CO2を63%削減する「汎用ヒートポンプ式蒸留装置」を販売開始、化学業界のエネルギー消費量の40%を占める蒸発・蒸留装置のCO2削減・省エネに貢献
地球温暖化対策において、化学業界におけるエネルギー消費量の40%を占める蒸発・蒸留装置のCO2削減・省エネ化が喫緊の課題です。このたび、木村化工機株式会社(以下「当社」)は、新開発した「汎用ヒートポンプ式蒸留装置」(以下「本装置」)を2020年1月から販売開始します。2019年11月には関連特許を3件取得しました。本装置の画期的な点は、汎用ヒートポンプの性能を最大限に引き出すことで、CO2を最大63%削減します。複雑な構造ではなく、既存の設備に導入・運用しやすいことも特長です。
これまで当社は、HIDiC※1(ハイディック)をはじめ、様々な省エネの蒸留装置をご提案してきましたが、構造が複雑であったこともあり、普及には及びませんでした。
ヒートポンプは、装置から排出される不要な低温レベルの熱を回収し、有効エネルギーとして再利用できるため、蒸発・蒸留装置への応用が期待されていました。そこで当社はこの研究開発に着手しました。当社は株式会社神戸製鋼所と共同で、高温・高COP※2の汎用ヒートポンプ『HEM-HR95-GN』を開発し、2019年9月9日に発表しました。これは、50~75℃の熱原水から95℃の高温水を最高 COP 7.5で回収することができる高効率の汎用ヒートポンプです。
本装置の開発過程では、当社独自のシミュレーションプログラム(以下「同プログラム」)も開発しました。同プログラムは、蒸留塔内の熱をヒートポンプで自由自在に移動させるための、熱回収コンデンサーおよび中間リボイラーを任意に追加したシミュレーションが可能で、柔軟性が高いことが特長です。同プログラムでのシミュレーション結果では、希薄メタノールからのメタノール濃度99wt%以上までの蒸留分離塔において、 CO2削減率(一次エネルギー※3換算で削減率)が63%に達しました。また、高濃度メタノール(濃度70Wt%以上)からの蒸留分離塔においても一次エネルギー換算で46%削減できる結果を得ました。
当社は、今年開催される英グラスゴーのCOP26で、日本が世界に向けて温室効果ガス削減への取り組みを発信できることを期待し、その一助となる本装置を普及させるため、当社が販売するだけではなく、他のエンジニアリング会社様等にも技術提供させていただきます。本装置の普及を通して、CO2削減および省エネルギー化に貢献します。
本装置の販売に先立ち、当社は2019年11月8日に関連特許を3件取得※4しました。それぞれ、「低沸リッチ型ヒートポンプ式蒸留装置」、「三塔中間濃度型ヒートポンプ式蒸留装置」、「ヒートポンプ式低沸点溶剤回収処理装置」に関する特許です(P.3~P.5参照)。これらは、一般社団法人日本エレクトロヒートセンターから汎用ヒートポンプを活用した蒸留装置の開発に関する要請を受け、当社が独自に開発・取得したものです。
本特許の内容は、ENEX2020にて展示する予定です。
日時:2020年1月29日(水)~ 31日(金)10:00~17:00
場所:東京ビッグサイト南1・2ホール ブース番号:2S-P09
※1:HIDiC
HIDiC(ハイディック)とは、“Heat Integrated Distillation Column”の頭文字で「内部熱交換型蒸留塔」です。内部熱交換による省エネ蒸留技術概念の有用性を理論的に解明したのは、京都大学の高松武一郎名誉教授でした。
※2:COP
必要な加熱量を消費電力で除した値です。投入した電力1kW当たり、どの程度の温熱エネルギーを得られるかを表した指標で、値が高い程、高効率となります。
※3:一次エネルギー
化石燃料、原子力燃料、再生可能エネルギーから得られるエネルギーで、これらを変換・加工して得られるエネルギー(電気・重油・ガス等)を「二次エネルギー」といいます。蒸留装置には二次エネルギーが使用されており、それぞれ異なる計量単位(kW、MJ等)で使用されているため、それを一次エネルギー消費量へ換算することにより、総エネルギー消費量を同じ単位で求めることができます。
※4:関連特許を3件取得
・特許第6612936号(登録日2019年11月8日)発明の名称『蒸留装置』
・特許第6612961号(登録日2019年11月8日)発明の名称『蒸留装置』
・特許第6612999号(登録日2019年11月8日)発明の名称『蒸留装置』
以 上
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企業情報
企業名 | 株式会社インフォデザイン |
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代表者名 | 門脇 純 |
業種 | その他サービス |
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