10日間で100万食突破の「糖質オフシリーズ」開発の裏話を担当常務に緊急インタビュー!くらコーポレーション常務取締役・製造本部長 久宗裕行がヒットの裏側を語る
株式会社くらコーポレーションは、お米のかわりに大根を使った寿司や、まさかの「麺抜きらーめん」などの「糖質オフシリーズ」を、回転寿司チェーン店「無添 くら寿司」にて8月31日(野菜の日)より全国で展開中。糖質制限を気にする人に向けた、掟破りともいえる同シリーズ。果たしてこれは「お寿司」と呼んでいいものか、賛否両論の声も上がっています。そこで実際の評判や売り上げ、開発の意図まで、株式会社くらコーポレーション常務取締役・製造本部長の久宗裕行氏にお話を聞きました。
インタビュートピックス
・客層は女性が7割、想定の2倍の売り上げ!夏以降の売り上げにも貢献の「糖質オフシリーズ」
・寿司から禁断の「シャリカット」…大根にたどり着くまでには、様々な試行錯誤があった!
・「糖質オフシリーズ」「シャリカレー」「シャリコーラ」…業界初のユニークな商品を生む発想の源泉とは?
・実はらーめんもくら寿司が大手回転寿司チェーンで初めて提供!
・「四大添加物無添加」「ベジ・ファースト」など…誠実かつユニークな取組の背景とは
・売り上げ2000億円を目指して…日本と世界の回転寿司をボーダーレスに発展させていくという決意
補足情報
・糖質オフシリーズの売上状況データ
・くらコーポレーション全体の売り上げの推移
・糖質オフシリーズに対するお客様からの反響
■糖質オフシリーズ : http://www.kura-corpo.co.jp/fair/2017tousitsuoff.html
■客層は女性が7割、想定の2倍の売上げ!夏以降の売り上げにも貢献の「糖質オフシリーズ」
――8月31日発売以降の「糖質オフシリーズ」の反響や売上はいかがでしょうか?
「おかげさまで大反響です。私たちが想定する2倍ほど売れています。いつもは夏休みが終わるとお店の売り上げは少し落ち着くのですが、9月に入ってからむしろ勢いを増しています。ありがたいお話です」
――予想外の売り上げだと。
「『糖質オフシリーズ』に使う『シャリ野菜』の大根の酢漬けが非常に切迫している状況でして。現在、増産を急いでいます」
――このシリーズの主な客層は?
「やはり女性が多いようで、全体の7割だと聞いております」
――実際にお客さまからどのような声が届きましたか?
「肥満を気にする方を含め、大変多くの感想をいただきました。驚いたのは『作ってくれてありがとう』といった声です。糖尿病を家族に持つ方から『これまで外食を避けていましたが、これでみんなで食事ができる』と。我々もこのシリーズを始めてみて、そうした方々が多くいらっしゃることを知りました」
■寿司から禁断の「シャリカット」…大根にたどり着くまでには、様々な試行錯誤があった!
――ネットでは「なぜ、これを作った?」と驚きの声もあります。開発の経緯をお聞かせください。
「お客様のニーズをいち早く察知し、市場環境を捉えて、くら寿司ならではの独自性を重要視することは、商品を開発する上では常に重要視していることです。しかし、糖質オフシリーズにおいてはブームになる前より着手していました何故ならば、くら寿司は創業以来食の戦前回帰というコンセプトをもって、化学調味料、合成着色料、人工甘味料、人工保存料を全食材に削除する「四大添加物 無添加」への取り組みなど、業界では当たり前のやり方を疑い、自分たちが正しいと思うことを愚直に体現してきました。食を通じて、健康への配慮を真面目に考え、真摯に創業以来取り組んできており、その取り組みこそが、この度の「糖質オフシリーズ」の販売に至った大きな理由です。2016年にロカボなど健康ブーム・糖質オフブームとなり、糖質を気にされるお客様は多くなってきました。当社は、そのブームになる2015年頃からすでに『野菜を使ったメニューで健康を応援する商品を作ろう』を合言葉に着手しておりました。これまでも、カロリー控えめの商品やアレルゲンフリーの商品を積極的に販売してきました。例えば、豆腐を使った「ガトーフショコラ」や蒟蒻を使った「ヘルシーつけ麺」、大人気の7大アレルゲンフリーのアイス、「豆乳アイス」など。この度の大々的な糖質オフシリーズにおきましては、業界としては今まで手を出しづらかった寿司の分野において、社内でも賛否両論。もちろん開発においても非常に苦労致しました。
相当な試行錯誤をしました。シャリを使うのが当然の寿司から“糖質カット”するのは相反することですので。最初は『ネタを野菜にしよう』から始まりましたが、いざ糖質を調べるとそこまでは変化がない。やはりお米をなんとかしなければ、といなみんなで悩むなかで、ふと出てきたのが大根の細切りでした」
――刺身のツマのような。
「はい。ただ『それじゃただの刺身じゃないか』という話で。今度はまた別の案が浮上して」。何度も試行錯誤を繰り返しているうちに、ようやく大根だけでやってみようとなりました。完成に至るまでかなりの時間がかかりましたね。大根の味付けにはどんな酢が合うのか、どれくらいの細さや長さががベストなのか……」
――実際に食べてみて、切り方や味付けにも相当なこだわりを感じました。
「私たちはシャリに信念を持っているので、お酢に関しては得意分野です。いろいろな引き出しの中から大根に最も合う合わせ酢を作りました。もちろん、お米に使用する酢とは違う独自のものです」
■「糖質オフシリーズ」「シャリカレー」「シャリコーラ」…ユニークな商品を生み出し続ける発想の源泉とは?
