未だ社会的認知度が低い幼児虐待と性暴力がテーマの映画『月光』制作にあたり、制作費出資を募るクラウドファンディングがスタートします(8月21日11時スタート)。
前作「風切羽」で児童虐待というテーマに挑んだ小澤監督。問題の深刻さは一作では表現しきれないと、再度同テーマに挑戦。映画を通してその実態を伝えます。作品の製作費をクラウドファンディング「makuake(https://www.makuake.com/)」で募ります(8月21日11時スタート)。
【制作背景】
平成25年版犯罪白書によると、2012年に警察が認知した全国の強姦は1240件、強制わいせつは7263件。そして内閣府が平成24年にまとめた調査では、無理やり性交された経験がある女性のうち、警察へ相談した女性の割合はわずか3.7%でした。また平成23年度の厚生労働省の統計では、全国の児童相談所に寄せられる、子どもへの虐待の相談件数は年間およそ6万件。その虐待相談件数のうち、性的虐待は年間1500件。全体のわずか2パーセントを占めるにすぎません。しかしながら、子どもが虐待を認識できなかったり、公にしたら家族関係を壊すことを恐れ話せないなど様々な要因により「数値は氷山の一角で、実態はその数倍」と指摘する専門家も数多くいます。
一方、現在の日本の司法制度では強姦を事件化しにくいなど、強姦被害者への支援体制は不十分で、性的虐待に関しては社会的認知はほとんどありません。こうした背景が、この申告率の低さや被害暗数(明らかになっていない数字)の高さに繋がっているのではないでしょうか。強姦や性的虐待を「なかったこと」のように扱う社会の風潮は、被害者を孤立させ、SOSを求める声をも掻き消しかねません。被害者が声を上げられない=被害の実態が浮かび上がらない=そんな事件は迷信だという思い込み=支援体勢がいつまでも整わないという悪循環に陥っています。
今までないがしろにされてきた、強姦被害や性的虐待について知ることで、被害にあってしまった人たちが安心して語れるような社会を作り、その辛さを少しでも減らすことができればー、それはすなわち、自分や身の回りの人たちを守ることにも繋がるはずです。強姦被害者と性的虐待被害者の視点で描かれる映画『月光』が、わずかながらでもその一助になれればと思っています。
【あらすじ】
性暴力の被害を受けたピアノ教師・カオリと、その加害者・トシオの娘であり、自らもトシオから性的虐待を受けているユウ。誰にも被害のことを話せず、心に深い傷を負った者同士が出会い、運命に導かれるように秘密を共有してゆく。そしてカオリは、ユウの願いを叶えるために、ある決心をするのだった――。
【サポーター】
本作品は、同テーマに関心をお持ちで日頃から啓蒙活動・支援活動をされている著名な方にも応援して頂いております。
サポーター|杉山春氏(ルポライター)
小澤監督が新作『月光』の準備を進めている。性虐待、性暴力を受けた女性。ネグレクト、身体的虐待を受けた子ども。暴力を繰り出さざるを得ない大人。そんな人々を描くという。
監督は、大人達から痛めつけられた子どもや女性たちから目を反らせることが出来ない。前作、『風切り羽』は自分勝手な親から虐待を受け、日常を過ごす施設にも居場所のない少女の心を繊細に、リアルに、希望の兆しとともに映像で描き切った。今回は性虐待をテーマにする。
日本の社会は、まだ、性虐待の実態を知らない。性という、命の根本に暴力を受けた時、人はどのように変容するのか。それにもかかわらず、人はどのように生き延びようとするのか。それを描ききることは、途方もない困難であろうことは想像がつく。そこに挑もうとする監督に心からのエールを送る。
<杉山春プロフィール>フリーランス・ルポライター。子育てや親子の問題、子ども虐待について綿密な取材活動を行う。主な著書に『ルポ 虐待 大阪二児置き去り死事件』(ちくま新書)、『ネグレクト』(小学館)『移民環 流』『満州女塾』(ともに新潮社)。
サポーター|にのみやさをり氏(写真家)
脚本を読ませていただいて、暫く考えた。これを観たひとは何を感じ、思うだろう。映画は強い。訴えるもの、突き刺さるものが強い。それを承知で彼らは映像化しようとしている。真摯に性犯罪被害・性虐待について勉強し、取材を重ね、どうやったら被害者たちを傷つけずに映画化できるかを考え試してきた。
しかし残念ながら。万人を傷つけずにカタチにすることは不可能だ。傷つかないものなどありはしない。それでもカタチにして届けたい、という彼らの熱意と覚悟。そこに私は何より先に動かされた。
