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美大生と表具師がコラボした 新しい日本画・掛軸のかたち 『第2回 掛軸と絵画の未来展』 ~美大生と表具師 紙文化を未来へつなぐ~

このたび私ども表粋会は、都内の美術系大学の学生らと協働し、掛軸文化の未来を切り拓くための作品展を開催致します。これは2018年に開催し、各方面から大きな反響のあった「掛軸と絵画のミライ展」のコンセプトを継承・発展させ、より多くの皆様に掛軸の魅力に触れていただく機会になればとの思いで企画したものです。 本作品展において、学生らは「掛軸にするための絵」というテーマで新作を制作し、それを伝統技法の継承を志す弊会所属の表具師が掛軸に仕立て、展示・販売を致します。 学生と表具師が感性を競い合い、また融合する、かつてないかたちの作品展を、多くの皆様にご高覧いただきたく、貴社において取り上げて頂ける機会がございましたら幸いです。是非とも御取り計らいの程、お願い申し上げます。     「江戸表具研究会 表粋会」代表・稲﨑昌仁

■本展のみどころ①

美術系大学の意欲的な学生たちによる〈掛軸のための新作絵画〉が揃う、これまでにない企画

 本企画に応募する学生の大半は自作品を掛軸に仕立てた経験がありませんでした。普段制作している額絵とは違い、掛軸として巻くために必要な、薄く柔軟かつ強い絵具層という条件のもとで、「表装を施される」ことを意識しての表現に挑戦しました。

 日本画専攻の学生にとどまらず、現代美術専攻の学生からの出品など、多種多様かつ意欲的な新作が揃いました。

出展作品の一部

■本展のみどころ②

伝統技術を受け継ぐ表具師・経師が掛軸の未来のために

 「手漉き和紙」「正麩糊」を使った伝統の表装技術を研鑽する「表粋会」。

会員は30~50歳代が中心で、これからの業界を担う熱意あるメンバー。現在・未来のために何をするべきか、真剣に考えての企画です。

 いま最も新しい絵画を現代の感性をもって表装するため、作家との打ち合わせの場を設け、作品への理解を深めて意匠を決定。床の間にとどまらず、現代の空間に展示することを意識した掛軸に仕上げました。

掛軸の制作風景

■本展のみどころ③

厳選された原料と職人の技によって作られた紙

 本企画に参加する学生が制作に際して使用する紙は、弊会からご提供しました。この紙は、本企画に協賛いただく「一般財団法人 世界紙文化遺産支援財団 紙守」様より、精良な紙を提供いただきました。

 伝統的な原料・製法で作られた紙を学生に使用していただくことで、軸画に適した紙の価値を再発見してもらうことを企図しました。

■表粋会紹介

 掛軸・屏風・襖などを製作する職人、表具師・経師による江戸表具の研究会です。1996年に熱意ある若手を中心に発足し、現在39名が所属。表具の発展と継承者育成・技術向上を目指して、従来は師弟の間でのみ受け継がれてきた技法を、互いに教え合い研鑽しています。

 業界団体主催の表装展や全国規模の技能士競技会などにおいても受賞・入賞をかさね、実力者を輩出しています。

 このような活動が認められ、2014年には人気漫画家・井上雄彦氏(代表作『スラムダンク』『バガボンド』等)により、伊勢神宮へ式年遷宮を機に奉納された墨絵作品『承』の、巻物の仕立て作業を担当させていただきました。

 表粋会ブログ http://hyosuikai.blog.so-net.ne.jp

 表粋会Facebook https://www.facebook.com/hyousuikai/

■企画主旨

 掛軸とそれを仕立てる表具師・経師は、日本の絵画・書の制作と鑑賞を支えながら、ともに長い歴史を歩んでまいりました。しかし現在、和室や床の間は減少し、一般市民が掛軸をかけることも、ひいては日常生活のなかで書画をたのしむ文化も衰退しつつあるように感じられます。

 一方で日本画界においても、近現代はより自由な描法や大きな画面を求めて、掛軸から額・パネルへと表現の場が移りました。掛軸を選択肢とすることさえほとんどなくなっていると聞きます。

 これらの時代の変化は表具師・経師にとって、多様な技術や知識の継承を困難なものとし、同時代の美術への関心を希薄にしてしまっているのも実情です。また、日本の絵画において数百年のあいだ培われた、掛軸という形ならではの技法・表現も過去のものになってしまうとしたら、残念なことに思えます。

 

 このような現状のなかで、2018年に初回となる「掛軸と絵画のミライ展」を開催致しました。学生の皆様には、上記のような状況を理解してもらいつつ、現代の感性をもって現代の掛軸画に取り組んでいただきました。表具師においても感覚を磨き、床の間の伝統に縛られない、時代に適合した掛軸を仕立てるよう心を砕きました。

第1回「掛軸と絵画のミライ展」会場風景

 開催後、各方面から大きな反響がありました。その多くが、1回限りの企画にするのではなく、継続的に開催し、掛軸文化のさらなる振興の礎とするべき、というご意見でした。そのような声に支えられ、今回2回目となる「掛軸と絵画の未来展」を企画致しました。初回のコンセプトはそのままに、今回は、作画の基底材となる紙を学生に提供するという新たな試みも実施しました。

 

 これからの数百年につなげられるような掛軸の在り方を提示することにより、美術界・表具業界はもとより、広く一般市民の皆様に、掛軸という存在・可能性を考えていただく契機となればと考えております。

