沖縄高専と支援が必要な子ども達が協力し、沖縄の伝統船サバニを作り上げるプロジェクトが始動!
2022年10月に創立20周年を迎えた沖縄工業高等専門学校(沖縄県名護市 校長:佐藤貴哉 以下「沖縄高専」という。)では、創立20周年記念事業の一環として、地域課題解決に向けた授業科目(創造システム工学実験)において、学生27名と貧困・不登校・虐待等で学びが困難な子ども達の問題解決に取り組む「名護こども食堂」とが連携し、様々な課題解決に取り組んでいます。
沖縄高専と名護こども食堂との連携は、技術者を目指す学生が地域や地域企業を知り、その魅力を理解することで地域への就職率を高めたい沖縄高専と、小中学生の多くが保有するタブレット端末やICTの活用等による新たなアプローチで子どもの貧困対策に取り組みたい名護こども食堂が、貧困問題解決・地域貢献への共通した思いからスタートしました。貧困問題に直面している子ども達は、社会や文化に関心を持つ機会が少なく、自己肯定感が低下する傾向にあります。そこで、地元の歴史や文化に触れる機会を創ることで、コミュニティのアイデンティティに興味を持ち、地域と直接の関りを持っていることを理解してもらうため、地域の誇る伝統船である「サバニ」の再建に向けたプロジェクトを立ち上げました。この取り組みは、沖縄の海洋文化を継承し、地域の魅力を活性化することを目的とし、一丸となって力を合わせ、2024年末までに子ども達と作る新しいサバニの完成を目指しています。
このプロジェクトでは、富士通Japan株式会社のコミュニティ助成活動のサポートのもと、沖縄高専の学生に対してデジタル技術を活用した地域課題解決の事例紹介や、デジタル技術活用の支援等を行っており、同社社員がプロボノ活動※としても参加しています。
(※プロボノ活動:ボランティア活動の一種で、普段は専門家として稼働している人が、その専門スキルや経験を活かして行うボランティアのこと。)また、株式会社JTB沖縄や名護市内の観光ホテルと一緒に観光コンテンツ作成も兼ねており、中でも注目なのは、メタバースを活用した仮想現実空間でサバニ作りや乗船などが体験できる学習環境を構築する点です。沖縄高専の学生は、伝統的なサバニの製作技術や知識を学び、次世代に受け継ぐための記録や3D映像の取り込みも行ないます。サバニ船大工職人のヘントナサバニ代表 邊土名徹平氏や、一般財団法人沖縄美ら島財団の専門家からの指導を受けながら、サバニ作りを目の当たりにし、沖縄の海洋文化の知恵が詰まった伝統に触れ、沖縄の海洋文化の理解に努めています。
また、2023年8月19日には、子ども達とワークショップや体験学習を企画し、サバニの歴史や造船技術に触れてもらうなど、その魅力に触れる支援も行いました。このような体験学習も、メタバース上で再現したものを、2023年7月27日にホテルマハイナ ウェルネスリゾートオキナワ(株式会社前田産業ホテルズ)にて社会実装を想定したテストマーケティングを実施し、多くの観光客に楽しんでいただきました。
沖縄高専の専攻科1年生でプロジェクトリーダーの与儀さんは、「このプロジェクトは、単なる伝統船の建造に留まらず、地域の結束や協力の象徴ともなっており、私達学生と名護の子ども達は、伝統的な技術や価値観を尊重しながらサバニを復元することで、地域の誇りを取り戻し、この後の世代にも伝える大切さを実感しています。」と語っています。
新しいサバニの完成後は、地域の文化祭やイベントなどで披露され、地域住民や観光客に伝統船の魅力を伝える役割を果たす予定です。また、サバニ造りや海洋文化の学習で得られた内容は地域の海洋保全活動にも活用され、メタバース上で再現された内容は、観光コンテンツとして収益を生むモデルにできるよう企画しています。このプロジェクトに関する最新情報や進捗状況については、名護こども食堂のSNSアカウントで随時発信しています。サバニ再建プロジェクトへの関心やサポートについては、沖縄高専までお問い合わせください。
沖縄工業高等専門学校について
沖縄工業高等専門学校は、平成16年(2004年)に最も新しい国立高専として、辺野古の青い海を臨み、やんばるの森を背にする自然豊かな地に創設されました。創立20周年を迎えた沖縄高専は、創設以来一貫して『人々に信頼され、開拓精神あふれる技術者』の育成に邁進してまいりました。本校には実験・実習からスタートし、最終的に論理まで理解させる教育方法を基盤とし、最先端の研究・教育設備を駆使して、日本産業のイノベーションをけん引する技術者を育成する未来志向型教育プログラムを整えています。
【学校概要】
学校名:独立行政法人国立高等専門学校機構 沖縄工業高等専門学校
所在地:沖縄県名護市辺野古905番地
校長:佐藤 貴哉
設立:2004年
URL:https://www.okinawa-ct.ac.jp/
事業内容:高等専門学校・高等教育機関
【本リリースに関するお問い合わせ先】
沖縄工業高等専門学校 総務課 研究連携推進室
TEL:0980-55-4070
e-mail:skrenkei@okinawa-ct.ac.jp
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企業情報
企業名 | 独立行政法人国立高等専門学校機構 |
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代表者名 | 谷口 功 |
業種 | 教育 |
コラム
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