今もし、あなたの隣に被害に遭ってしまった誰かがいるのなら。すぐに触れるのではなく、ただそっと寄り添ってあげてほしい。ただ寄り添って、耳を傾けてあげてほしい。彼らの口はかたい。容易には開かない。根気と忍耐とが必要に違いないと思う。それでも彼らはそれを必要としている。寄り添い、いつ振り返ってもそこにいてくれる誰かを。被害に遭い人間が持つ基本的な信頼感がすべて崩れてしまった人間にとって、その誰か、が必要なのだ。
もしも、あなた自身がその被害に遭ってしまったなら。どうか自分を責め傷つけないでほしい。いや、傷つけてもいい、それでも。生き延びてほしい。私は二十年を経てようやく、世界に顔を上げ、向き合おうとするところに辿り着けた。それくらい時間はかかる。それでも、今ようやく浴びる陽ざしは、とてもやさしく、あたたかい。生きて。生きて。生きて。生き延びてほしい。
この映画が、多くのひとの心に、魂に、届くことを、私は切に願っている。
<にのみやさをりプロフィール>1970年横浜に生まれる。24の冬、信頼している相手から性犯罪被害に遭い、PTSDを背負うことになる。PTSDの症状のひとつで、世界がモノクロに見えるということをきっかけに写真を始める。現在は写真家として活動。
【監督・小澤雅人】
1977年生まれ。長編第二作『風切羽~かざきりば~』(監督/脚本/編集)が、世界中からクオリティの高い芸術作品を選出することで名高い、第14回全州国際映画祭(韓国)のインターナショナル・コンペティション部門にノミネートされ、作品賞にあたる「Best Picture Prize」を受賞。同作は2013年、池袋シネマ・ロサほか全国16館で劇場公開され、大きな反響を呼んだ。長編第一作『こもれび』(監督/脚本/編集)は世界10大映画祭のひとつ、第14回上海国際映画祭(中国)等に正式招待された。これまで若者のホームレスや機能不全家族といったテーマで映画を描き、一貫して社会から疎外された人々の思いをスクリーンに映し出している。
【制作スケジュール】
クラウドファンディング終了後、2014年10月頃オーディションを開催。年内に2週間、都内近郊で撮影。2015年春、海外の映画祭に出品、そこから半年後を目処に国内複数の劇場で公開(2015年秋予定)、DVD化を目指します。
平成25年版犯罪白書によると、2012年に警察が認知した全国の強姦は1240件、強制わいせつは7263件。そして内閣府が平成24年にまとめた調査では、無理やり性交された経験がある女性のうち、警察へ相談した女性の割合はわずか3.7%でした。また平成23年度の厚生労働省の統計では、全国の児童相談所に寄せられる、子どもへの虐待の相談件数は年間およそ6万件。その虐待相談件数のうち、性的虐待は年間1500件。全体のわずか2パーセントを占めるにすぎません。しかしながら、子どもが虐待を認識できなかったり、公にしたら家族関係を壊すことを恐れ話せないなど様々な要因により「数値は氷山の一角で、実態はその数倍」と指摘する専門家も数多くいます。
一方、現在の日本の司法制度では強姦を事件化しにくいなど、強姦被害者への支援体制は不十分で、性的虐待に関しては社会的認知はほとんどありません。こうした背景が、この申告率の低さや被害暗数(明らかになっていない数字)の高さに繋がっているのではないでしょうか。強姦や性的虐待を「なかったこと」のように扱う社会の風潮は、被害者を孤立させ、SOSを求める声をも掻き消しかねません。被害者が声を上げられない=被害の実態が浮かび上がらない=そんな事件は迷信だという思い込み=支援体勢がいつまでも整わないという悪循環に陥っています。
今までないがしろにされてきた、強姦被害や性的虐待について知ることで、被害にあってしまった人たちが安心して語れるような社会を作り、その辛さを少しでも減らすことができればー、それはすなわち、自分や身の回りの人たちを守ることにも繋がるはずです。強姦被害者と性的虐待被害者の視点で描かれる映画『月光』が、わずかながらでもその一助になれればと思っています。
【あらすじ】
性暴力の被害を受けたピアノ教師・カオリと、その加害者・トシオの娘であり、自らもトシオから性的虐待を受けているユウ。誰にも被害のことを話せず、心に深い傷を負った者同士が出会い、運命に導かれるように秘密を共有してゆく。そしてカオリは、ユウの願いを叶えるために、ある決心をするのだった――。
【サポーター】
