仏重電大手アルストム、高電圧・超高電圧機器の技術開発で安全性向上 新絶縁素材を用いた変圧器用ブッシング検証試験に成功
仏重電大手のアルストムはこの度、同社が開発した樹脂含浸紙を用いた変圧器ブッシングの内部アーク試験に合格、この種の製品としては初めて、安全性を確認できたことを発表しました。今回の試験は、より安全で信頼性の高い送電機器および電力網を実現するため、ブッシングの有用性を証明するために行われたもの。
仏重電大手のアルストム(Alstom S.A、本社・仏パリ)はこの度、同社が開発した樹脂含浸紙を用いた変圧器ブッシングの内部アーク試験に合格、この種の製品としては初めて、安全性を確認できたことを発表しました。今回の試験は、より安全で信頼性の高い送電機器および電力網を実現するため、ブッシングの有用性を証明するために行われたもので、多くの電気部品で一般的に用いられる試験方法を、初めて変圧器ブッシングの試験に適用しました。
アルストム社研究開発チームは、高電圧・超高圧機器の新たな技術開発における安全性の向上を目的に、2013年10月にチェコ共和国・プラハの第三者試験機関、ZKU高電圧・高出力試験所で今回の試験を実施。420kV樹脂浸透紙絶縁方式の変圧器用ブッシングの性能を実証しました。
ブッシングは、電界をコントロールし変圧器密閉タンク内の隔壁を貫通させて電流を安全に通電させるための主要機器です。今回の試験においては、変圧器内部の過酷な電気的短絡故障とアークエネルギーでの密閉容器内の圧力上昇による爆発に対し、樹脂含浸紙方式ブッシングが耐えうることが証明されました。こうした一連の内部故障は非常に稀なケースですが、万一の場合は機器および作業員に大きな被害をもたらします。
新たに開発した樹脂浸透紙方式ブッシングは、最先端の複合絶縁体を使用することで、爆発を抑え機器を破壊しないように設計され、万一の事故や火災のリスクを最小限に抑えます。
従来型ブッシングの多くは磁器碍管を使用していますが、安全性の観点から電力各社では、アルストム社開発の樹脂含浸紙方式をはじめとした複合絶縁体を利用する傾向にあります。樹脂含浸紙方式ブッシングは、油浸紙方式ブッシングに比べ出火や爆発に対し安全であるほか、油を使用していないことから、環境への影響を大幅に軽減できます。
今回の内部アーク試験では、内部短絡アーク電流による加熱と圧力上昇を再現させるため、試験条件は420kV樹脂含浸紙方式ブッシングに、63kAのアーク電流を0.5秒間発生させました。本試験の全エネルギー量は13MJにのぼります。これは1000kgの質量が580km/hの速度で発射されるエネルギーに相当します。撮影した試験記録映像を検証した結果、ブッシングがこの爆発エネルギーに耐えうることが確認されました。
アルストムでは、2011年に世界で初めて油浸紙技術を利用した420kVブッシングの内部アーク試験を実施しており、今回も世界に先駆けて、樹脂含浸紙技術を使用した最新の420kVブッシング実験を成功させています。
詳細につきましては、以下をご覧ください。
http://www.alstom.com/grid/products-and-services/high-voltage-power-products/bushing-for-ultra-high-voltage/bushings-news/
Alstomについて
アルストムは、革新的で環境に優しい技術で知られる発電、送電、鉄道インフラ分野におけるリーディングカンパニーです。世界最速列車、世界最大規模の自動化された地下鉄のほか、ターンキー機能を備えたパワープラント・ソリューション、水力・原子力・ガス・火力・風力など多様なエネルギー源に関するサービス、スマートグリッドを中心とした様々な送電サービスを提供しています。グループ全体で約100か国に社員92,000人を擁し、2012/2013年の売上高は200億ユーロ、受注高は約220億ユーロを計上しています。
Alstom Gridについて
アルストム・グリッドは、あらゆる国や地域に柔軟性、信頼性に優れた、低コストの持続可能型な送配電網を実現する革新的ソリューションの開発・提供を目指し、将来にわたる低炭素低酸素社会を可能にする送配電製品およびシステムの設計、製造、設置、管理を行っています。