――今、SNSなどで「寿司屋でシャリを残す女性」が物議を醸しています。どのように感じていますか?
「そこまで多くはないのですが、お店でも見かけることはあります。ただ、その人たちも気持ちよく残しているふうには見えないんです。せっかく食べに来ていただいているなら、罪悪感なしに帰っていただきたいじゃないですか。残していただかないようにするにはどうしたらいいか、開発するなかで意識はしましたね」
――現在の糖質制限ブームをどう思われますか?
「いい傾向だと思います。逆風になるのではという危機感もありましたが、私たちはむしろチャンスだと考えました」
――「シャリカレー」や「シャリコーラ」などユニークなメニュー展開が目を引きますが「くら寿司」として商品化を進めるポイントは?
「オリジナリティです。驚きや感動は会社のテーマでもあり、普通のことだけをやっていてもお客さんに楽しんでいただけない。くら寿司は食事とエンターテインメントを兼ね備えたレストランだという自負があります。ただ『まずいものは売らない』。尖ったアイデアと専門店に負けない味を出すという条件を満たしているか、それを基準にいろいろな商品をジャッジしています」
――特色のあるメニューは、個人がSNSで話題を発信する今の時代にマッチしているようにも感じます。
「今のSNSの動きを無視はできないので、もちろん意識はしています。個人が何かを感じてくら寿司の商品を発信していただけることは、私たちにとっても非常にありがたいことです。ただ、それを狙って商品開発をしているわけではなく、結果として、話題になればうれしいといったスタンスです。楽しく食事をしていただくにはどうしたらいいかを第一に考えているので」
――今後「糖質オフシリーズ」はどのような展開を見せていくのでしょうか?
「これからも進化していきます。具体的にはまだ言えませんが、年内や年明けにも新しいメニューを考えています。想像を超えるような形になると思いますよ」
■「四大添加物無添加」「ベジ・ファースト」など…誠実かつユニークな取組の背景とは
――「くら寿司」が取り組む安心・安全についてお聞かせください。
「まず店舗で扱う全ての食材において四大添加物(化学調味料・人工甘味料・合成着色料・人工保存料)を使いません。実現までかなり大変でしたが、健康への関心が深い今、大変な注目を浴びています。また、ウイルスや雑菌から保護する寿司キャップ『鮮度くん』も特徴のひとつです」
――「鮮度くん」はどのようなものですか?
「キャップに触れずにお皿が取れるため、ネタの鮮度を保ちつつ、汚れやウイルス、つばなどからお寿司を守ることができます。さらにキャップにはICタグを取り付け、設定時間を経過した商品を取り除く『時間制限管理システム』を導入しています」
――野菜を先に食べることで血糖値の上昇を防ぐ「ベジ・ファースト(ベジタブル・ファースト)」にも取り組んでいるとお聞きしました。
「せっかくお店に来たからには罪悪感なく、お腹いっぱいになってほしいので『まずは、野菜をたべやさい!』というダジャレ交じりのコピーにて分かりやすく推進しています。くら寿司に来ていただいたら、まず1皿目は野菜関係のお寿司から食べていただきたいですね」
――飽食の時代からか、最近では食事に罪悪感を覚える人も多いと聞きます。
「罪悪感というキーワードは『糖質オフシリーズ』開発のヒントになっています。おいしく食べているのに何か心に引っかかる、そうした思いは『くら寿司』にいらっしゃるお客さまには感じてほしくないんです」
■売り上げ2000億円を目指して…日本と世界の回転寿司をボーダーレスに発展させていくという決意
――今後の展望についてお聞かせください。
「今後もエンターテインメント性やアイデアでお客さまに喜んでいただいて、国内と海外を合わせて売上2000億円を目指して前進していきます。国内は今後も3年で60店舗以上、海外でも同じ比率で出店を考えております。日本の常識を世界に広め、世界で得た情報を日本に逆輸入する。日本と世界の回転寿司をボーダーレスに発展させていきたいと考えています」
――しかし、世界の寿司を見ると「これが!?」と驚くほどかけ離れたものもありますね。
「つい否定しがちですが、私たちとしては『これをおいしく作ったら面白い!』と考えています。『糖質オフシリーズ』も一部、手厳しい意見もいただきました(笑)。ですが『シャリがないのはお寿司じゃない』で踏みとどまってしまうのは面白くないじゃないですか」
――「糖質オフシリーズ」は、批判の声が上がることも想定済みだったと思います。それでも発売に踏み切ったのは驚きです。
