VTuber・研究者がVRで眠る「VR睡眠ライブ」を平均同接136名が朝まで見守る。のらきゃっと・バーチャル美少女ねむなど参加。
現在VRChatなどのソーシャルVRで静かなブームとなっている、VRヘッドマウントディスプレイを被ったままVR世界で一緒に眠る「VR睡眠」の模様を朝まで生配信する前代未聞の公開生配信が5月1日の深夜から翌朝5月2日にかけて行われた。「のらきゃっと」「バーチャル美少女ねむ」「長兎路こより」「こはるちゃん」等のバーチャルYouTuber(VTuber)と、東工大助教のVR研究者「jumius」が参加・体験し、VR睡眠のメリット・デメリットを考察した。平均同時接続136名もの視聴者が朝まで配信を見守る事態となった。
■「VR睡眠」とは
VRヘッドマウントディスプレイを被ったままVR世界で複数のユーザーが擬似的に一箇所に集まり一緒に眠る行為のこと。修学旅行のように、寝ている間も他者と一緒にいる多幸感を得ることができ、VRであるため現実で知らない相手とでも安全に同じ場所で睡眠をとることができる。
数年前より「VRChat」などのソーシャルVRで静かなブームとなっており、寝る時間はほぼ毎日必ずVR睡眠するようなヘビーユーザーも存在する。NHK人気番組「ねほりんぱほりん」にゲスト出演した「バーチャル美少女ねむ」により番組中で紹介されたことから一般にも知られるようになった。現在コロナ状況下によるソーシャルディスタンスの背景もあり、リスクなく他者と安全に繋がりを感じる新たな方法として注目を集めている。
ただしVR睡眠が公開の場で行われることは基本的にないため、VRユーザー以外にはなかなかイメージしずらく、その実態を明らかにすべく今回の世界初の公開生配信「VR睡眠ライブ」が企画されるに至った。
■5/2 公開生配信「VR睡眠ライブ」
・ダイジェスト動画 (9分):
・配信アーカイブ(8時間24分):
・日付:2021年5月2日(5月1日深夜) 00:00AM~08:24AM
・配信時間:8時間24分
・配信:ねむちゃんねる (YouTube) youtube.com/nemchan_nel
・バーチャル美少女ねむによる企画発表と視聴者の感想まとめ記事:https://note.com/nemchan_nel/n/n015079b385a5
■結果
「のらきゃっと」「バーチャル美少女ねむ」「長兎路こより」「こはるちゃん」等の人気VTuberと、東工大助教のVR研究者「jumius」が参加し、実際にVR睡眠に挑戦する模様を朝まで配信したのち、メリット・デメリットを考察した。平均同時接続136名が朝まで配信を見守る事態となり、深夜にも関わらず生配信の総視聴者数は3,000、総コメント数は4,000を超えた。
メリット: 体験者としては、一緒に寝られる多幸感の大きさを改めて実感できた。配信者としては、多くの視聴・コメント・スーパーチャットが集まり、VTuberが「寝ているだけ」でコンテンツとなる可能性を実証できた。視聴者としては、仮想の存在であるVTuberが配信していない時も存在しているような「仮想キャラクターの存在感」をより強く感じる効果が感じられた。
デメリット: 通常のVR環境に加えて、VRヘッドマウントディスプレイを被ったまま快適に睡眠するためのビーズクッションや、全身フルトラッキングする場合には電源・バッテリーなどの準備が必要であること。また、現在のVR機器はVR睡眠に最適化されていないため、汗がこもりやすかったり、慣れていないと睡眠が浅くなり熟睡しずらいなどの課題が判明した。
VR研究者・東工大助教「jumius」氏のコメント
『旅行やキャンプなどの「疲れは取れないけど集まって寝ること自体の楽しさ」に近いと感じました。快眠とならなくても非日常の楽しみとして体験する人は増えてもよさそうです。また、目はつぶってしまうのでやはり触覚提示はあると嬉しいと感じました。
遠距離ハグなど遠距離恋愛支援の研究例があるので活用できるかも。 エンタメとしては、隣で次々面白いことが起きていたようで寝ていた事をちょっと後悔しました(趣旨的には寝てて正解のはず!)「誤認識寝言」は面白いアイデアですね。バーチャルな存在が睡眠を見せることで24時間生活している存在感が供給される、という観点も興味深かったです』
