IoTプラットフォーム市場を知るための5つのポイント
株式会社グローバルインフォメーションは、市場調査レポート「IoTプラットフォーム市場:2021年~2026年」 (IoT Analytics GmbH) の販売を6月18日より開始いたしました。
近年、多くの大手多国籍企業がIoTプラットフォームを採用しており、MicrosoftとAWSが市場のフロントランナーとして登場しています。IoTプラットフォームのアーキテクチャとビジネスモデルは、大きな変化を遂げています。
2015年から2020年にかけてのIoTプラットフォーム市場は、2016年時点で当初の予測を8億米ドル超え、CAGR48%という驚異的な数字を記録しました。現在、IoTプラットフォーム市場は50億米ドル規模の成熟した市場として、急速に成長しています。
1. IoTプラットフォームの定義
プラットフォームとは、他のアプリケーション、プロセス、サービス、または技術を開発する際にベースとして使用される技術です。プラットフォームには、チップ、デバイスなどのハードウェアとソフトウェアがあります。ソフトウェアプラットフォームには、オペレーティングシステム、開発環境、デジタルプラットフォームなどがあります。デジタルプラットフォームには、ソーシャル(Facebook、LinkedInなど)、マーケットプレイス(Amazon、アプリストアなど)、IoTプラットフォームなど、いくつかの種類があります。つまり、IoTプラットフォームとは、IoTソリューションの構築・管理に使用されるデジタルプラットフォームの一種です。
2. クラウドハイパースケールが牽引
IoTプラットフォーム市場の成長は、クラウドハイパースケーラー(特にMicrosoftとAWS)による急激な収益成長に起因しています。PTC、Ayla Networks、General Electric、Ciscoなどの企業は、クラウドプロバイダーよりも早くIoTプラットフォーム市場に参入しましたが、最終的には、関連性を維持するためにクラウドハイパースケーラーと提携する必要があることに気づきました。市場には何百ものIoTプラットフォームが存在していますが、ハイパースケーラーは2020年にIoTプラットフォーム市場全体の30%を獲得しています。
3. 新たなビジネスモデルの展開
2016年初頭のクラウドハイパースケーラーの市場参入は、IoTプラットフォームベンダーの、新たなビジネスモデルの展開につながりました。その価格設定は、サブスクリプション方式への移行で、きめ細かい指標に基づいた独自の設定が可能になりました。また、OEMは、IoTプラットフォームを利用して、自社の提供製品にIoT接続機能を追加することで、新たなコネクテッドソフトウェアサービスを収益源としています。さらに、クラウドハイパースケーラーは、他のプラットフォームプロバイダーが自社製品をクラウドに移行する際にIaaSを提供することで、プラットフォームの収益やコンピュートインフラの収益を獲得するケースが増えています。ハイパースケーラーではないベンダーは、ハイパースケーラーと競合することを望まず、より垂直方向に特化したアプリケーション、サービス、ソリューションに注力するようになっています。
4. 大企業が採用を決定
5年前、IoTプラットフォームを採用していた大企業は非常に少なく、ごく初期段階にありました。しかし現在では、多国籍の大企業が幅広い意思決定プロセスを経てプラットフォームを選択しており、100万台のエンドポイントに迫る導入例もあります。Walmart(Azure)、Volkswagen(Siemens、AWS、Azure)、Enel(C3.ai)などの企業は、いずれも1つまたは複数のIoTプラットフォームに大規模な投資を行っており、最終的には何百万ものIoTエンドポイントからデータを収集する予定です。
5. アーキテクチャーの近代化、モジュール化、クラウド化
過去5年間、エンドユーザーの嗜好の変化により、IoTプラットフォームのアプリケーションアーキテクチャは、一体型から、モジュラー型へと進化しています。IoTプラットフォームに比較的早く参入したベンダーは、最新技術を活用してプラットフォームを再設計し、スタートアップ企業は、100%サーバーレスのプラットフォームを構築しています。
IoTプラットフォームのホスティングアーキテクチャは、この5年間で、プライベートオンプレミスから、パブリッククラウドへと進化してきました。エンドユーザーの間では、一部の機能をオンプレミスに移行し、その他の機能をクラウドに残す、ハイブリッドアーキテクチャが急速に広まっています。
5年後の展望
今後5年間、IoTプラットフォーム市場はCAGR30%で成長することが予測されています。成長の原動力となるのは、導入の拡大を考える既存顧客と、IoTプラットフォームを選択するようになった新規顧客の存在が挙げられます。ハイパースケーラーは、市場でのリーダーシップを維持し、この成長の恩恵を浴する立場にあります。
【 当レポートの詳細目次 】
https://www.gii.co.jp/report/iot1008647-iot-platforms-market-report.html
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