米アップル社のMini LED iPad Proの出荷台数、ディスプレイ技術の向上により、2021年に500万台到達見込み
株式会社グローバルインフォメーションは、市場調査レポート「ミニLEDの新バックライトディスプレイ動向分析:2021年」 (TrendForce) の販売を5月6日より開始いたしました。
米アップル社は、同社のイベント「Spring Loaded」において、Mini LEDディスプレイ技術を採用した12.9インチiPad Proの最新モデルを発売すると発表しました。12.9インチiPad Proは、すでにニッチな市場では需要の高い商品です。スペックが最大限向上していることに加えて、価格も前世代から100米ドル程度の値上げで抑えていることから、2021年版の12インチiPad Proの今年の出荷台数予測は400万台から500万台に上方修正され、タブレット市場における同製品のシェアは、前回予測の2.5%から3.1%に拡大すると予想されています。
アップル社の最新フラッグシップタブレットは、技術コスト、販売価格、製品スペックの3つが、注目すべき点です。まず、技術コストの面では、12.9インチの新型iPad Proに採用されているMini LEDバックライトは、前世代で採用されていた従来のエッジライト方式のLEDバックライトに比べて約85米ドル高くなっています。次に販売価格ですが、12.9インチMini LED iPad Proのエントリーモデルである128GBモデルの販売価格は1,099米ドルで、前世代の同等モデルと比較して100米ドルの値上げに抑えられています。このため、最新モデルの価格上昇は、利益率を上げたというよりも、Mini LEDバックライトのコスト上昇によるものと考えられます。今回の小幅な値上げは、AppleがMini LEDバックライト技術を採用することで、タブレット市場のゴールドスタンダードになろうとしていることの表れでもあります。最後に、製品スペックですが、最新の12.9インチMini LED iPad Proは、アップルのハイエンド技術であるLiquid Retina XDRを搭載しており、フルスクリーンの最大輝度は1,000nit、ピーク輝度は1,600nit、コントラスト比は1,000,000:1で、ピーク輝度とコントラスト比はいずれもタブレット業界初の性能となっています。さらに、10,384個のMini LEDチップを2,596個の調光ゾーンに分割して搭載することで、512個のバックライト調光ゾーンを持つ31.5インチiMac(アップルのXDRディスプレイ技術を初めて搭載した製品)を凌ぐ高コントラスト・高彩度性能を実現していることも特筆すべき点です。アップルの21年下期の計画については、14インチと16インチのMacBookモデルにも同様にMini LEDバックライト技術が採用され、ハイエンドのタブレットやノートブックコンピュータのハードウェアベンチマークとなることが期待されています。AppleのMini LED搭載タブレットの発売は、Mini LEDのサプライチェーンを構成する川上および川下の企業にとって、市場の逆風に対する成長を促すものとして期待されています。
【 当レポートの詳細目次 】
https://www.gii.co.jp/report/tdf996033-mini-led-new-backlight-display-trend-analysis.html
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