里山林におけるきのこ（外生菌根菌）の多様性を明らかにしたい！ 学術系クラウドファンディングサイト「academist」で研究プロジェクトを公開中！

【研究背景】

マツタケをはじめとする多くのきのこは「外生菌根菌」という分類に属します。これらの菌は胞子を作る際に大型の子実体（しじつたい）＝きのこを形成しますが、ブナ科やマツ科などの樹木の根と地下で結びつき、外生菌根と呼ばれる共生体を作ることで宿主となる樹木の養分吸収を促すなどの利益をもたらすことが知られています。森林の地下にはさまざまな菌根菌による群集が広がっており、見えないところで樹木の生育を支えています。

 

外生菌根菌は傘と柄を持ついわゆるきのこ型から球状まで多様な形状のきのこを形成し、その色も白から赤、茶、黄色とさまざまです。地下にきのこを作る種（代表的なものとしてトリュフが挙げられます）など生態もバラエティに富んでおり、未発見種や学名の付いていない種が数多く存在します。

 

また、菌根菌を個々の種ではなく地下に形成される群集として見た場合の、群集の成立過程や、宿主樹木に及ぼす影響などについては未だ十分に明らかになっていません。

 

身近な自然である里山林にはコナラやアカマツといった、外生菌根菌と共生関係を結ぶ樹木が多く見られることから、林内には多様な菌根菌のリソースが保持されていることが予想されます。加えて、それらの中には希少な種や未発見種が含まれている可能性も考えられます。しかし、里山林における外生菌根菌の多様性、生態を扱った研究は天然林に比べてあまり行われてきませんでした。

 

【プロジェクトの目的】

私たちの研究グループは新種の探索や種多様性調査など、外生菌根菌を対象に各々が行っている研究テーマを合わせてひとつのプロジェクト「URBAN KINOKO RESEARCH」として立ち上げました。今回の挑戦では里山林における外生菌根菌のインベントリ（生物目録）を作ることなど、主に3つの研究を行うための研究費の支援をクラウドファンディングを通じて募ります。また、さまざまな色や形状が存在する“きのこ”としての魅力に加えて、森林生態系において重要な役割を担う外生菌根菌についてもっと多くの方々に知ってもらい、（議論を含めて）基礎研究を気軽に楽しんでもらうきっかけとすることも目指しています。

充実のリターンをご用意して、みなさまのご支援を心よりお待ちしております。どうぞよろしくお願い致します。

 

【クラウドファンディングの概要】

プロジェクト名：里山林における外生菌根菌の多様性を明らかにしたい！

クラウドファンディング実施期間：2019年9月25日10:00 ～ 11月20日 19:00

目標金額：30万円

URL：https://academist-cf.com/projects/147?lang=ja

 

【東京農業大学URBAN KINOKO RESEARCHプロジェクトについて】

URBAN KINOKO RESEARCHプロジェクトは東京農業大学の研究グループです。

1. 都市近郊林を調査地とする

2. 森林微生物、特に外生菌根菌を研究対象とする

3. 研究で得られたデータ、特に微生物のDNA情報をオープンデータとしてデータベース（国立遺伝学研究所が運営する「DDBJ」など）に寄託する

という3つの共通条件を掲げ、異なるアプローチで各々研究を行っています。

 

白川誠（代表）　Researchmap URL： https://researchmap.jp/makoto_shirakawa

主なメンバーの自己紹介はプロジェクトページ下部に記載しております。

URL：https://academist-cf.com/projects/147?lang=ja

 

【academistについて】

academistは、日本初の研究費獲得に特化したクラウドファンディングサービスです。クラウド（Crowd：群衆）＋ファンディング（Funding：お金を集める）という語源からわかるように、研究者が研究アイデアを実現するための資金をインターネットを通じて多数の支援者から集めることを目的としています。

academist WebサイトURL：https://academist-cf.com/