マーケティング・PR・広告・ブランディングの違いとは?
皆さんは「マーケティング」「PR」「広告」「ブランディング」の違いを意識した事があるでしょうか。広報担当者であれば「PR」について常に意識していると思いますが、「PR」を理解するために、他の企業活動と比較することも有効です。今回は上記4つの企業活動について、イラストを使って比較したいと思います。
4つはすべて企業の目的を果たす手段
マーケティング・PR・広告・ブランディングは全て企業の目的を果たすための活動です。企業の目的は「顧客を創造すること(P.F.ドラッガー)」、つまり継続的に価値を認識され、提供する商品・サービスを購入してもらう事とも言われます。
今回お話する4つはすべて同じ目的のためにありますが、アプローチ手段が異なるためメリット、デメリットもそれぞれ。2011年に米国のWebコンサルティング等を行うQuick Sprout, LLCが出したイラストが違いを把握しやすいと思いましたので、それを含めてご説明します。
※イラストはQuick Sprout, LLCのものですが、解釈は独自のものです。
マーケティング
イラストは男性(企業)が女性(消費者)に向かって「僕はあなたの素晴らしい恋人だよ」と言うシーン。自分自身をそのままアプローチする姿は、企業で例えると自身の商品・サービスを消費者に売り込む事だと言えます。(ここで言う「マーケティング」は非常に狭義のものだと考えられます。)
商品・サービスがダイレクトに伝わるため、実際に内容が見合っていれば消費者に購入してもらえる確率が高まりますが、逆に「言っている事と内容が見合っていない」と判断されるともちろん購入してもらえません。
※マーケティングは近年、広報、広告、人事、経理など複数の事業戦略を統括するものとしての認識もありますが、ここでは販売する物・サービスを介して利潤を得る活動という狭義。
PR
イラストは女性の友人(第3者)が女性(消費者)に「あの男性は絶対に素晴らしい恋人になるわよ」と言うシーン。商品・サービス、もしくは企業そのものの魅力を、第3者を介して伝えます。新聞、雑誌、TVなどのマスメディアを利用するだけでなく、口コミもPRに含まれるでしょう。
第3者を介する事で情報の信頼度は増しますが、この第3者がポジティブな情報を伝えてくれるか保証がないデメリットもあります。
広告
男性が「僕はあなたの素晴らしい恋人だよ」と何度も言っています。極端な表現ではありますが、消費者は「広告だ」と認知した時点で、企業自身が商品・サービスをアピールしている事を理解している事は確かです。
PRに比較して第3者を介さないため「どうせ広告」ととらえられる可能性もありますが、直接だからこそアプローチする情報量と内容がコントロールしやすいメリットもあります。
ブランディング
女性が「あなたは私にとって最高の恋人だわ」と言っています。消費者側が主体的に商品・サービス、もしくは企業に対して特定の価値を認めている状態です。
ブランディングは、有形・無形に関係なく消費者の心に蓄積されるイメージであるため、大きな価値となる一方で形成に時間がかかります。また、マイナスのブランドイメージが蓄積されてしまった場合は、その除去にも時間がかかる事は念頭に置いておかなくてはなりません。
広報担当者として意識する事
上記を見てきた通り、マーケティング・PR・広告・ブランディングはそれぞれのメリット、デメリットがあり、それらを組み合わせて企業の目的を果たす役割を担っています。
PRは第3者を介して信頼性の高い情報を消費者に伝えるメリットを生かす事も意識しなくてはなりません。広報担当者は、その第3者(マスメディア、口コミをしてくれる消費者など)を動かすため、どのようなメッセージをどのように伝えるかを意識すると良いでしょう。
また、マーケティング・広告・ブランディングなど他のアプローチ方法もある事も認識してこそ、適切な広報活動ができると思います。
【参照】
出典:
「The Difference Between Marketing, PR, Advertising, and Personal Branding」(Quick Sprout, LLC)
Quick Sprout, LLC:
http://www.quicksprout.com
上記に関する日本語の記事(SEO Japan):
http://www.seojapan.com/blog/marketing-pr-ad-branding
(執筆・丸山夏名美)