新型コロナウイルスの治療、23の幹細胞臨床試験実施 間葉系幹細胞(MSC)へ高まる期待
株式会社グローバルインフォメーションは、市場調査レポート「新型コロナウィルス (COVID-19) - 世界市場の状況・企業・治験および診断薬・治療薬・細胞療法・ワクチンの動向」 (BIOINFORMANT WORLDWIDE, LLC) の販売を6月8日より開始いたしました。
2019年12月31日に中国の武漢市で初めて症例が確認されたCOVID-19は、次に1月13日にタイで、そして1月16日には日本で症例が報告されました。中国政府は2020年1月23日以降、武漢をはじめとする周辺都市を封鎖状態にしました。しかし、感染の勢いは止まず、この感染症は5月6日現在、121カ国に広がっています。
コロナウイルスの症状
WHOによると、確認された症状のうち、最も多く見られるのは発熱と乾いた咳です。確定症例の87.9%近くが発熱、67.7%が乾性咳嗽(喀痰を伴わない乾いた咳 )でした。3番目、4番目に多かった症状は、疲労感と痰の分泌で、5番目、6番目に多かった症状は息切れ(呼吸困難)と筋肉・関節痛です。
これらの症状の多くは、一般的なインフルエンザや風邪の患者にも見られますが、COVID-19感染症では通常、鼻水の症状がないことが相違点になります。
COVID-19の症状は時間の経過とともに進行していきます。ほとんどの場合、発熱から始まり、その後乾いた咳が続きます。数日後、一部の患者は息切れを経験し始めます。重症の場合、重度の肺炎、呼吸不全、敗血症性ショック、多臓器不全に至ることがあり、特に高齢者に多く見受けられます。このように、重症化した患者は致命的な最期を迎える可能性があります。
COVID-19に対するグローバルヘルスケアの対応
ウイルスによる世界的な脅威を抑制するために、医療業界は、ワクチン、薬剤、幹細胞、さらにはエクソソーム(細胞から分泌される顆粒状の物質)を含むアプローチを用いて、あらゆる手段で対応しようとしています。多くの研究の中で、間葉系幹細胞(MSC)によるCOVID-19の治療に関心が集まっています。これは、過去の研究でMSCからの分泌物が炎症やサイトカインストームの治療に有効であることがわかっているからです。
研究の初期段階から、MSCは、潜在的に肺の微小環境(周囲できる特殊な環境)の改善、免疫系の過剰活性化の抑制、組織修復の促進、肺胞上皮細胞の保護、肺線維症の予防、または肺機能の改善など、有効な効果を発揮する可能性が予測されてきました。
COVID-19の幹細胞臨床試験
COVID-19を対象とした23の幹細胞試験が実施されており、その大部分はMSCを利用しています。現在進行中の試験のうち16件は中国臨床試験登録(ChiCTR)番号を有し、7件は国内臨床試験(NCT)番号を有しています。
今現在、COVID-19の診断、治療、管理のためのアプローチを研究している試験が世界中で400件以上あります。そして、世界中の多くの企業がスポンサーとなって、ワクチン開発を急ぎ、臨床試験を進めております。
【 当レポートの詳細目次 】
https://www.gii.co.jp/report/biof931283-coronavirus-covid-19-global-market-conditions.html
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