メタバース住人の生活実態を可視化する大規模調査レポート「ソーシャルVRライフスタイル調査2023」公開 サンプル数2,000で過去最大規模に
VTuber/作家「バーチャル美少女ねむ」とマルタ大学の文化研究者「リュドミラ・ブレディキナ」は11月6日、「ソーシャルVRライフスタイル調査2023」と題してメタバース住人の生活実態を可視化する大規模調査レポートを公開した。今回は各種省庁やメディアでも取り上げられ話題となった前回2021年に次ぐ第2回で、過去最大規模のサンプル数2,000件で非常に高い精度を実現。要望の多かった「人口急増による変化」「コミュニティ」「経済」を重点テーマに設定して詳しく分析するなど、80Pを超える意欲的な内容だ。人類とメタバースの未来に向けたオープンな議論を活性化させるため、全ページ無償公開となった。※「ソーシャルVR」とは、VRゴーグルで没入しオンラインの三次元仮想空間でアバターの姿でコミュニケーションができるサービスの総称。VRChat、Neos VR、cluster、バーチャルキャストなど
■大規模調査「ソーシャルVRライフスタイル調査2023」
・目的:ソーシャルVRのユーザーの生活実態を明らかにすること
・対象:VRヘッドマウントディスプレイを用いて、ソーシャルVR (VRChat、Neos VR、cluster、バーチャルキャストなど) を直近1年以内に5回以上使ったユーザー (デスクトップ・スマホからのみの利用者は今回は対象外)
・方法:2023年8月28日~9月16日、 日本語・英語でのGoogleフォームによる公開アンケート
・募集:日本語・英語でプレスリリースを発行。各種メディア・関連コミュニティ経由で拡散
・公式サポーター:株式会社HIKKY、PANORA、メタカル最前線、VRアジト、AXON PARK、株式会社ブイノス、マルタ大学(アドバイス・総評:ヴァネッサ・カミッレーリ博士)
・運営:研究ユニット「Nem x Mila」
■サンプル数:2,007件
全世界のソーシャルVRユーザーから過去最大となる2,007件の回答が集まった。今回特に海外ユーザーのデータが劇的に増加し、日本・北米・ヨーロッパに加えて、アジア地域も詳細に分析可能になった。回答者の利用サービスは、VRChat・Neos VR・cluster・バーチャルキャストなど多岐に渡った。
■目次
Part 1. ライフスタイルとコミュニティ
ソーシャルVRの利用動向・利用目的・コミュニティ
Part 2. アイデンティティ
ユーザーによる名前・アバター・音声表現
Part 3. コミュニケーション
ユーザー間の距離感・スキンシップ・恋愛・セックス
Part 4. 経済
仮想空間における支出と収入の金額と内訳
Part 5. ファントムセンス
感覚の種類・感じやすさ・触覚を感じる部位
■結論
コロナ禍とVRゴーグルの低価格化を受けて、ソーシャルVRのユーザー数はここ数年で5倍以上に拡大したと言われており、人類の新たな生活空間「メタバース」として注目されています。本調査では、世界規模で行った大規模アンケートの回答2,000件を分析することで、VRユーザーの生活実態を可視化しました。第2回となる今回は「人口急増による2年間での変化」に着目します。また、事前アンケートでも住人のみなさんから非常にリクエストの多かった「コミュニティ」「経済」のトピックを重点テーマとして追加し、詳しく分析しました。今大きく広がり始めた仮想世界で、果たして私達はいかに繋がり、いかに生きていくのでしょうか? 本レポートは進化し続ける世界のほんの入口を紹介したに過ぎませんが、来る新時代の一端を照らし出し、より良い未来に向けた議論のきっかけになれば幸いです。
以下、Part 1・Part 4より、特筆すべき発見の一部を抜粋して紹介します。
<Part 1. ライフスタイルとコミュニティ >
1. 四大サービス(VRChat・Neos VR・cluster・バーチャルキャスト)の体制には変化なし。ただし、2年間でclusterが大きくシェアを伸ばした。clusterはイベント目的以外の活用が増え、カジュアルなユーザーが増えていると考えられる。
2. 全体として物理男性が優勢な傾向 (66~85%) は変わらないが、地域によっては物理女性が徐々に増え始めている。
3. 2年間で全体の総プレイ時間が大きく伸び、VRChatでは1,000時間以上プレイしている人の割合が過半数に達した。
4. 人気のコミュニティのトップ3はVRChatの場合「雑談」「音楽」「ファッション」であった。ただし、Neos VRでは「クリエイティブ」系のイベントが1位になるなど、サービスや地域によって様相が大きく異なることがわかった。
<Part 4. 経済>
1. ほとんど全てのユーザーがソーシャルVR関連のコンテンツにお金を払っており、全体の18%が年間10万円以上支出していた。内訳のトップはアバターなどの「3Dモデルの購入」であった。
2. 全体で42%のユーザーが、ソーシャルVRでの体験をきっかけにして、物理現実の商品を買った経験があると答えた。
3. 一方で、ソーシャルVR関連の活動で収入を得ているユーザーの割合はまだ少なく全体で26%程度で、年間10万円以上はわずか7%であった。内訳のトップ2は「3Dモデル制作」と「VRイベント」で、利用サービスや地域によって傾向に大きな違いが見られた。
4. 全体で34%のユーザーが将来的にソーシャルVR関連の活動の収入を主軸に生活していきたいと答えた。
■レポート無償配布中「ソーシャルVRライフスタイル調査2023」
調査結果を可視化し、各項目間の相関関係や過去のデータからの変化を分析した。レポート形式はpdf、日英バイリンガル対応、81ページ。人類とメタバースの未来に向けたオープンな議論を活性化させるため、全ページ無償公開となった。
