第6回「斎藤茂太賞」が、山本高樹『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』に決定! 旅の優れた書籍を選出した「旅の良書2021」も発表

一般社団法人日本旅行作家協会(会長/下重暁子、会員数180人)が主催する「斎藤茂太賞」の選考会が2021年7月8日(木)に行われ、第6回受賞作が、山本高樹『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』(雷鳥社)に決定した。また受賞作の選考と同時に「旅の良書2021」8冊も選出・発表された。 「斎藤茂太賞」は、当協会創立会長の故・斎藤茂太氏の功績をたたえ、その志を引き継ぐために2016年に創設したもので、今年が6回目となる。「旅の良書2021」は、斎藤茂太賞の選考過程でセレクトしたすべての作品を対象に、旅の持つさまざまな魅力を読者に伝えてくれる優れた書籍を選出するもので、今年が第3回目の「旅の良書」の発表となる。 授賞式は新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえたうえ、日時等後日決定し、別途公表する。

報道関係各位

2021年7月9日

 

第6回「斎藤茂太賞」が、山本高樹『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』(雷鳥社)に決定!

旅の持つさまざまな魅力を読者に伝えてくれる優れた書籍を選出した「旅の良書2021」も発表

 

 

一般社団法人 日本旅行作家協会 会長 下重暁子

斎藤茂太賞実行委員会 委員長 市岡正朗

 

 

一般社団法人日本旅行作家協会(会長/下重暁子、会員数180人)が主催する第6回「斎藤茂太賞」の選考会が2021年7月8日(木)に学士会館にて、下重暁子、大岡玲、芦原伸、種村国夫の4名の最終選考委員により行われ、以下のとおり受賞作が決定した。

「斎藤茂太賞」は、長年にわたり世界と日本の旅行文化の発展に貢献した当協会創立会長の故・斎藤茂太氏の功績をたたえ、その志を引き継ぐために2016年に創設されたもので、今年が6回目となり、2020年に発表された紀行文、エッセイ、ノンフィクションのジャンルから旅にかかわる優れた著作を表彰するものである。

また、「旅の良書」は、基本的に中学生以上を対象として、旅の持つさまざまな魅力を読者に伝えてくれる優れた書籍を選出するもので、斎藤茂太賞の選考過程でセレクトしたすべての作品を対象として、斎藤茂太賞の選考システムを活用して斎藤茂太賞実行委員会が選考・選出し、日本旅行作家協会の理事会の承認を経て認定するもの。今年が第3回目の発表となる。日本旅行作家協会選定の「旅の良書」マークを、選ばれた「旅の良書」の版元へ無償で提供する。

なお、第6回斎藤茂太賞授賞式は新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえたうえ、日時等後日決定し、別途公表する。

 

 

[第6回「斎藤茂太賞」受賞作]

山本高樹『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』(雷鳥社)

 

[最終選考委員]

下重暁子(作家・日本旅行作家協会会長)

大岡玲(作家・東京経済大学経済学部教授)

芦原伸(ノンフィクション作家・日本旅行作家協会専務理事)

種村国夫(イラストレーター・エッセイスト・日本旅行作家協会常任理事)

椎名誠(作家・日本旅行作家協会名誉会員)(最終選考会は体調不良のため欠席)

 

 

[第6回「斎藤茂太賞」最終候補作]

■『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』山本高樹(雷鳥社)

■『もてなしとごちそう』中村安希(大和書房)

■『0メートルの旅 日常を引き剥がす16の物語』岡田悠(ダイヤモンド社)

 

 

[選評]

選考委員 下重 暁子(作家・日本旅行作家協会会長)

 

 『0メートルの旅』は若い著者の才気を全体に感じて、一定の評価はできるものの、ブログ的な言葉の多用と感性的な表現が跳びはねすぎている点がマイナス、『もてなしとごちそう』は、過去に大きな賞をとった著者だけあって、さすがに文章には手だれを感じるが、エピソードの集積で読後の印象が薄くなっている点が弱い、とそれぞれ評価された。

 『冬の旅』については、今回、欠席の椎名誠委員が書評で「おそろしく控えめなタイトルだが、実は非常に過酷な旅の記録。大げさな表現がないところに好感をもつ」と評しておられたが、私も同感で、淡々とした語り口、感情を抑えたさりげなさがとてもいいと思う。そして、いっしょに旅をしてくれた現地の2人の友人との人間関係が好ましく思われるのは、人がよく描けているからだろう。自分にとっては、どこどこのあの人に会いたいというのが、旅の最も大きなモチベーションになっているのだが、この著者も同じだと思う。

 欠点は言わずもがなの記述が多いことで、「最後の4ページ、帰国後の旅の述懐の部分はいらない」という大岡玲委員の見解には私も賛成。

 今回は、「人が描けている」ことが決め手となった。この点で他の2作品に比べで際立っているとともに、いわば旅行記の王道を行く最も重厚な本作品が、受賞作に選ばれる結果となった。(談)

 

 

[旅の良書2021] (順不同)

■奥村忍『中国手仕事紀行』(青幻舎)

生活雑貨の店主である筆者が長年続ける、少数民族たちの民具の買い付けの旅の記録。ガイドブックも無いような中国奥地の知られざる魅力が詰まった一冊。

 

■斉藤政喜『シェルパ斉藤の遊歩見聞録』(小学館)

国内外で30年以上さまざまな場所の「歩く旅」を続けてきた筆者の集大成ともいえる1冊。アウトドア誌の人気連載から厳選されたさまざまな旅先でのエピソードを収録。

 

■梨木香歩『風と双眼鏡、膝掛け毛布』(筑摩書房)

地名を手掛かりにその土地の記憶をたどる旅へ。訪れた場所に生きる人や生き物の営みに触れ、想いを綴るユニークな紀行エッセイ集。

 

■谷釜尋徳『歩く江戸の旅人たち』(晃洋書房)

江戸時代、庶民に愛された「お伊勢参り」。総歩行距離2000キロ以上にもおよぶ「徒歩」の旅はどのようにして可能になったのかを紐解く。

 

■池田正孝『世界の児童文学をめぐる旅』(エクスナレッジ)

児童文学の舞台を訪れれば、その物語の持つ意味や作者の思いが見えてくる。40年以上にわたって海外児童文学の舞台を訪れた筆者の記録をまとめた1冊。

 

■川原真由美『山とあめ玉と絵具箱』(リトルモア)

イラストレーターでもある筆者が10年以上にわたり親しむ山の魅力を女性ならではの視点で多数のイラストと共に綴った全31篇のエッセイ集。

 

■中村安希『もてなしとごちそう』(大和書房)

旅先で出会った人からもてなされる料理にはその土地ならではの味わいがある。“もてなし”という世界の深さと広さとおいしさを知る一冊。

 

■岡田悠『0メートルの旅 日常を引き剥がす16の物語』(ダイヤモンド社)

Webメディアで人気の70か国を訪れた会社員兼ライターによる、南極の旅から始まり、家の中でのグーグルマップを使うエアロバイクの旅までの16の物語。

 

 

[第6回「斎藤茂太賞」ならびに「旅の良書2021」お問い合わせ]

一般社団法人 日本旅行作家協会事務局(担当/八重野充弘)

〒104‐0061 東京都中央区銀座1-5-5 明興ビル4F

TEL03‐3538‐2345 FAX03‐3538‐2346

E-mail:jtwo@minos.ocn.ne.jp



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企業名 一般社団法人 日本旅行作家協会
代表者名 下重暁子
業種 新聞・出版・放送

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