ガザ地区への医療物資の搬入許可を受け、国際協力NGOのCARE、崩壊寸前の医療システムを支援

ガザ地区への医療物資の搬入許可を受け、国際協力NGOのCAREは、崩壊寸前の医療システムの支援を行っています。

(パレスチナ自治区、ガザ)
救命用の医療物資を積んだ3台のCAREの貨物トラックが、12月31日の深夜、封鎖されているガザ地区に入ることを許可されました。これは、昨年12月27日にイスラエル軍による空爆が開始して以来、この地区にアクセスできた数少ない輸送の一つです。負傷した人々の治療のために、より多くの救援物資が緊急に必要とされています。CAREは、即時停戦と人道支援団体が支援を届けるための自由なアクセスを要求しています。

ECHO(EC人道支援事務所)からの資金を得て、CAREはガザ地区内の病院や救急ステーションに配布するために薬や物資を追加購入する予定です。イスラエルによる最初の空爆がなされてから数時間以内に、CAREはアブ・アハリ・アラブ病院とパレスチナの赤新月社により運営されている病院、および救急ステーションに対して、2万ドル相当の医薬品と使い捨て用の医療品を配布しました。

ガザ地区およびヨルダン川西岸を管轄するCAREの現地事務所の代表、Martha Myersは次のように述べています。「ガザ地区内にこの輸送を行うのに、1カ月半以上もかかりました。ようやく許可が下りて安心しています。ガザの医療システムは19カ月にも及ぶ封鎖により崩壊寸前で、負傷者であふれかえっています。病院やクリニックでは、電気だけでなく、麻酔薬や洗浄液などの医薬品、予備の医療品や基本的な治療器具などが不足しています。足りないものはまだまだあります。現在、病院にいる87%以上の患者が重症です。ベッドも足りないため、患者は床で治療を受けています」。

清潔なシーツが足りず、負傷者を運ぶ際に親戚の人がシーツを持ってきています。電気の不足により、病院は発電機と備蓄していた貴重な燃料を使わなければならず、医者は消費電力を考慮し、誰を治療するかを決めなければならない状況に陥っています。イスラエルの空爆開始以来、これまでに400人以上の人々が命を落とし、2000人以上が負傷しました(2009年1月3日現在)。負傷者たちの多くは、一生、障害を抱えて生活しなくてはなりません。医者と医療スタッフは、24時間休む間もなく、治療に当たっています。

「3台のCAREのトラックが地区内に入れたことで、何らかの変化を起こせるでしょう。しかし、支援を必要としている人々に緊急の医療物資を届けるための安定した人道的アクセスが確保されなければなりません。 危険にさらされている人口の56%は18歳未満の子どもですが、彼らは今、猛撃を受けています。自由な人道的アクセスは、即時に許可されなければならなりません」。Myersはこのように話しています。

CAREは、毛布や空爆で壊れた窓を覆うためのビニールシート、また、家が損傷したり、避難している人々のための暖房機を購入して、緊急支援をさらに拡大する計画です。

CAREは、1948年からガザ地区で活動を行っており、食糧支援、水・保健、市民グループ支援などの分野でプロジェクトを行っています。

*写真:12月31日、ガザ地区北部の難民キャンプにて、パンを買うためにパン屋に殺到するパレスチナ人 (C)CARE


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