【プレスリリース】「東日本大震災｣後の原発への賛否の時系列変化、及び節電に関する意識についての全国世論調査（9月）

　株式会社日本リサーチセンター（本社：東京都中央区、社長：鈴木稲博）
は、昭和35年に設立された民間の調査研究機関です。民間企業および官公庁、
大学をはじめとする学術機関などの依頼を受け、各種の調査研究を行ってい
ます。
このたび、東日本大震災後の「原子力発電利用に対する意識」、「今心配な
こと」、「震災後の生活状況」、「節電に関する意識」などを把握するため、
全国47都道府県の1,200人を対象に、以下の調査を9月に企画・実施いたしま
した。
この調査は継続で実施しており5月・7月度調査と比較し震災から半年後の人
々の生活意識の変化を掲載しております。

今回調査の主な質問項目

1）原子力発電の利用に対する意識

2）「東日本大震災」以降心配なこと

3）「東日本大震災」発生前から見た現時点での生活

4）節電対策のための商品購入

調査概要

1. 調査対象
　 全国の15〜79歳の男女個人

2. 有効回収数
　 1200人（サンプル）

3. 抽出方法
　 住宅地図データベースから世帯を抽出し、個人を割当て

4. 調査方法
　 調査員による個別訪問留置き調査

5. 分析対象期間
　 2011年8月31日〜 9月12日

調査結果の要約

■「エネルギー供給源の一つとして原子力発電を利用すること」への反対意
　見は、 52.5％と半数をこえ、5月から9月にかけて増加傾向が見られる。
　また「電気料金の値上がりを避けるため」「以前より不便な生活を避ける
　ため」「経済活動への悪影響をさけるため」のいずれの理由であっても、
　「原発を利用し続けること」に対する反対意見は5月から増加傾向を示し、
　事故の半年後ではいずれも半数を超えている。「きちんと管理すれば原子
　力発電は安全なので今後も利用すべきだ」という意見への賛成意見は5月
　以後減少傾向にあり、現在は3割である。

■東日本大震災発生以降、原発事故や地震関連を除いた社会経済に関する心
　配の推移をみてみると、最も高い心配は「今後の日本の経済や産業」であ
　る。放射性物質関連では「汚染された瓦礫や汚泥の処理」「若い世代の未
　来」「放射線量の極端に高い地域があること」が現在の心配としては多い。
　また、「畜産物」「魚介類」「農産物」「水道水」など食関連の心配は、
　7月以降は7割以上の値を示し、高止まりをみせている。

■東北では「経済的な面について」震災前に戻っていない人が4人に1人と、
　依然減る傾向を見せない。「精神的な安定について」も東北は「元に戻っ
　ていない」という意識が現在でも23.3％と、他地域と比べて高い。

■この夏のさまざまな節電行動に対しては、「つらいと感じたことはない」
　という意見が57.6％となっていた。「つらいと感じた」もので比較的多か
　ったこととしては、管理職、事務・技術職、労務・技能職、パート・アル
　バイトなどの勤め人では「職場の冷房温度を上げたこと」が多い。また、
　学生にとっては「電車の運行本数の減少」が、60歳以上の層にとっては
　「駅などのエレベーターなどの運行停止」がつらいと感じていたことがわ
　かった。

■来夏の節電行動として「許容できないもの」を聞いたところ、事務・技術
　職やパート・アルバイトは「職場の冷房温度を上げる」ことを、管理職は
　「職場での始業時間や操業曜日の変更」を許容できないとした人がやや多
　かった。また60歳以上の層では、「街が暗いこと」や「駅などでのエレベ
　ーターの停止」を許容できないとする傾向がみられた。ただし全体として
　は「許容できないものはない」が56.8％と半数を超えていた。

詳細に関しましては、下記PDFファイルを参照ください。

[URL]
http://www.nrc.co.jp/report/111006.html

＜本件に関するお問合せ先＞
株式会社　日本リサーチセンター
震災調査担当:　須貝、大山、中村
TEL　03-6667-3400（代表）
E-mail: press_release@nrc.co.jp