抗ウイルス薬、感染症ワクチンなどにより市場規模は縮小傾向　2027年までのCAGRはマイナス2.3%予測

抗ウイルス薬の市場規模は、2019年の564億米ドルから2027年には469億米ドルへ縮小し、予測期間中はマイナス2.3％のCAGRで推移すると予想されています。抗ウイルス薬は、ヒト免疫不全ウイルス（HIV）、肝炎、インフルエンザなどのウイルス感染症の治療に使用されます。広範囲の抗ウイルス剤は、様々なウイルスの治療に使用されています。さらに、HIV感染症の治療のための治験薬が現在開発中です。HIV感染の増加が抗ウイルス薬の需要を促進していると推測されます。HIV、肝炎、RSウイルス感染症（RSV）、インフルエンザなどのウイルス感染症の増加が抗ウイルス薬の需要を牽引すると予想されています。

また、米国疾病対策予防管理センター（CDC）が発表した「米国インフルエンザサーベイランス報告書（Weekly U.S. Influenza Surveillance Report）」によると、2019年には約1300万人のインフルエンザ患者が報告されています。さらに、2018年にWebMDが発表したデータによると、米国の全人口の約60.0％がサイトメガロウイルス（CMV）に感染しており、高リスクグループの有病率は約90.0％となっています。

抗ウイルス薬の需要は、競争力や米国メディケアの価格下落などの要因により抑制されています。さらに、予防対策への意識の高まりや、利用可能なウイルス感染症向けワクチンのの増加が、抗ウイルス薬の市場成長を抑制する要因となっています。

タイプ別の洞察

タイプ別に見ると、抗ウイルス薬市場はブランド薬とジェネリック薬に分類されています。2019年は、ジェネリック医薬品と比較した場合、ブランド医薬品の方が安全に消費できるという考えが広まっていることから、ブランド医薬品分野が市場を占有しています。ジェネリック分野は、発展途上国での採用が増加していることや、様々なブランド品の特許満了により、最も高いCAGRを記録すると予測されています。また、多くの企業が、比較的安価なジェネリック医薬品の製造に力を入れています。

アプリケーション別予測

用途別にみると、市場はHIV、肝炎、ヘルペス、インフルエンザなどに分類されます。肝炎はA型肝炎、B型肝炎、C型肝炎で構成され、2019年には最大部門となりました。エンテカビル、テノフォビル、ラミブジン、テルビブジン、アデフォビルなどの肝炎治療のための抗ウイルス薬の広範な入手可能性がこの部門の成長を牽引すると予想されています。

HIVは予測期間中、最も急速に成長する分野であると推定されています。HIVの有病率の増加、そして場合によってはそれに伴うエイズの発症、そしてHIV治療のための抗ウイルス薬の強力なパイプラインの存在は、製品の需要を増加させると予想されています。例えば、UNAIDSが発表したデータによると、2018年には世界で約3,790万人がHIVと共存していました。さらに、2018年には、HIVに感染している子どもの約54.0％、成人の約62.0％が生涯にわたる抗レトロウイルス療法（ART）を受けていました。これにより、抗ウイルス薬の需要を牽引することが期待されています。

地域別分析

2019年の世界市場は北米が39.0％以上のシェアを占めています。これは、同地域の主要企業の存在、洗練された医療インフラの利用可能性、ウイルス性疾患に対する意識の高まりなどが要因となっています。患者の増加、経済的安定性の向上、南アジア諸国の強固で確立されたジェネリック医薬品市場の存在は、アジア太平洋地域市場に成長の機会を提供すると予想されます。

【 当レポートの詳細目次 】

https://www.gii.co.jp/report/grvi478636-antiviral-drugs-market-analysis-by-mechanism.html

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