路線バスを利用した中小橋梁の簡易健康診断を実施
山口県宇部市での実証実験の結果を発表
株式会社構造計画研究所(本社:東京都中野区、代表取締役社長 CEO:服部正太)は、山口大学(山口県山口市、学長:丸本卓哉)と共同で実施した、路線バスを利用した中小橋梁の簡易健康診断の結果を山口大学大学院理工学研究科主催のセミナーにて発表しました。
橋梁の安全性については、従来、その診断方法が確立されていなかったため、安全性の低い橋梁がそのまま利用されることが多く、結果として大事故につながるケースが国内外で報告されています。
橋梁の安全管理においては、時間的・経済的・技術的制約の中で、こまめに情報を収集でき最大限の合理化可能な方法論を一刻も早く考え出すことが求められてきました。その中で、費用を掛けずに点検・モニタリングが、毎日、簡単にできる方法として、路線バスを利用した簡易健康診断方法を提案いたしました。
【路線バスによる橋梁モニタリングシステムの概要】
路線バスの車軸に取り付けた加速度センサーによって橋梁の振動データをモニタリングし、収集したデータから独自に開発した「たわみ特性値」を抽出・分析し、橋梁の状態を判断します。
【路線バスを用いることの利点】
路線バスを用いることの利点として以下の点が挙げられます。
・実績のあるたわみと劣化の関係を扱う。
・センサーの交換が簡単。
・バス1台で主要路線上の橋梁をカバー可能。
・専用の電源はバスから取得可能。
・特殊な通信装置なしでも計測可能。
【実証実験の概要】
本システムを提案するに当たり、その実用性を検証するために以下の内容で実証実験を行いました。
実験期間:2010年12月から2011年12月まで(計37回計測)
対象橋梁:山口県宇部市の橋梁(三か所)
●新権代橋
1径間 23.6m 幅員 11.7m 桁橋
単純梁構造 1998年架設 斜角の入った橋梁
●蛇瀬橋
5径間 85m 幅員 14.2m PCプレテン床版橋
単純梁構造 1976年架設 ストレートな橋梁
●白土第二橋
2径間 15.8m 幅員 6.4m RC-T桁橋
単純梁構造 1933年架設 斜角連続
※実証実験にあたっては、実際の運行条件(天候/対向車/運行速度/乗車人数)がたわみ特性値へ与える影響を考慮しました。
【基本検討および結果考察 ~新権代橋の例~】
PC供試体におけるプレストレス力の低下による断面二次モーメントの変化に着目し、シミュレーション中の劣化を再現した結果、プレストレス力が50%、90%低下した場合、たわみ特性値がそれぞれ1.93倍、2.87倍になるということが分かりました。
また、併せて、橋梁とバスバネ下振動の相似性確認試験を実施した結果、両者の間に一定の類似性を確認することができました。
今回の一連の実証実験の結果、以下のことが分かりました。
1.たわみ特性値に影響する運行条件に関わる因子としては、天候、対向車、運行速度、乗車人数が考えられる。しかし15回程度のたわみ特性値の移動平均により、前述の因子についても排除できるものと考えられる。
2.システム化には、自動計測機能と計測データ中のたわみ自動抽出機能が必要である。
3.データの大規模化に対して、データ授受の方法、DB管理手法の開発も重要である。
■構造計画研究所について
構造計画研究所は1959年の設立から現在まで、ネットワーク、情報通信、移動体通信分野から建設、製造分野に至る様々な分野で、最新のITを駆使したソフトウェア開発ならびにソフトウェアプロダクトを提供してきました。さらにOR・シミュレーション手法を用いた工学・製造分野におけるコンサルティングサービスやマーケティング分野におけるコンサルティングサービスも行っています。また建設・環境分野における数値解析コンサルティングサービスや建築・構造設計分野でも強みを発揮しており、様々な業界に対し、多様なソリューションを提供しています。構造計画研究所の詳細情報はwebサイトhttp://www.kke.co.jp をご覧ください。
※構造計画研究所および、構造計画研究所のロゴは、株式会社構造計画研究所の登録商標です。その他、記載されている会社名、製品名などの固有名詞は、各社の商標又は登録商標です。
※当社では、お客様やパートナーから発表のご承認をいただいた案件のみを公表させていただいております。ニュースリリースに記載された情報は、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。
