611
MAIL edt-a@sanro.co.jp
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2011年2月18日
産労総合研究所
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2011年春季労使交渉(春闘)にのぞむスタンスと人事賃金管理の方向
・定昇制度のある企業は8割弱、うち賃上げは、本年も「定昇のみ実施」が7割弱
・2011年の賃上げ相場は5割が「昨年と同程度」と予測
http://www.e-sanro.net/sri/news/pr_1102/
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産労総合研究所(代表 高橋邦明)が発行する定期刊行誌「賃金事情」(編集長 堀之内長一)は、2011年春季労使交渉(春闘)にのぞむスタンスと人事賃金管理の方向に関する調査を行った。
調査対象:全国1・2部上場企業と過去に本調査に回答のあった当社会員企業
企業から任意に抽出した3,000社
調査時期:2010年11月中旬~12月下旬
回答状況:回答のあった177社について集計
●2011年の春闘
昨年に引き続き、先行きの不透明感が払拭できないなか、2011年の春季労使交渉がスタートした。
連合は、低下し続ける「労働条件の復元」と「非正規労働者の処遇改善」を重点課題にあげている。ただし賃上げについては、春闘をリードする自動車や電機などの組合が、すでにベア要求をしない旨を表明。経営側も定昇の実施については"やむなし"との態度を早々に示すなど、本年も、「定昇確保(賃金カーブの維持)」をめぐる攻防になりそうだ。
産労総合研究所では毎年、賃金交渉にさきがけて「春季労使交渉にのぞむ経営側のスタンス調査」を実施し、世間相場の動向と自社の賃上げ予測等を明らかにしている。今回はそれに加えて、企業が直面する人事・賃金の課題を通じて、これからの人事賃金管理の方向を探ってみた。
調査結果は、徐々に改善の兆しは見えつつも、やはり、先行きが見えないことから、経営者側の慎重な姿勢がうかがわれる結果となっている。
●世間相場は半数が「2010年と同程度」と予測、「2010年 を上回る」も約1割
まず、2011年の賃上げ相場が2010年と比べてどうなるかを予測してもらったところ、業績回復基調を反映して、前年とは異なる結果になった。最も多いのが「前年と同程度」の50.3%(前回調査28.2%)、次いで「前年を下回る」が19.2%(同54.3%)、「前年を上回る」と回答した企業も10.2%(同0.5%)に増加している。
他方、先行きの不透明感がまだ払拭されないためか、「現時点(2010年12月)ではわからない」と判断を留保した企業は、前回の 17.0%からわずかに増えて20.3% となった。
景気回復期には、世間相場に対する担当者の見方も、「前年を上回る」が毎年一定の割合を保ちつつ推移してきたが(2005年26.2%→2006年33.3%→2007年35.8%→2008年24.2%)、金融危機以降は、2009年0.6%、2010年0.5%と激減した。今回は、わずかながら、ようやく回復の兆しが見えてきたといったところかもしれない。
<2011年の賃上げ予測(世間相場)>
2010年と同程度 50.3%
2010年を下回る 19.2%
2010年を上回る 10.2%
現時点ではわからない 20.3%
●「賃上げを実施予定」は58.2%、他方「現時点ではわからない」も31.6%
自社の賃上げについて、どのようなス タンスでのぞもうとしているのかをみると、「賃上げを実施する予定」と回答した企業は、前年の57.4%とほぼ同じ58.2%。同様に、「現時点ではわからない」と回答した企業も前年の30.9%とほぼ同じ31.6%である。 また、「賃上げは実施せず、賃金を据え置く予定」の企業は、前年の8.5%からわずかに減少して7.3%となり、幸いにもというべきか、「賃下げや賃金カットを考えている」企業は、回答企業に関するかぎり、本年は1社もないという結果になった(昨年は2.1%)。
「賃上げを実施する予定」と回答した企業は、2005年 79.6%→2006年70.2%→2007年76.4%→2008年85.5%→ 2009年61.9%、2010年57.4%と推移してきたが、本年はようやく下げ止まったようである。
<2011年の賃上げ予定>
賃上げを実施する予定 58.2%
賃上げは実施せず、据え置く予定 7.3%
現時点ではわからない 31.6%
その他 1.7%
無回答 1.1%
●賃上げ率は「2010年と同程度」が75.7%、「2010年を上 回る」も13.6%
賃上げを実施すると回答した企業は、2011年の自社の賃上げ率をどの程度と予想しているのだろうか。 「2010年と同程度」が75.7%(前回調査83.3%)と圧倒的多数を占め、予想賃上げ率は平均1.8%(前年調査1.7%)。
<2011年の自社賃上げ予測(2010年との対比)>
2010年と同程度(賃上げ率1.8%) 75.7%
2010年を上回る(賃上げ率1.9%) 13.6%
2010年を下回る(賃上げ率1.6%) 6.8%
その他 3.9%
▼図やグラフが入ったホームページは以下のURLから
http://www.e-sanro.net/sri/news/pr_1102/
◎その他の調査ポイント
◆「定昇制度あり」は75.1%、うち賃上げは「定昇のみ実施予定」が66.2%
◆2010年は87.0%の企業が賃上げを実施、平均5,021円・1.8%で額・率とも2009年を上回る
◆2011年の年間賞与額の見通しは、2010年に比べて「増加」が15.3%、「ほぼ同額」が31.6%
◆全社員に占める非正社員の割合は平均18.7%(前年は24.3%),派遣社員を含め非正規社員の減少傾向続く
◆"有期労働契約のルールづくりに関心あり"は33.3%、なかでも最も関心が高いのは"正社員への転換措置の義務づけ"
◆メンタルヘルス対策を実施している企業は66.1%、"職場復帰プログラムあり"は28.2%
※詳細データは「賃金事情」2011年2/5号にて、22ページに渡って掲載しています。また、報道関係者の方に限り、22ページの全データをメールにて差し上げます。詳しくは上記ホームページから。
▼図やグラフが入ったホームページは以下のURLから
http://www.e-sanro.net/sri/news/pr_1102/
【2011年の労使交渉のためのガイドブック】
「2011年版 賃金・労働条件総覧」には、春闘における賃金・処遇決定のためのあらゆる業種別データが満載です。
必要に応じてデータを加工することで、より実証的、説得的な情報を得ることができます。
http://www.e-sanro.net/sri/books/syoin/syj13/syj13_48.html
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【本リリースに関する取材などのお問い合わせ】
株式会社産労総合研究所「賃金事情」編集部 担当: 堀之内・吉田・黒田
TEL 03(3237)1611
MAIL edt-a@sanro.co.jp
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企業情報
企業名 | 株式会社産労総合研究所 |
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代表者名 | 平 盛之 |
業種 | 新聞・出版・放送 |
コラム
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