一般財団法人 高専インフラメンテナンス人材育成推進機構を設立
独立行政法人国立高等専門学校機構 舞鶴工業高等専門学校(京都府舞鶴市 校長:林 康裕 以下「舞鶴高専」)、福島工業高等専門学校、長岡工業高等専門学校、福井工業高等専門学校、香川高等専門学校の5高専は、令和5年6月30日に「一般財団法人 高専インフラメンテナンス人材育成推進機構」(KOSEN-REIM)(代表理事:西川 和廣)を設立しました。
インフラメンテナンス分野の人材育成を担う各高専を支援し、教育システムの提供を通して地方自治体や民間の建設技術者のスキルアップ、高専生のメンテナンスマインド育成を図ります。さらには、教育環境を全国の高専に展開することや、高専のネットワークを通じて行政への技術支援を行うことを目指していきます。
◆設立の背景
我が国では高度成長期以降に建設・整備された道路橋、トンネル、河川、港湾、下水道等のインフラにおいて、建設から50年以上が経過し、高齢化する施設が増加しています。加速度的に進む社会資本の高齢化・老朽化に対し、適切な予防保全措置を講じなければ、道路橋の落下やトンネルの崩落といった重大な事故をも招きかねません。
一方で、多くのインフラを維持管理している地方公共団体では土木部門の技術職員が減少しており、民間でも入職者の減少傾向により人材の確保や技術継承が困難になっています。
橋梁を例に挙げれば、国内に存在する道路橋約73万橋のうち約7割を市区町村が管理しており、膨大な数の橋梁を維持管理するうえで官民ともに人材の確保は喫緊の課題です。
また、Society5.0社会の到来が謳われ、人工知能(AI)、ビックデータ、IoT、ロボティクスといった先端技術の活用が本格化する中、建設技術者は現場でインフラの維持管理・修繕に携わりながら、ICTスキル等の新たなスキル習得のため学びを続けることが求められています。
こういった社会的要請に応えるため、舞鶴高専、福島高専、長岡高専、福井高専、香川高専の5高専は、令和元(2019)年度から、文部科学省補助事業「KOSEN 型産学共同インフラメンテナンス人材育成システムの構築」を活用し、産学連携で建設技術者のための教育プログラムを開発・実施してきました。
KOSEN型産学共同インフラメンテナンス人材育成システムの構築」教育拠点等
5高専を教育拠点として、eラーニングシステムの開発、講習会や技術資格試験の実施、教育プログラムの講師を育成する「実務家教員育成研修プログラム」の開発・実施など、様々な取組みを行ってきました。
これまでに開発した講座 ※1 の受講者総数はのべ約1,750名(令和5年6月12日時点)、准橋梁点検技術者568名、橋梁点検技術者67名、橋梁診断技術者3名、インフラメンテナンス分野の実務家教員21名を輩出し、着実に成果を挙げていますが、令和5年度に文部科学省補助事業が終了することに伴い、これまでに構築した人材育成システムを安定的に継続・発展させていくことを目的として、一般財団法人を設立いたしました。
※1「基礎編(橋梁点検)」、「応用編(橋梁点検)」、「橋梁診断」、また専門特修講座として「橋梁長寿命化対策」、「構造物の詳細調査」、「施工技術と施工管理」、「建設ICT」、「コンクリートの品質管理」、「地盤と斜面」
◆概要
名称 | 一般財団法人 高専インフラメンテナンス人材育成推進機構 |
代表理事 | 西川 和廣 (前 国立研究開発法人土木研究所理事長) |
所在地 | 京都府舞鶴市字白屋234番地 |
設立日 | 令和5年6月30日 |
主な事業内容 | (1)eラーニングを中心としたインフラメンテナンス教育プログラムの開発・運営 (2)全国の高専におけるインフラメンテナンス教育環境の整備 (3)教育環境を活用した、高専生および地元技術者の教育への支援 (4)小中高生に対するインフラ教育、次世代育成 (5)地方公共団体等に対する技術支援 (6)“地元のインフラを守る” ための研究開発および事例研究 (7)“地元のインフラを守る” 団体、個人の顕彰 (8)その他、地方のインフラメンテナンス向上に資する活動 |
◆代表理事コメント
インフラメンテナンス分野における担い手の減少はさらに加速し、もはや持続可能なインフラは望めないのではないかというのが私の実感です。私がベテラン技術者の診断手順をAIにして残そうとしているのも、適切な診断のできる技術者が日本からいなくなるという危機感からです。
しかし仮に将来、AIがインフラ診断を担うようになったとしても、その結果を読み解き、納得して実行する技術者がいなかったらどうにもなりません。新しい時代の技術者には「なぜそうなるのか」「どうしてそれをしてはいけないのか」という論理的思考力が不可欠です。高専のリカレント教育 ※2には、技術者の論理的思考力を鍛える指導を期待します。
※2リカレント教育…社会人の学び直し
◆事業構想
◆設立記念フォーラムの開催
財団の設立を記念し、7月20日に設立記念フォーラムを開催します。
日時 | 2023年7月20日(木)15:00~17:00 |
会場 | キャンパスプラザ京都(京都市下京区西洞院通塩小路下る東塩小路町939) 4階 第3講義室 ※オンラインでも開催 |
プログラム | 開会 設立宣言 理事長挨拶 来賓祝辞 役員紹介 事業概要説明 基調講演『地域インフラ群再生戦略マネジメントの実現に向けて ~インフラメンテナンス第2フェーズへ向けた取り組み~』 国土交通省総合政策局 公共事業企画調整課長 岩﨑 福久氏 閉会 |
主催 | 一般財団法人高専インフラメンテナンス人材育成推進機構、舞鶴工業高等専門学校、福島工業高等専門学校、長岡工業高等専門学校、福井工業高等専門学校、香川高等専門学校 |
共催 | REIM産学連携コンソーシアム |
◆事業案内および設立趣意書
一般財団法人高専インフラメンテナンス人材育成推進機構 事業案内パンフレット
https://www.maizuru-ct.ac.jp/kosen-reim/pdf/pamphlet_foundation.pdf
一般財団法人高専インフラメンテナンス人材育成推進機構 設立趣意書
https://www.maizuru-ct.ac.jp/kosen-reim/pdf/shuisho.pdf
◆舞鶴工業高等専門学校について
本科は4学科(機械工学科、電気情報工学科、電子制御工学科、建設システム工学科)で構成され、5年間一貫教育により、実践性と創造性を併せ持つ高度技術者を養成するための国立の高等教育機関です。
さらに専門的な学習を行う2年間の専攻科(電気電子システム工学コース、機械制御システム工学コース、建設工学コース)を有し、融合複合的な教育を行うことにより、国際社会で力を発揮できる中核的技術者を育成することを目指しています。
【学校概要】
学校名:独立行政法人国立高等専門学校機構
舞鶴高等専門学校
所在地:京都府舞鶴市字白屋234番地
校長:林 康裕
設立:1965年
URL: https://www.maizuru-ct.ac.jp/
事業内容:高等専門学校・高等教育機関
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企業情報
企業名 | 独立行政法人国立高等専門学校機構 |
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代表者名 | 谷口 功 |
業種 | 教育 |
コラム
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