豊富なフィールドデータに基づく給電・空調システムの信頼性コンサルティングの展開 *「給電・空調信頼性診断システム」の開発による信頼性評価
NTTファシリティーズはIT装置を支える給電・空調システムの停止リスクを定量的に算出する「給電・空調信頼性診断システム」を開発。全国の電源・空調装置から収集した停電・装置故障の記録や運用データを分析、信頼性の「見える化」を実現
株式会社NTTファシリティーズ(代表取締役社長 森 勇 東京都港区)はIT装置を支える給電・空調システムの停止リスクを定量的に算出する「給電・空調信頼性診断システム(以下、本システム)」を開発しました。本システムは、全国約8,000ビル、20万システムの電源・空調装置から収集した停電・装置故障の記録や運用データを統計的に分析したことで、給電・空調システムの信頼性の「見える化」を実現しました。今後、本システムを設備設計や「エネルギードック」※サービスで活用し、給電・空調システムの脆弱なポイントを把握すると同時に、システム構成ごとの信頼度を定量的に比較評価し、限られた予算の中でお客様にとって最適な給電・空調システムを構築するための、より高度なソリューションを提供します。
1.開発の背景・経緯
近年、社会におけるIT装置への依存度が増す中、災害やトラブルなどによるシステムダウンの被害は極めて甚大になっています。このような背景から、データセンターなどの高機能ビルディングにおける高信頼な給電・空調システムへのお客様ニーズは益々高まっていますが、一般的に定量化された信頼度による評価は実現されていません。また、需要家側における停電・故障データも十分に蓄積されておらず、潜在的な停止リスクを定量的に「見える化」して判断することが困難でした。
このようなニーズに応えるために開発されたのが本システムです。当社は「通信を絶対に止めない」ことを使命とし、日本の情報通信を100年以上にわたって支えてきました。この、運用実績の蓄積が本システムのベースとなっています。
2.開発の内容
(1)豊富なフィールドデータに基づくデータベースの構築
全国の約8,000ビルにおける停電情報や、ビル内にある電源・空調装置約20万システムから収集した装置故障・復旧時間の膨大なフィールドデータを基に、日本最大級の信頼性データベースを構築しました。このデータベースを用いることで、停電の地域性、装置の種類・容量規模等ごとの故障リスクの詳細な分析を加味した給電・空調システムの信頼度評価を可能にしました。
(2)給電ファシリティリスクの定量化
上記データベースを用いることで、地域性や受電形態に対応した停電特性(平均停電回数や平均停電時間、最長停電時間、最頻発停電時間)を導き出すことを可能にしました。
この停電特性に加え、無停電電源装置(Uninterruptible Power Supply : UPS)や非常用発電機(ENG)に代表される各電源装置の故障・復旧データにより、立地条件や設備の種類・構成を考慮した総合的な給電システムの停止リスクを、「10年で何分程度」というように分かり易く示すことを可能としました。
(3)空調ファシリティリスクの定量化
給電システムと同様に、3万台以上に及ぶ空調機保全データを基に信頼性データベースを構築しました。また、空調システムのリスクを評価するにあたり、障害を空調機そのものの故障ではなく、制御すべき温度の障害として捉え、空調機停止に伴う室温上昇の検証データを基にした障害発生時の室温上昇を予測する独自の手法を確立しています注1)。本予測手法と、停電や装置故障に関する給電・空調システムの信頼性データベースとを組み合わせることで、これまでより詳細な温度上昇リスクの定量化が可能となりました。
3.お客様のメリット
当社では、「エネルギードック(エネルギーシステム総合診断サービス)」サービスにおいて、「信頼性」「経済性」「環境適合性」の幅広い観点からのチェックや、お客様の利用形態に応じた情報システムを支える設備のコンサルティングサービスを展開しています。
さらに本システムの開発により、新たに給電・空調システム構成を「信頼度」という定量的な観点から把握することができ、今後は様々な設備改善に対する費用対効果を数値で見通すなど、給電・空調システムの最適設計に対するお客様の投資判断を強力にサポートします。また、これまでの信頼性評価は全国一律の標準的な条件で提供してきましたが、地域毎の停電特性及び、個々の装置故障特性を加味した、よりきめ細かな提案を可能としました。
4.今後の展開
さらに「給電・空調信頼性診断システム」の機能拡張を行い、データセンター環境トータルでの、定量的信頼度評価に基づくコンサルティングサービスのメニュー拡大に取り組んで参ります。
注1)
空調システムのリスク評価手法に関する技術は、「データセンター空調システムの信頼性評価ツールの研究開発」として、社団法人日本建築学会より、2009年度日本建築学会賞(技術賞)を授与されました。
【用語解説】
※【エネルギードック】:エネルギーの入手から維持管理まで、各段階におけるエネルギーシステムを総合的に診断します。信頼性や経済性、さらには環境適合性などをトータルにチェックし、お客様の利用形態に応じたエネルギーシステムの最適化および信頼性向上のためのコンサルティングを行います。