<レポート公開ポータルサイト>
・日本語版 : https://note.com/nemchan_nel/n/n167e77d78711
・英語版 : https://medium.com/@nemchan_nel/a61d1c4cae33
■VRアジトでレポート公開記念イベント
レポート公開を記念して、11月13日 (月) 21:00よりMyDearest株式会社によるVRユーザーコミュニティ「VRアジト」主催によるYouTube Liveイベントを開催する。ゲストにバーチャル美少女ねむ、MyDearest株式会社CEO 岸上健人、プロダクトデザイナーcremaを招いて、レポートを題材に様々なトークを行う予定だ。
・配信URL : https://www.youtube.com/watch?v=_z9QBbzWWIY
■Nem x Milaによる調査報告会
11月18日 (土) 22:00からは、調査を実施した研究ユニット「Nem x Mila」がYouTube Liveでメタバースから調査報告会を実施する。視聴者からの質問もリアルタイムで受け付ける。
・配信URL : https://www.youtube.com/watch?v=f5skcJeL3WA
■公式サポーター
全世界のソーシャルVR住人から回答協力を募るため、関連企業やコミュニティが情報拡散等に協力した。
●株式会社HIKKY
メタバース上で世界最大のVRイベント「バーチャルマーケット(Vket)」を企画・運営。
・公式サイト:https://www.hikky.co.jp/
●PANORA
「日本にVRを広める」をミッションとする日本初のVR専門ニュースメディア。
・公式サイト : https://panora.tokyo/
●メタカル最前線
ソーシャルメタバースの”いま”と”可能性”を“メタバース住人”の視点から届ける発信するニュースメディア。
・公式サイト : https://metacul-frontier.com/
●VRアジト
TGS2022でDiscord社おすすめサーバーに選ばれた、MyDearest株式会社によるVRユーザーコミュニティ。
・Discord : https://discord.gg/vragit
●AXON PARK
デジタル学習のためのメタバース空間のバーチャルキャンパス。
・公式サイト:https://axonpark.com/
●株式会社ブイノス
「Vの者がVのまま社会参画できる未来」を目指す実践検証組織。
・公式サイト : https://vnos.dev/
●マルタ大学
人工知能分野の上級講師であるヴァネッサ・カミッレーリ博士が助言と総評を提供。
・公式サイト:https://www.um.edu.mt/profile/vanessacamilleri
■運営:研究ユニット「Nem x Mila」
※国連IGF京都2023での登壇の様子 https://youtu.be/fkilOzUr7l4
「ソーシャルVRライフスタイル調査2023」はバーチャル美少女ねむとリュドミラ・ブレディキナがVTuberやメタバースが人類に与える影響を調査するために結成した研究ユニット「Nem x Mila(ねむみら)」による第4弾大規模調査プロジェクトである。
※過去の大規模調査プロジェクト
・メタバースでのハラスメント (2022) : https://note.com/nemchan_nel/n/n60fd28b43b3a
・ソーシャルVR国勢調査2021 : https://note.com/nemchan_nel/n/ne0ebf797984c
・新型コロナはバーチャルコミュニケーションを加速したか (2020) https://note.com/nemchan_nel/n/n37138daa9fb7
●バーチャル美少女ねむ
日本のVTuber/作家で、メタバース文化エバンジェリスト。HTC公式VIVEアンバサダー。2022年に解説書『メタバース進化論(技術評論社)』を出版。「ITエンジニア本大賞2023」ビジネス書部門で大賞を受賞。
・Twitter : https://twitter.com/nemchan_nel
・学術ポータル : https://researchmap.jp/nemchan_nel
・参考:『メタバース進化論(技術評論社)』特設サイトhttps://note.com/nemchan_nel/n/n464c528e9b7a
●リュドミラ・ブレディキナ
マルタ大学社会福祉学部ジェンダー&セクシャリティ学科で博士課程在籍。2022年に「バ美肉」「VTuber」に関する修士論文でジュネーブ大学のジェンダー分野の学術賞「プリ・ジャンル」を受賞。
・Twitter : https://twitter.com/BredikhinaL
・学術ポータル : https://malta.academia.edu/LiudmilaBredikhina
・参考:ミラが「バ美肉」論文で学術賞「プリ・ジャンル」受賞 https://note.com/nemchan_nel/n/ne05416248557
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企業情報
企業名 | 株式会社ブイノス |
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代表者名 | 安藤篤志 |
業種 | エンタテインメント・音楽関連 |
コラム
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