「賛否両論ウェルカムですよ。関心を持っていただけるということは、有難いことです。完全に意見が同じ方はいらっしゃらないじゃないですか。私たちの考えは、いろんな意見や見方があって当たり前。最近では、自分の考えが○、違っていれば×などと、極端に判断しがちですが、どうなんだろうな、と思います。違う考えを×ではなくて、△、□、◇と寛容な気持ちで見て頂くと、もっと楽しんで頂けるのではないかと。私たちは自信を持って『糖質オフシリーズ』をお出ししています。ぜひ、一度召し上がってみてください」
■既に100万食を超える大ヒット!売上は前年比107.9%と好調!くら寿司の快進撃
シャリが野菜になった新感覚のお寿司「シャリ♥野菜」、らーめんなのに麺がない新感覚のらーめん「らーめん♥麺抜き」、小さなシャリで食べやすい新感覚のお寿司「シャリ♥プチ」の3種類、10商品を展開している糖質オフシリーズ。発売からわずか10日で、既になんと累計で100万食を超えるヒットを記録しています。
既成概念にとらわれない斬新な商品展開が奏功してか、売上高は増え続けており、21期連続で成長を続けています。こうした好調を受けながらも歩みを止めることはなく、創業から40年を迎えた今年も「糖質オフシリーズ」や「胡麻香る担々麺」など、業界にインパクトを与える画期的な商品を生み出し続けており、今後もこの好調は続いていきそうです。
■ダイエット中の方から・健康志向の方から・乗り換えた方から…糖質オフシリーズに対するお客様からの声
既に100万食販売を達成した糖質オフシリーズ。お客様から様々な好評の声を頂いています。ここでは、その一部をご紹介します。
<ダイエット中のお客様からの声>
今日から始まった糖質オフのメニューを食べに行きました。お寿司が大好きなのに、ダイエットしていて我慢していたので、とても嬉しいです。ありがとうございます。
<健康を気にしているお客様からの声>
この度、糖質オフメニューを考えてくださって本当にありがとうございました。健康のために糖質オフの食事をしていますが、家族と一緒にお寿司を食べに行けず、残念に思っておりました。昨日、くら寿司さんに伺って糖質オフのお寿司を食べて、とても美味しく満足しました。ありがとうございました。
<糖質オフシリーズをきっかけに乗り換えられたお客様>
今日初めて食べました。とても美味しかったので、これからももっと種類を増やして欲しいです!ダイエット中に、家族と一緒にお寿司を食べに行くとき我慢するのが辛かったのですが、これだったら気にせず美味しく食べられるので助かります!正直失礼な話ですが今までは別の回転寿司屋ばかり行っていましたが、このメニューができたおかげでこれからはくら寿司さんへ通います!
<絶品だったというお客様>
先日の糖質オフメニューもいただきました。酢飯の代わりに大根の漬物を利用した握り寿司、美味しかったです。手巻きは絶品でした。
■糖質オフシリーズに関して
※「らーめん♥麺抜き」のネギは、東日本が白ネギ、西日本が青ネギとなります
■糖質オフシリーズ : http://www.kura-corpo.co.jp/fair/2017tousitsuoff.html
昨今の“糖質制限意識”の高まりを受けて、発売したのが糖質オフシリーズ「シャリ野菜」「7種の魚介らーめん 麺抜き」「シャリプチ」の3種(全10商品)。全国のくら寿司で販売中です。
<シャリ野菜>
「シャリ野菜」は、シャリ(酢飯)の代わりに「大根の酢漬け」を使用した全く新しいお寿司になります。大根は、寿司ネタを邪魔せず、かつ食感も楽しめる、程よい厚さにカット。お酢をベースに砂糖・塩・醤油・ゆず胡椒を加えた特製合わせ酢で味付けしました。ベースに敷かれたサンチュで巻いて、そのままでも、お好みで醤油をつけても美味しくお召し上がりいただけます。また、大根の酢漬け、寿司ネタ、キュウリをサンチュで巻き、更にくら寿司自慢の海苔を使用した「シャリ野菜手巻き」も合わせて発売します。
<7種の魚介らーめん 麺抜き>
「7種の魚介らーめん 麺抜き」は、毎日店舗で作る「7種の魚介だし」で人気のラーメンスープに、麺の代わりに、ニンジン、チンゲン菜、モヤシ、キャベツの4種の蒸し野菜をたっぷりと使用。ラーメンスープの味を損なわないようにしつつ、食べ応えと彩りにこだわりました。キャベツとモヤシのシャキシャキとした食感は食べ応え十分。また、ニンジン、チンゲン菜で彩りを加え、ラーメンスープの魅力をさらに引き立てます。「シャリ野菜」「らーめん 麺抜き」ともに、厳選した“国産野菜”を使用しております。
<シャリプチ>
「シャリプチ」は、「シャリが大きい」「他のお寿司も食べたいのにすぐにお腹がいっぱいになってしまう」等のお客様のニーズにお応えし、シャリを半分にしてご提供します。
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企業情報
企業名 | 株式会社くらコーポレーション |
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代表者名 | 田中邦彦 |
業種 | 食品関連 |