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社NTTファシリティーズ
広報室 03-5444-5112
《関連URL》
http://www.ntt-f.co.jp/index.html
1.開発の背景・経緯
近年、社会におけるIT装置への依存度が増す中、災害やトラブルなどによるシステムダウンの被害は極めて甚大になっています。このような背景から、データセンターなどの高機能ビルディングにおける高信頼な給電・空調システムへのお客様ニーズは益々高まっていますが、一般的に定量化された信頼度による評価は実現されていません。また、需要家側における停電・故障データも十分に蓄積されておらず、潜在的な停止リスクを定量的に「見える化」して判断することが困難でした。
このようなニーズに応えるために開発されたのが本システムです。当社は「通信を絶対に止めない」ことを使命とし、日本の情報通信を100年以上にわたって支えてきました。この、運用実績の蓄積が本システムのベースとなっています。
2.開発の内容
(1)豊富なフィールドデータに基づくデータベースの構築
全国の約8,000ビルにおける停電情報や、ビル内にある電源・空調装置約20万システムから収集した装置故障・復旧時間の膨大なフィールドデータを基に、日本最大級の信頼性データベースを構築しました。このデータベースを用いることで、停電の地域性、装置の種類・容量規模等ごとの故障リスクの詳細な分析を加味した給電・空調システムの信頼度評価を可能にしました。
(2)給電ファシリティリスクの定量化
上記データベースを用いることで、地域性や受電形態に対応した停電特性(平均停電回数や平均停電時間、最長停電時間、最頻発停電時間)を導き出すことを可能にしました。
この停電特性に加え、無停電電源装置(Uninterruptible Power Supply : UPS)や非常用発電機(ENG)に代表される各電源装置の故障・復旧データにより、立地条件や設備の種類・構成を考慮した総合的な給電システムの停止リスクを、「10年で何分程度」というように分かり易く示すことを可能としました。
(3)空調ファシリティリスクの定量化
給電システムと同様に、3万台以上に及ぶ空調機保全データを基に信頼性データベースを構築しました。また、空調システムのリスクを評価するにあたり、障害を空調機そのものの故障ではなく、制御すべき温度の障害として捉え、空調機停止に伴う室温上昇の検証データを基にした障害発生時の室温上昇を予測する独自の手法を確立しています注1)。本予測手法と、停電や装置故障に関する給電・空調システムの信頼性データベースとを組み合わせることで、これまでより詳細な温度上昇リスクの定量化が可能となりました。
3.お客様のメリット
当社では、「エネルギードック(エネルギーシステム総合診断サービス)」サービスにおいて、「信頼性」「経済性」「環境適合性」の幅広い観点からのチェックや、お客様の利用形態に応じた情報システムを支える設備のコンサルティングサービスを展開しています。
さらに本システムの開発により、新たに給電・空調システム構成を「信頼度」という定量的な観点から把握することができ、今後は様々な設備改善に対する費用対効果を数値で見通すなど、給電・空調システムの最適設計に対するお客様の投資判断を強力にサポートします。また、これまでの信頼性評価は全国一律の標準的な条件で提供してきましたが、地域毎の停電特性及び、個々の装置故障特性を加味した、よりきめ細かな提案を可能としました。
4.今後の展開
さらに「給電・空調信頼性診断システム」の機能拡張を行い、データセンター環境トータルでの、定量的信頼度評価に基づくコンサルティングサービスのメニュー拡大に取り組んで参ります。
注1)
空調システムのリスク評価手法に関する技術は、「データセンター空調システムの信頼性評価ツールの研究開発」として、社団法人日本建築学会より、2009年度日本建築学会賞(技術賞)を授与されました。
【用語解説】
※【エネルギードック】:エネルギーの入手から維持管理まで、各段階におけるエネルギーシステムを総合的に診断します。信頼性や経済性、さらには環境適合性などをトータルにチェックし、お客様の利用形態に応じたエネルギーシステムの最適化および信頼性向上のためのコンサルティングを行います。
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社NTTファシリティーズ
広報室 03-5444-5112
《関連URL》
http://www.ntt-f.co.jp/index.html
企業情報
企業名 | 株式会社NTTファシリティーズ |
---|---|
代表者名 | 筒井清志 |
業種 | その他サービス |
コラム
株式会社NTTファシリティーズの
関連プレスリリース
-
「FソーラーパッケージMタイプ」の販売開始~敷地面積あたりの発電量を大幅に向上する太陽光発電システムをパッケージ化~
2016年6月30日 13時
-
「F東広島Ⅱ太陽光発電所」の建設について
2016年6月1日 15時
-
独自DCIMを活用した新たな保守サービスの提供開始
2016年4月26日 15時
-
「F那須塩原太陽光発電所」の建設について
2016年3月31日 12時
株式会社NTTファシリティーズの
関連プレスリリースをもっと見る