本作品は、同テーマに関心をお持ちで日頃から啓蒙活動・支援活動をされている著名な方にも応援して頂いております。
サポーター|杉山春氏(ルポライター)
小澤監督が新作『月光』の準備を進めている。性虐待、性暴力を受けた女性。ネグレクト、身体的虐待を受けた子ども。暴力を繰り出さざるを得ない大人。そんな人々を描くという。
監督は、大人達から痛めつけられた子どもや女性たちから目を反らせることが出来ない。前作、『風切り羽』は自分勝手な親から虐待を受け、日常を過ごす施設にも居場所のない少女の心を繊細に、リアルに、希望の兆しとともに映像で描き切った。今回は性虐待をテーマにする。
日本の社会は、まだ、性虐待の実態を知らない。性という、命の根本に暴力を受けた時、人はどのように変容するのか。それにもかかわらず、人はどのように生き延びようとするのか。それを描ききることは、途方もない困難であろうことは想像がつく。そこに挑もうとする監督に心からのエールを送る。
<杉山春プロフィール>フリーランス・ルポライター。子育てや親子の問題、子ども虐待について綿密な取材活動を行う。主な著書に『ルポ 虐待 大阪二児置き去り死事件』(ちくま新書)、『ネグレクト』(小学館)『移民環 流』『満州女塾』(ともに新潮社)。
サポーター|にのみやさをり氏(写真家)
脚本を読ませていただいて、暫く考えた。これを観たひとは何を感じ、思うだろう。映画は強い。訴えるもの、突き刺さるものが強い。それを承知で彼らは映像化しようとしている。真摯に性犯罪被害・性虐待について勉強し、取材を重ね、どうやったら被害者たちを傷つけずに映画化できるかを考え試してきた。
しかし残念ながら。万人を傷つけずにカタチにすることは不可能だ。傷つかないものなどありはしない。それでもカタチにして届けたい、という彼らの熱意と覚悟。そこに私は何より先に動かされた。
今もし、あなたの隣に被害に遭ってしまった誰かがいるのなら。すぐに触れるのではなく、ただそっと寄り添ってあげてほしい。ただ寄り添って、耳を傾けてあげてほしい。彼らの口はかたい。容易には開かない。根気と忍耐とが必要に違いないと思う。それでも彼らはそれを必要としている。寄り添い、いつ振り返ってもそこにいてくれる誰かを。被害に遭い人間が持つ基本的な信頼感がすべて崩れてしまった人間にとって、その誰か、が必要なのだ。
もしも、あなた自身がその被害に遭ってしまったなら。どうか自分を責め傷つけないでほしい。いや、傷つけてもいい、それでも。生き延びてほしい。私は二十年を経てようやく、世界に顔を上げ、向き合おうとするところに辿り着けた。それくらい時間はかかる。それでも、今ようやく浴びる陽ざしは、とてもやさしく、あたたかい。生きて。生きて。生きて。生き延びてほしい。
この映画が、多くのひとの心に、魂に、届くことを、私は切に願っている。
<にのみやさをりプロフィール>1970年横浜に生まれる。24の冬、信頼している相手から性犯罪被害に遭い、PTSDを背負うことになる。PTSDの症状のひとつで、世界がモノクロに見えるということをきっかけに写真を始める。現在は写真家として活動。
【監督・小澤雅人】
1977年生まれ。長編第二作『風切羽~かざきりば~』(監督/脚本/編集)が、世界中からクオリティの高い芸術作品を選出することで名高い、第14回全州国際映画祭(韓国)のインターナショナル・コンペティション部門にノミネートされ、作品賞にあたる「Best Picture Prize」を受賞。同作は2013年、池袋シネマ・ロサほか全国16館で劇場公開され、大きな反響を呼んだ。長編第一作『こもれび』(監督/脚本/編集)は世界10大映画祭のひとつ、第14回上海国際映画祭(中国)等に正式招待された。これまで若者のホームレスや機能不全家族といったテーマで映画を描き、一貫して社会から疎外された人々の思いをスクリーンに映し出している。
【制作スケジュール】
クラウドファンディング終了後、2014年10月頃オーディションを開催。年内に2週間、都内近郊で撮影。2015年春、海外の映画祭に出品、そこから半年後を目処に国内複数の劇場で公開(2015年秋予定)、DVD化を目指します。
添付画像・資料
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企業情報
企業名 | 有限会社HEADLINE |
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代表者名 | 岸本優二 |
業種 | エンタテインメント・音楽関連 |