体外式膜型人工肺 (ECMO) 市場、合併症リスクや高コスト、専門家不足が今後の課題
株式会社グローバルインフォメーションは、市場調査レポート「体外式膜型人工肺(ECMO)の世界市場 - 市場規模、シェア、動向分析」 (Grand View Research, Inc.) の販売を6月5日より開始いたしました。
体外式膜型人工肺、通称ECMO(エクモ) 装置市場の成長は、心血管疾患や呼吸器疾患の増加、肺移植への移行措置としてのECMOの採用率の上昇、ECMOセンターの増加、認知度を高めるためのカンファレンス・トレーニングプログラムや技術の進歩に貢献しています。さらに、インドや中国のような人口の多い国では、高齢者人口の増加や病気に苦しむ人が増加しており、ECMOに大きな成長機会を提供すると予想されています。しかし、ECMOに伴う出血、感染症、技術的な故障といった合併症や、高コスト、専門家の不足が市場の課題となっています。
心血管疾患と呼吸器疾患の有病率の増加
心血管疾患(CVD)は世界の主要な死因の一つであり、毎年約940万人が死亡しています。世界保健機関(WHO)によると、2012年には全世界で1750万人(31%)のCVD関連死が報告されており、この数は2030年には2360万人以上に増加すると予想されています。
同様に、WHOによると、2015年には慢性閉塞性肺疾患(COPD)罹患者は全死亡者数のうち、約300万人(5%)を占めました。喫煙は、大気汚染や喘息と並んで、COPDの有病率上昇の主な要因と考えられています。今後、たばこの消費量増加とともに、COPDも増えると予想されています。
心疾患や呼吸器疾患の患者の治療には、ECMOが用いられています。ECMOは、心臓と肺が血液の酸素化のプロセスを実行できない場合に、患者の血液に酸素を供給し、二酸化炭素を除去します。ECMOは、成人だけでなく、生まれつきの欠陥、外傷、重度の感染症のために呼吸器疾患、および心不全に苦しんでいる新生児や子供にも使用されています。
世界中で心血管疾患や呼吸器疾患が増加しているため、今後数年でECMOの使用はさらに増加すると予想されています。
ECMOに関連する合併症
ECMOは主に心不全や呼吸不全の患者の支援療法として使用されています。しかし、ECMOには様々な合併症があり、その一部を以下に示します。
出血 :これはECMO使用に関連する最も一般的な合併症です。出血は主にヘパリンと呼ばれる薬が原因で起こります。2013年にNCBIが発表した研究によると、ECMOを受けている患者の約23%が重度の出血状態が見られました。患者の病気、体外サポート、炎症誘発性経路と抗炎症性経路のバランスに関連する多くの要因が患者間で異なるため、出血と血栓症の相対的リスクを管理することは困難です。
感染症 :カニューレが血管に挿入されると感染症を発生しやすくなります。また、患者がより長い期間(15日以上)入院すると、患者が院内感染で罹患する確率が高まります。NCBIが実施した研究によると、血流感染はECMO患者の約14.4%で発生する最も一般的な合併症の1つでした。
技術的な障害 :ECMO回路内の空気により、最大4%の機械的障害が発生します。ポンプの故障は、モーターの誤動作または停電、ならびに不十分な静脈還流が原因で発生します。
ECMOに関連するこれらの合併症により、ECMOの採用がある程度制限され、その結果、市場の成長も抑制されます。
世界市場では北米が最大のシェアを占めると推定され、欧州がこれに続いています。良好な経費回収環境、肺がんの発生率の上昇、米国における多数のECMOセンターの存在が、北米のECMOシステムの市場を押し上げると予想されます。
【 当レポートの詳細目次 】
https://www.gii.co.jp/report/grvi866711-extracorporeal-membrane-oxygenation-ecmo-machine.html
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