世界の中枢神経系疾患、2019年から2030年までに12%の増加予測、 治療薬にはBBB浸透に対する技術の開発が必須
株式会社グローバルインフォメーションは、市場調査レポート「血液脳関門(BBB)市場(第2版):非侵襲的ドラッグデリバリー技術プラットフォームと治療薬」 (ROOTS ANALYSIS) の販売を6月26日より開始いたしました。
世界保健機関(WHO)の調査によると、アルツハイマー病や脳腫瘍、多発性硬化症など、中枢神経系(CNS)に影響を及ぼす疾患が存在します。パーキンソン病や脳卒中などは、効果的な治療のニーズが満たされていないのが現状です。2019年には、世界中で15億人近くの人がCNSに影響を与える何らかの形の障害に苦しんでいると報告されています。実際、CNS障害の発生率は2030年までに12%増加すると予測されています。2019年には、約580万人の米国人がアルツハイマー病と診断されたと報告されています。同様に、パーキンソン病は米国で100万人近くが罹患していると推定され、毎年約6万人の新規患者が診断されています。さらに、最近の新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックと心血管系および脳血管系疾患との間には重要な関係があると専門家は考えています。中枢神経系の特定の合併症を患っている人々は、免疫系の障害により、COVID-19の感染のリスクが比較的高くなります。
米国および欧州において、中枢神経系の疾患は、2兆米ドル近い医療負担になっていると推定されています。前述の臨床症状に対する治療法の開発は、薬物を含む異物の脳内への侵入を防ぐ、血液脳関門(BBB)という選択的透過性構造により、非常に複雑なものとなっています。現在、1000種類以上の中枢神経系疾患を対象とした薬剤が開発されていますが、血液脳関門の構造により、薬剤が疾患の進行に関与する脳内受容体を標的とすることができないと報告されています。患者に与える身体的、認知的、心理的な影響を考慮すると、世界的な中枢神経系の疾患の増加は憂慮すべきもので、BBBの影響を越えることのできる新規かつ効果的な治療オプションが緊急に必要とされています。
広範な研究開発努力の結果、多くの汎用性の高いBBB浸透に対する技術が開発されてきました。これらの技術は、外部からの作用でBBBの透過性を変化させたり、または薬理学的介入によりBBB浸透能力を高めたりするように設計されました。その結果、医学界では多くの注目が集まるようになりました。この分野への関心の高まりは、過去3年間だけでも1200以上の最新の科学論文が発表されている(NCBIのPubMedポータル上で観察されている)という事実からも明らかです。しかし、現在、市場には承認されたBBB浸透薬が存在しないことは特筆すべきことです。この限られた市場は、現在、技術ライセンス活動によって牽引されており、医薬品開発者はそれぞれの治療技術を成長させるためにプラットフォームプロバイダーと協力しています。実際、過去4年から5年の間に、この分野への新規参入企業の数は著しく増加しています。今後、数年間でこの市場が大幅に成長すると予想しています。
【 当レポートの詳細目次 】
https://www.gii.co.jp/report/root933278-blood-brain-barrier-bbb-market-2nd-edition-focus.html
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