■参加メンバー
・「のらきゃっと」(VTuber) https://twitter.com/VR_Girl_NoraCat
個人で扱える技術をフル活用して活動している個人系VTuber。戦闘用アンドロイド。姿も声も仮想の存在であるが、キャラクター「のらきゃっと」として確立した存在となることを目標に、VTuberブーム最初期より活動している。声は音声合成(ボイスロイド)であり、誤認識に定評がある。2020年12月に終了した、キズナアイなどもかつて参加していたバーチャルタレント支援プロジェクト「upd8」にも参加していた。
・「バーチャル美少女ねむ」(VTuber) https://twitter.com/nemchan_nel
世界最古の個人系VTuber。HTC VIVE公式の初代VIVEアンバサダー。NHK人気番組「ねほりんぱほりん」にゲスト出演しお茶の間に「バ美肉(バーチャル美少女受肉)」の衝撃を届けた。「バーチャルでなりたい自分になる」をテーマに楽曲『ココロコスプレ』で歌手デビュー。自筆小説『仮想美少女シンギュラリティ』はamazon売れ筋ランキング「小説・文芸」部門1位達成。声はボイスチェンジャーを使用。
・「長兎路こより」(VTuber / VRモデラー) https://twitter.com/Nagatoro_Koyori
「のらきゃっと」など有名VTuberの3Dモデルを手掛ける実力派VRモデラーにして、自身もVTuber。モデリング・イラスト・歌と多方面にクリエイティブを発揮している。モデリングに疲れた際はVRChatで仮眠を取るとモデルのクオリティが上がると言う。サボり防止のためにモデリング作業配信を頻繁に行っており、作業配信中に寝てしまいそうになることもたびたびある。
・「こはるちゃん」(VTuber) https://twitter.com/koharunru_n
ニコニコ生放送などでVR配信を行っているVTuber。VRChat初期からのヘビーユーザーであり、話をしている最中に寝てしまったり、路上などで寝ている所がたびたび目撃されVRChat内では「VR睡眠」の代名詞として知られる。こはるちゃんが寝落ちする瞬間を目撃すると運勢がよくなるとも(バーチャル美少女ねむ談)。VR睡眠のやりすぎで、健康の為たまには普通にリアルでも寝るようにと医者からアドバイスされている。
・「jumius (ゆみうす)」(VR研究者・東工大助教) https://twitter.com/JumiusV
いきものらしい動作を自動生成し、バーチャルなキャラクターとのふれあいをVR・現実の両面で実現する研究を行っている。かわいいキャラクターを人工的に生み出す研究をしていたはずが、VRChatをプレイするようになってからは自身もかわいいキャラクターとして活動するようになってしまった。VR空間での価値創造をアカデミックな側面から促進する「バーチャル学会2020」(cluster)では座長を務めた。
プレスリリース発行:株式会社ブイノス
VNOSは「Vの者がVのまま社会参画できる未来」を目指す実践検証組織。所属する個人系バーチャルアーティストたちや、企業である株式会社ブイノスと連携しながら、個人と法人の枠を超えた様々なプロジェクトを行っている。今回の「バーチャル美少女ねむ」ように、個人で活動するバーチャルアーティストが企業としてプレスリリースを行うのも、その実験のひとつである。
文:鮫島ねむ
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企業情報
企業名 | 株式会社ブイノス |
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代表者名 | 安藤篤志 |
業種 | エンタテインメント・音楽関連 |
コラム
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