英ロンドン大学から認知症、災害管理専門を含む代表団が来日~同大学のアーサー学長が、10月2日に京都STSフォーラムで講演へ~
マイケル・アーサー学長が率いる英国ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の代表団が、150年前にさかのぼる日本との歴史的な関係をさらに強化すると共に、新しい関係の構築を目指して、2週間の日程で日本を訪問しています。代表団には、認知症や災害管理の専門家が含まれていて、10月5日までの滞在中に、日本の産業界や大学関係者と面談を行い、新しい協力関係を発展させることを目指します。
マイケル・アーサー学長が率いる英国ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の代表団が、150年前にさかのぼる日本との歴史的な関係をさらに強化すると共に、新しい関係の構築を目指して、2週間の日程で日本を訪問しています。代表団には、認知症や災害管理の専門家が含まれていて、10月5日までの滞在中に、日本の産業界や大学関係者と面談を行い、新しい協力関係を発展させることを目指します。
今回の日本訪問のハイライトとして、アーサー学長は、10月1日~3日まで京都で開催される「科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム」(STSフォーラム、http://www.stsforum.org/?lang=ja)で、「デジタル時代の教育の戦略」について講演を行います。10月2日に行われる講演の中で、UCLのリサーチ(研究)に基づく教育重視の方針や、研究と教育を結びつけたカリキュラムを通して、大学教育の在り方について大胆な提言を行います。また、2012年にロンドンオリンピックが開催されたスポーツ複合施設のクイーン・エリザベス・オリンピック・パークへ、将来 UCL のキャンパスを開設する案なども披露されます。
訪日代表団は、滞在中に東京大学、東北大学、京都大学、大阪大学などと面談するほか、大手製薬会社のエーザイや浜松ホトニクス、内堀雅雄・福島県知事などとも会見する予定です。UCLは福島が2011年の東日本大震災で、地震、津波、原発事故の3大災害に襲われて以来、この地域でいち早く救援活動をしてきました。
代表団一行はまた、日本の主要な研究所や団体、政府らと協力して、19世紀の「長州ファイブ」として知られる幕末の時代にさかのぼる、日本との歴史的な関係をさらに強化することを目指します。代表団の滞在中、「長州ファイブ」やその後に続いた薩摩からのUCL留学時代からの日本との緊密な関係を祝福し、日本からのUCL同窓生たちを迎えて、東京の駐日英国大使公邸で「同窓会」が行われます。
マイケル・アーサー教授(UCL 学長)の略歴:
UCL 学長、2013 年9 月から現職。臨床研究者として初めて学長となる。2004 年から2013 年まで、リーズ大学の副学長を務め、世界の大学ランキング内の向上に貢献した。1992 年から2004 年まではサウサンプトン大学の内科教授で、1998 年から2001 年には薬学部長、2003 年には薬と健康とライフサイエンス部門のトップを務めた。肝臓の専門家で、1986 年から1988 年にはUC サンフランシスコの中央肝臓研究所で、肝細胞学と、肝線維症の細胞と分子病態の研究に従事した。1994 年には、王立医科大学からリナカーメダルを授与され、1998 年には医学アカデミーの特別会員となった。
(アーサー学長:UCLサイトより http://www.ucl.ac.uk/provost )
(参考資料)
ロンドン大学(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、UCL)について
1826年創立(本部:ブルームズベリー、ロンドン市)。英国で初めて、すべての階級や宗教の学生を受け入れ、女子学生を男子学生と同じ条件で受け入れた大学。現実世界の問題に取り組むため学術的優秀性とリサーチ(研究)の原則にもとづいて設立。現在でもこの原則に忠実であり続け、21世紀のグローバルレベルの諸問題に対応できる優秀な人材をあらゆる分野から集めています。ロンドンのグローバルな大学として、常に世界の大学ランキングでトップ20に入っています。
(UCLの風景:UCL Newsのサイトより:https://www.flickr.com/photos/uclnews/ )
UCLと日本について
英国の国民投票で欧州連合(EU)からの離脱が決まったあと、世界との関係強化をさらに進めているUCLにとって日本は最優先国と位置付けられています。
UCLと日本との関係は、150年以上前、幕末の日本、長州から英国で勉強するためにやってきた5人がUCLに留学し、帰国してから近代日本の政治や産業のリーダーとなり、「日本建国の父」とされた、いわゆる「長州ファイブ」の時代にさかのぼります。そのほかの有名な卒業生には、小泉純一郎元首相、夏目漱石(小説家・英文学研究家)、森有礼(日本初の駐米大使・文部大臣として日本の近代教育の創始者)らがいます。
UCLは英国において、日本人学生を2番目に多く受け入れている大学です。現在150人が入学しており、日本にはUCLの卒業生が1,000人以上います。1992年に彼らの同窓会である「UCLジャパン・クラブ」が設立されました。
「長州ファイブ」について
「長州ファイブ」は,幕末期に長州藩から英国に派遣され,UCL(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)などに留学した長州藩士5人―伊藤俊輔(博文)(初代総理大臣で「日本の憲法制定の父」、「議会政治の父」、「政党内閣の父」として知られる)、井上聞多(馨)(初代外務大臣で「近代日本外交の父」といわれる)、山尾庸三(「日本の工業の父」)、野村弥吉(井上勝)(「日本の鉄道の父」)、遠藤謹助(「近代日本の造幣の父」)―を指します。
彼ら5人が鎖国の禁を犯して命がけで横浜を出港したのが1863年5月,英国に到着したのが同年11月(いずれも旧暦)であり,その150周年に当たる2013年には、彼らの偉業を称え、英国で、UCLも参加して、記念行事が盛大に行われました。
この意義ある歴史を象徴するための「ジャパン・モニュメント」(記念碑)がUCLのサウス・クロイスターズの建物の中庭に建っています。その記念碑には長州藩5名と薩摩藩19名の名が刻まれ、碑の側面には、「はるばると こころつどいて はなさかる」の歌が刻まれています。
(長州ファイブ:在英日本大使館サイトより:
http://www.uk.emb-japan.go.jp/jp/event/2013/choshu/info.html )
UCLと認知症研究について
・UCLには世界で最大の神経科学コミュニティがあり、2,000人以上の神経科学者や450人以上の治験責任医師(principal investigator)がいます。
・英国大学の評価制度であるREF(Research Excellence Framework)2014によると、UCLは、精神医学、心理学および神経科学の研究で英国内で1位にランク付けされています。認知症に関する研究論文の数で、UCLより多くの論文を発表した大学は、世界で1校しかありません。
・過去100年間で、UCLが受賞した29のノーベル賞のうち9つの賞は脳と神経系の働きに関する画期的な研究に対するものでした。現在2013年、2014年のノーベル賞受賞者はUCLで神経科学の研究をしています。画期的な研究には、アルツハイマーにおける遺伝子突然変異に関する発見、およびパーキンソン病に関する遺伝子についての発見が含まれています。
・英国政府によって、英国認知症研究所(UK DRI)のハブに選ばれました。英国医学研究審議会(MRC)、アルツハイマー協会、英国アルツハイマー研究からの合同投資2億5,000万ポンドを獲得。UK DRIのミッションは、認証患者を診断し、治療し、ケアすることです。
ログインするとメディアの方限定で公開されている
お問い合わせ先や情報がご覧いただけます
添付画像・資料
添付画像をまとめてダウンロード
企業情報
企業名 | ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン |
---|---|
代表者名 | エマ・トッド |
業種 | 教育 |