送配電網事業において130年の歴史を誇るほか、送電事業では世界第3位に位置し、年間売上高は40億ユーロに上ります。世界各地に社員19,000人、88カ所を超える研究開発拠点を有し、発電所から家庭まで、お客様に信頼されるパートナーとなることを全社目標に掲げ、アルストム社と協力しながらよりスマートな世界の実現に向けて取り組んでいます。
アルストム社研究開発チームは、高電圧・超高圧機器の新たな技術開発における安全性の向上を目的に、2013年10月にチェコ共和国・プラハの第三者試験機関、ZKU高電圧・高出力試験所で今回の試験を実施。420kV樹脂浸透紙絶縁方式の変圧器用ブッシングの性能を実証しました。
ブッシングは、電界をコントロールし変圧器密閉タンク内の隔壁を貫通させて電流を安全に通電させるための主要機器です。今回の試験においては、変圧器内部の過酷な電気的短絡故障とアークエネルギーでの密閉容器内の圧力上昇による爆発に対し、樹脂含浸紙方式ブッシングが耐えうることが証明されました。こうした一連の内部故障は非常に稀なケースですが、万一の場合は機器および作業員に大きな被害をもたらします。
新たに開発した樹脂浸透紙方式ブッシングは、最先端の複合絶縁体を使用することで、爆発を抑え機器を破壊しないように設計され、万一の事故や火災のリスクを最小限に抑えます。
従来型ブッシングの多くは磁器碍管を使用していますが、安全性の観点から電力各社では、アルストム社開発の樹脂含浸紙方式をはじめとした複合絶縁体を利用する傾向にあります。樹脂含浸紙方式ブッシングは、油浸紙方式ブッシングに比べ出火や爆発に対し安全であるほか、油を使用していないことから、環境への影響を大幅に軽減できます。
今回の内部アーク試験では、内部短絡アーク電流による加熱と圧力上昇を再現させるため、試験条件は420kV樹脂含浸紙方式ブッシングに、63kAのアーク電流を0.5秒間発生させました。本試験の全エネルギー量は13MJにのぼります。これは1000kgの質量が580km/hの速度で発射されるエネルギーに相当します。撮影した試験記録映像を検証した結果、ブッシングがこの爆発エネルギーに耐えうることが確認されました。
アルストムでは、2011年に世界で初めて油浸紙技術を利用した420kVブッシングの内部アーク試験を実施しており、今回も世界に先駆けて、樹脂含浸紙技術を使用した最新の420kVブッシング実験を成功させています。
詳細につきましては、以下をご覧ください。
http://www.alstom.com/grid/products-and-services/high-voltage-power-products/bushing-for-ultra-high-voltage/bushings-news/
Alstomについて
アルストムは、革新的で環境に優しい技術で知られる発電、送電、鉄道インフラ分野におけるリーディングカンパニーです。世界最速列車、世界最大規模の自動化された地下鉄のほか、ターンキー機能を備えたパワープラント・ソリューション、水力・原子力・ガス・火力・風力など多様なエネルギー源に関するサービス、スマートグリッドを中心とした様々な送電サービスを提供しています。グループ全体で約100か国に社員92,000人を擁し、2012/2013年の売上高は200億ユーロ、受注高は約220億ユーロを計上しています。
Alstom Gridについて
アルストム・グリッドは、あらゆる国や地域に柔軟性、信頼性に優れた、低コストの持続可能型な送配電網を実現する革新的ソリューションの開発・提供を目指し、将来にわたる低炭素低酸素社会を可能にする送配電製品およびシステムの設計、製造、設置、管理を行っています。
送配電網事業において130年の歴史を誇るほか、送電事業では世界第3位に位置し、年間売上高は40億ユーロに上ります。世界各地に社員19,000人、88カ所を超える研究開発拠点を有し、発電所から家庭まで、お客様に信頼されるパートナーとなることを全社目標に掲げ、アルストム社と協力しながらよりスマートな世界の実現に向けて取り組んでいます。
企業情報
企業名 | Alstom S.A |
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代表者名 | Patrick Kron |
業種 | エネルギー・素材・繊維 |