橋梁の安全性については、従来、その診断方法が確立されていなかったため、安全性の低い橋梁がそのまま利用されることが多く、結果として大事故につながるケースが国内外で報告されています。
橋梁の安全管理においては、時間的・経済的・技術的制約の中で、こまめに情報を収集でき最大限の合理化可能な方法論を一刻も早く考え出すことが求められてきました。その中で、費用を掛けずに点検・モニタリングが、毎日、簡単にできる方法として、路線バスを利用した簡易健康診断方法を提案いたしました。
【路線バスによる橋梁モニタリングシステムの概要】
路線バスの車軸に取り付けた加速度センサーによって橋梁の振動データをモニタリングし、収集したデータから独自に開発した「たわみ特性値」を抽出・分析し、橋梁の状態を判断します。
【路線バスを用いることの利点】
路線バスを用いることの利点として以下の点が挙げられます。
・実績のあるたわみと劣化の関係を扱う。
・センサーの交換が簡単。
・バス1台で主要路線上の橋梁をカバー可能。
・専用の電源はバスから取得可能。
・特殊な通信装置なしでも計測可能。
【実証実験の概要】
本システムを提案するに当たり、その実用性を検証するために以下の内容で実証実験を行いました。
実験期間:2010年12月から2011年12月まで(計37回計測)
対象橋梁:山口県宇部市の橋梁(三か所)
●新権代橋
1径間 23.6m 幅員 11.7m 桁橋
単純梁構造 1998年架設 斜角の入った橋梁
●蛇瀬橋
5径間 85m 幅員 14.2m PCプレテン床版橋
単純梁構造 1976年架設 ストレートな橋梁
●白土第二橋
2径間 15.8m 幅員 6.4m RC-T桁橋
単純梁構造 1933年架設 斜角連続
※実証実験にあたっては、実際の運行条件(天候/対向車/運行速度/乗車人数)がたわみ特性値へ与える影響を考慮しました。
【基本検討および結果考察 ~新権代橋の例~】
PC供試体におけるプレストレス力の低下による断面二次モーメントの変化に着目し、シミュレーション中の劣化を再現した結果、プレストレス力が50%、90%低下した場合、たわみ特性値がそれぞれ1.93倍、2.87倍になるということが分かりました。
また、併せて、橋梁とバスバネ下振動の相似性確認試験を実施した結果、両者の間に一定の類似性を確認することができました。
今回の一連の実証実験の結果、以下のことが分かりました。
1.たわみ特性値に影響する運行条件に関わる因子としては、天候、対向車、運行速度、乗車人数が考えられる。しかし15回程度のたわみ特性値の移動平均により、前述の因子についても排除できるものと考えられる。
2.システム化には、自動計測機能と計測データ中のたわみ自動抽出機能が必要である。
3.データの大規模化に対して、データ授受の方法、DB管理手法の開発も重要である。
■構造計画研究所について
構造計画研究所は1959年の設立から現在まで、ネットワーク、情報通信、移動体通信分野から建設、製造分野に至る様々な分野で、最新のITを駆使したソフトウェア開発ならびにソフトウェアプロダクトを提供してきました。さらにOR・シミュレーション手法を用いた工学・製造分野におけるコンサルティングサービスやマーケティング分野におけるコンサルティングサービスも行っています。また建設・環境分野における数値解析コンサルティングサービスや建築・構造設計分野でも強みを発揮しており、様々な業界に対し、多様なソリューションを提供しています。構造計画研究所の詳細情報はwebサイトhttp://www.kke.co.jp をご覧ください。
※構造計画研究所および、構造計画研究所のロゴは、株式会社構造計画研究所の登録商標です。その他、記載されている会社名、製品名などの固有名詞は、各社の商標又は登録商標です。
※当社では、お客様やパートナーから発表のご承認をいただいた案件のみを公表させていただいております。ニュースリリースに記載された情報は、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。
企業情報
企業名 | 株式会社構造計画研究所 |
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代表者名 | 服部 正太 |
業種 | コンピュータ・通信機器 |
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