【調査結果】女性管理職のストレス源は仕事・人間関係よりも会社の支援・理解不足?~管理職5000人を対象としたストレスチェック結果のデータ分析より~
働く人と組織の生産性向上を支援するピースマインド・イープ株式会社(以下、ピースマインド・イープ)の調査・研究機関である国際EAP研究センターは、約5,000人の管理職に対するストレスチェックの結果データをもとに、女性管理職のストレス傾向の分析を行いました。本調査は、ストレスチェックで測定された職場のストレス要因と従業員のストレス度の結果を活用して、女性が管理職として活躍するために必要な職場作りのヒントを得るために実施したものです。なお、今回の調査サンプルにおいて管理職に占める女性の割合は3.9%でした。
働く人と組織の生産性向上を支援するピースマインド・イープ株式会社(以下、ピースマインド・イープ)の調査・研究機関である国際EAP研究センターは、約5,000名の管理職に対するストレスチェックの結果データをもとに、女性管理職のストレス傾向の分析を行いました。
2015年に女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)が制定され、女性の活躍推進が近年日本における大きな潮流となっています。特に、国際的にみて低いとされている女性管理職比率については政府が数値目標を掲げる等女性管理職増加のための様々な施策が実施されています。
本調査は、ストレスチェックで測定された職場のストレス要因(※1)と従業員のストレス度(※2)の結果を活用して、女性が管理職として活躍するために必要な職場作りのヒントを得るために実施したものです。なお、今回の調査サンプルにおいて管理職に占める女性の割合は3.9%でした。
※1ストレス要因:仕事の量的負担、職場での対人関係、上司のサポート、経営層との信頼関係等を問う設問で測定されます。
※2ストレス度:活気のなさ、イライラ感、疲労感、不安感、抑うつ感等を問う設問で測定され、個人のストレス反応の程度を表します。
■ 今回の調査結果のポイント
1.男性管理職と比較して女性管理職のストレス度が高い(図1)
管理職におけるストレス度を比較すると、男性管理職に比べて女性管理職のストレス度が高い結果となりました。
2.女性管理職のストレス度と組織体制・風土に関するストレス要因の関連が強い(表1、図2)
ストレス要因とストレス度の関連の強さを統計的に分析し、管理職におけるストレス度と関連の強いストレス要因を抽出した結果、「ワークセルフバランス・ポジティブ(※3)」、「職場での対人関係(※4)」が男女問わず関連の強い要因として抽出されました。男性管理職では「仕事のコントロール(※5)」、「情緒的負担(※6)」、「役割葛藤(※7)」といった主に仕事上の要因が関連の強い要因として上位に抽出された一方で、女性管理職では「キャリア形成(※8)」、「個人の尊重(※9)」、「公正な人事評価(※10)」といった組織体制・風土に関する要因が上位に抽出されました。
3.組織体制・風土に関する要因が良好でないと感じている女性管理職は顕著にストレス度が高い(図3)
「キャリア形成」、「個人の尊重」、「公正な人事評価」といった、特に女性管理職のストレス度と関連の強いストレス要因とストレス度の関係を分析すると、それらのストレス要因を負担に感じている女性管理職のストレス度は、そうでない女性管理職と比較して約2倍であることが分かりました。
<注釈>
※3 ワークセルフバランス・ポジティブ:仕事でエネルギーをもらって自分の生活をさらに充実させることが出来ないこと。
※4 職場での対人関係:部署内での意見の相違や部署同士の対立など対人関係に関する負担が大きいこと。
※5 仕事のコントロール:仕事の内容や予定や手順などを自分で決めづらいこと。
※6 情緒的負担:仕事の上で感情面の負担が大きいこと。
※7 役割葛藤:複数の人から互いに矛盾したことを要求される負担が大きいこと。
※8 キャリア形成:意欲を引き出したり、キャリアに役立つような教育が十分実施されていないこと。
※9 個人の尊重:職場で一人ひとりの価値観が大事にされないこと。
※10 公正な人事評価:人事評価の結果についての説明が不十分であること。
■ 考察
今回の分析からは、男性管理職と比較して女性管理職のストレス度が高いことに加え、「キャリア形成」、「個人の尊重」、「公正な人事評価」といった組織体制・風土に関する要因が女性管理職に特徴的なストレス要因と考えられ、実際に女性管理職のストレス度に大きな影響を及ぼしている可能性が示唆されました。
このことから、女性が管理職として働きやすい職場作りを進めるためには、会社として女性管理職向けのキャリア教育、全社的なハラスメント防止教育、女性管理職の上司となる幹部層に対するコミュニケーション研修等に力を入れていくことが必要と考えられます。また、現状の日本企業においては社内に女性管理職のロールモデルや相談相手となれる存在が不足していると考えられることから、キャリアに関する悩みや育児・介護等のプライベートな悩みを相談出来る専門機関を活用することも有効と考えられます。
■ 調査概要
【調査期間】
2015年4月~2015年12月
【調査対象】
ピースマインド・イープの「いきいき職場調査 ココロチェック」シリーズによりストレスチェックを行った団体から抽出した管理職5,368名(男性5,158名、女性210名)。
<参考情報>
● 国際EAP研究センター: http://www.peacemind-ri.com/
● ストレスチェック義務化対策: http://www.peacemind-jeap.co.jp/services/stresscheck
● 義務化されるストレスチェック(りそな総合研究所発行「りそなーれ 7月号」): http://www.peacemind-jeap.co.jp/news/publicity/8980.html
● 組織アドバイザリー:http://www.peacemind-jeap.co.jp/services/advisory/
● 研修・トレーニング: http://www.peacemind-jeap.co.jp/services/training/
● EAPサービス:http://www.peacemind-jeap.co.jp/services/ea
【会社概要】
ピースマインド・イープ株式会社 (http://www.peacemind-jeap.co.jp/)
本社所在地:東京都中央区銀座3-10-6マルイト銀座第3ビル8F
代表取締役社長:荻原 国啓
資本金:90,250,000円
事業内容:心理・行動科学アプローチによる「人と組織のレジリエンス ビルディング®」を提供するコンサルティング企業。社員と組織の生産性向上をサポートするEAP(従業員支援プログラム)を中心に、国内外の560社を超える企業にサービスを展開するEAP業界のリーディングカンパニー。
添付画像・資料
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企業情報
企業名 | ピースマインド株式会社 |
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代表者名 | 荻原 英人 |
業種 | ビジネス・人事サービス |
コラム
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