日本で唯一、獣医師国家資格をもつサイエンスアーティスト ~第一線で活動するメディカルイラストレーター・tokco
メディカルイラストレーターという聞きなれない職業がある。日本には数十人しかいないとう特異な分野である。医学の専門知識にイラストレーターとしての技術も問われるという、なんとも限定的な職業だ。昨年2月には、この分野で活動する若手アーティストたちが自分たちの職業を知ってもらおうと研究会を立ち上げ、活動をおこなっている。そのひとりがtokco。父親の影響を受け、幼少時からイラストレーターへのあこがれをもつも断念し、獣医の道に。その後、自身の摂食障害との過酷な闘いを経る中でヒトの医療と関わりたいとの思いから医療の現場に従事するが、ある日突然、イラストレーターへの夢が再燃。医療の職を捨て、CGの専門学校に通い9年の歳月を経ていま、日本で唯一、獣医師国家資格をもつメディカルイラストレーターとして活動している。業界のフロントランナーとして4月には、研究発表も予定されている。
「メディカルイラストレーターという職業を広く知ってもらいたい」というtokco。日本で唯一、獣医師国家資格をもつサイエンスアーティストとして第一線で活動するメディアカルイラストレーターであるとともに、自らが設立した制作会社の経営者でもある。営業活動からクライアントとの打ち合わせ、そして図版と向き合い作品づくりに励む日々が続く。
カーデザイナーの父親を持つ家庭で育ったtokcoは、幼少の頃から絵を描く仕事に就くことを夢みていた。しかし、絵の世界の厳しさを知るにつけイラストレーターの道を一旦封印し、大好きな動物に携わる獣医の道を選ぶことになる。獣医学科に在学していた時も、いつもノートに絵を描いていた。
卒業後、獣医の仕事に就きドクターとともに働く。朝から深夜まで働き詰めという日も多く、女性にとってはハードな環境だった。その後、tokcoの心に「ヒトの医療に関わりたい」という思いが芽生えた。きっかけは高校性の時に患った摂食障害である。13年もの間、地獄のような苦しみ味わったが幸い、恵まれた職場環境や家族の支えによって克服できた。この経験を基に、人のために自分の人生をかけている多くのドクターをみるにつけ、ひとの知識と技術と努力によって医療が成り立っていることを知る。そして、どんな苦労も経験することの大切さを学ぶ中で、困難を乗り越えるとモノの見方も変わってきたことを実感し、イラストレーターというかねてからの夢の職業への思いが再燃した。
それからの行動は早かった。医療機関を退職し、コンピューターグラフィックスの専門学校に入学した。医療の現場経験と医学知識があったため、約9年で正式なメディカルイラストレーターとしての評価を得た。海外のようにきちんとしたトレーニングを受けてからメディカルイラストレーとなるパターンは稀で、ほとんどが独学や師匠から学ぶという日本の現状からすると順風満帆とはいえないまでも順当な歩みだった。
日本では現在、メディアカルイラストレーターと呼ばれる人は数十人程度。今後は業界のフロントランナーとして、自らの情報発信力を高めることで職業としてのメディアカルイラストレーターの認知形成と地位向上に努めていくことを目指す。今年4月、若手サイエンス・メディカル・イラストレーターグループ、SciMeCLabが主催する研究会(年1回、2回目)で発表の予定。
<tokcoプロフィール>
小学生のとき美術大学へ進む夢を見るが、カーデザイナーの父にアートの世界の厳しさを知らされ一旦保留。動物好きを活かし獣医学科へ進み、生き物のからだのしくみを学びながらいつかアートの仕事と融合させたいと考える。現在日本で唯一、獣医師国家資格をもつサイエンス/メディアカルアーティスト。
2006年〜2008年 人の医療に携わる獣医師として神戸の医療関連会社に勤務。
日本では医療に関するイラストレーションに対するリテラシーが低いことを
知り、その重要性を広めるべく社内でイラストを描き始める。
2008年 メディカルイラストレーターになることを使命と感じ辞職。東京デジ
タルハリウッドに入学しイラスト制作に必要なPC技術を学ぶ。
2010年 世界的に活躍するサイエンスアーティストの奈良島知行氏のサマー
スクールに参加し感銘を受ける。
2013年 株式会社レーマンを設立。
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企業情報
企業名 | 株式会社コミュニケーションハウス |
---|---|
代表者名 | 野中克己 |
業種 | その他サービス |
コラム
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