 

 ※本企画は、当初2020年6月の開催を予定していましたが、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言発令に伴い、開催を延期致しました。

 この度の11月開催についても、表粋会内部、及び参加学生と慎重に議論を重ねた上で決定致しました。開催にあたっては、会期中はもとより準備期間中も、考えうる感染防止策を徹底して講じてまいります。

 

■開催概要

展覧会名:[表粋会特別企画] 掛軸と絵画の未来展 ~美大生と表具師 紙文化を未来へつなぐ~

 

会期:2020年11月24日(火)~29日(日) 開場時間/10:30~19:00、最終日は18:30まで

 

会場:田中八重洲画廊 (東京都中央区八重洲1-5-15)

 

出品点数:34点

 

絵画出品者の所属大学:女子美術大学3名,多摩美術大学12名,東京藝術大学12名,

東京造形大学5名,武蔵野美術大学2名

(50音順、出品者には学部生・院生・卒業生も含まれます)

 

主催・掛軸制作:江戸表具研究会 表粋会

 

後援:一般社団法人 東京表具経師内装文化協会

 

協賛:一般財団法人 世界紙文化遺産支援財団 紙守

 

協力:株式会社 マスミ東京

 

参加者(学生・院生)

【女子美術大学】

    王 睿、徐 秀晶キャサリン、三浦 茉莉子

 

【多摩美術大学】

    小井 風花、尾崎 菜花、加藤 鈴葉、小林 明日香、佐藤 理紗、髙橋 優介、

    竹本 明梨、張 靜雯、南雲 未希、村田 和音、村田 遥香、栁田 佳子

 

【東京藝術大学】

    大嶋 直哉、勝又 優、久保田 木都、澤田 燈、島田 滋、砂長 正宗、角谷 紀章、

    築井 渚、Timothy Betjeman、中野 貴文、李 雨晨、渡邊 美波

 

【東京造形大学】

    朝永 賢弥、井上 将大、高久 秀美、長嶺 高文、吉野 萌

 

【武蔵野美術大学】

    大石 日向子、小俣 花名

(順不同)

※上記は作品制作時点(2020年1月)の所属大学です。

 

参加者(表具師)

【表粋会】

  阿部 崇(神山表具)

  阿部 行伸(阿部行伸堂)

  石井 高弘(石井三太夫表具店)

  石川 徳和(石川経師店)

  石塚 利郎(石塚表具店)

  稲﨑 昌仁(経新堂稲﨑)

  江原 望(江原小林堂)

  金子 治雄(秀和工芸)

  神山 晃一(神山表具)

  小宮山 健夫(小宮山表具内装)

  鈴木 正人(鈴木表具店)

  鈴木 正紀(西武襖産業)

  春原 敏雄(春原表具店)

  関口 幸喜(関口表具店)

  高橋 直樹(装潢堂伊藤表具店)

  田村 健太郎(田村表具店)

  南部 秀彦(南部表具店)

  野口 隆行(表具工房 楽)

  野口 麻里子(表具工房 楽)

  野和田 悦弘(野和田表具店)

  日野 正恵(高澤表具店)

  平井 敏(平井経師店)

  広川 淳(インテリア・ジュン)

  深谷 哲(柏﨑表具インテリア)

  星野 裕孝(星野錦集堂)

  松苗 功(隆雲堂表具店)

  武笠 敦史(武笠表具店)

  吉野 茂義(吉野表具店)

  (50音順)

 

■クラウドファンディングについて

本展覧会に先駆けて、クラウドファンディングによる支援を募集致します。

 

プロジェクト名:

未来のアーティストと表具師(ひょうぐし)のコラボで伝統文化の未来を切り拓きたい!

 

URL :https://camp-fire.jp/projects/view/239942

目標金額:¥500,000

募集期日 :2020年11月1日~12月6日

 

リターン内容(一部抜粋)

・作品展図録 3,000円(税込・送料込)

・オリジナルハンカチ 4,000円(税込・送料込)

・オリジナルエコバッグ 5,000円(税込・送料込)

・名刺入れ 15,000円(税込・送料込)

・展覧会参加画家による手描きポストカード 30,000円(税込・送料込)

・特注掛軸 100,000円(税込・送料込)

■問合せ先

表粋会・野口隆行

携帯電話 070-5573-1317

メール gunochi@gmail.com

 

※広報用の画像データをご提供致します。ご希望の方は下記よりダウンロードください。

https://bit.ly/2HdR2yw

 

【参考】前回実績

展覧会名:江戸表具研究会「表粋会」二十周年特別企画 掛軸と絵画のミライ展 ~美大生・表具師による軸装の可能性~

 

会期:2018年6月19日(火) ~ 6月24日(日)

会場:田中八重洲画廊 (東京都中央区八重洲1-5-15)

出品点数:30点

 

絵画出品者の所属大学:女子美術大学3名,多摩美術大学7名,東京藝術大学6名,

東京造形大学11名,武蔵野美術大学2名,横浜美術大学1名(50音順)

 

主催・掛軸制作: 表粋会

後援:一般社団法人 東京表具経師内装文化協会

協賛:一般財団法人 世界紙文化遺産支援財団 紙守

協力:株式会社 マスミ東京

 

来場者数:913人



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企業情報

企業名 表粋会
代表者名 稲﨑 昌仁
業種 その他サービス

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