金星探査機「あかつき」にT-Kernelベースソフトウェアプラットフォーム「eCROS」が採用
イーソル株式会社は、T-Kernelベースソフトウェアプラットフォーム「eCROS」が、宇宙航空研究開発機構が5月21日に打ち上げた金星探査機「あかつき」と小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS(イカロス)」に採用されたことを発表します。
2010年6月1日
報道関係者各位
イーソル株式会社
金星探査機「あかつき」にT-Kernelベースソフトウェア
プラットフォーム「eCROS」が採用
イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田 勉、以下
イーソル)は、T-Kernelベースソフトウェアプラットフォーム「eCROS」が、
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が5月21日に打ち上げた金星探査機
「あかつき」と小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS(イカロス)」に
採用されたことを発表します。イーソルは、eCROSの提供を通じて、これら
宇宙機システムの信頼性と品質の確保、および短期間、低コストでの開発実現
に寄与しました。eCROSは、今後打ち上げが予定されているさまざまな人工
衛星や探査機などにも採用される見込みです。
あかつきには、赤外線から紫外線までの異なる波長の光を捉え、金星の様々な
高度の大気の様子を撮影する5台の観測カメラが搭載されていますが、その
うちの4台を制御する統合計算機のリアルタイムOSとして、eCROSの中核を
なすリアルタイムOS「eT-Kernel」が使われています。この統合計算機は観測
カメラのシーケンス制御のほか、撮影した写真の機上データ処理やデータ記録
などを行います。さらに、IKAROSの帆(ソーラーセイル)の展開・制御など
を行う計算機にもeT-Kernelが搭載されています。これらの計算機には、宇宙
機システム搭載コンピュータのための「Space Cubeアーキテクチャ」の技術が
生かされています。また計算機のアプリケーションの一部は、eCROSの開発
ツール「eBinder」を利用して開発されました。
あかつきは、5台の観測カメラを駆使して金星の大気の三次元的な動きを連続
的に調べ、金星の気象学を確立することを目的とした探査機です。金星は、
大きさや質量、太陽からの距離などの点で地球と似ていることから、地球の
兄弟惑星とも称されます。しかし大気の96%を構成する二酸化炭素の温室効果
で地表面は約460℃、気圧は約90気圧という高温・高圧の環境であり、また
硫酸の厚い雲で覆われているなど、金星の環境は地球のそれとまったく異なり
ます。金星の気象を調べて地球との違いが分かれば、地球の誕生や気候変動を
解明する手がかりが得られると期待されています。あかつきは、打ち上げ後
半年をかけて2010年12月に金星軌道に到着し、2年間以上観測を続けること
が予定されています。また、小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」は、
宇宙空間で帆を広げ、太陽の光を受けて太陽系を航行できること、さらに、帆
の一部に貼り付けた薄膜太陽電池で発電できることを世界で初めて実証する
ことが目的とされています。
宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 プラネットCプロジェクト
主幹研究員 Planet-Cプロジェクト・ファンクションマネージャ 鈴木睦 様
のコメント
「eT-Kernelは、昨年打ち上げられた「小型実証衛星1型」に搭載の超小型
宇宙実験プラットフォーム「スペースワイヤ実証モジュール(SWIM)」に採用
されたリアルタイムOSということで、今回あかつきとIKAROSにも信頼性や
品質、性能面において安心して採用することができました。またeCROSは
eT-Kernelに加えて、eT-Kernelに特化した開発ツールや、充実したプロ
フェッショナルサービスがプラットフォームとして整備されていたため、効率
的な開発を実現できました。」
イーソル株式会社 常務取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山伸幸
のコメント
「先日打ち上げられたあかつきとIKAROSに、昨年のSWIMに続いてeCROS
を採用していただき、大変光栄です。世界からもその成果が期待されている
あかつきとIKAROSの重要な役割を担う統合計算機にeT-Kernelが搭載された
ことで、感動とともに気の引き締まる思いを感じています。今後もより優れた
ソフトウェアプラットフォームの開発を継続し、宇宙機システム開発の信頼性
と品質の確保と効率的なソフトウェア開発を強力に支援してまいります。」
<参考>
● 2009年6月5日発表「T-Kernelベースソフトウェアプラットフォーム
「eCROS」が採用された人工衛星が宇宙へ」
<http://www.esol.co.jp/company/press/emb_press090605.html>
● 2006年6月20日発表「次世代の宇宙機器開発用プラットフォーム「Space
Cube II」に、イーソルのT-Kernelとソフトウェア開発環境が標準採用」
<http://www.esol.co.jp/company/press/emb_press060620.html >
▽ 宇宙航空研究開発機構ウェブサイト:<http://www.jaxa.jp/>
▽ あかつき特設ウェブサイト:
<http://www.jaxa.jp/countdown/f17/index_j.html>
<補足資料>
【eCROSについて】
eCROSは、イーソルのコア技術を注入したリアルタイムOSをベースとする
ソフトウェアプラットフォームです。eCROSにより、ソフトウェア共通化に
よるコスト削減および開発期間短縮と、システムの信頼性確保を支援します。
マルチコアプロセッサもサポートするT-Kernel拡張版「eT-Kernel」とμITRON
4.0仕様準拠「PrKERNELv4」を中心に、開発ツール「eBinder」、豊富なミドル
ウェアに加え、製品サポートや受託開発などを含むプロフェッショナル
サービスで構成されています。
▽ 「eCROS」詳細:http://www.esol.co.jp/embedded/ecros.html
【eT-Kernelについて】
eT-Kernelは、リアルタイムOSベンダーであるイーソルがこれまでμITRON
で培ってきたノウハウと技術をもとにして、性能面・機能面で改良・拡張を加
えたT-Kernelの拡張版です。eT-Kernelには、さまざまなシステム規模と用途
をカバーするスケーラブルな4つのプロファイルがあります。「eT-Kernel/
Compact」、「eT-Kernel/ Standard」、「eT-Kernel/Extended」、および
「eT-Kernel/POSIX」です。それぞれのプロファイル上で構築したソフト
ウェアを共通化したプロダクトライン型ソフトウェア開発も容易です。
▽ 「eT-Kernel」詳細:http://www.esol.co.jp/embedded/et-kernel.html
【eBinderについて】
eBinderは、T-Kernel、μITRONをコアとするシステム向けの開発スイート
です。従来のT-Kernel/μITRONソフトウェア開発に不足していた、優れた
開発環境を提供します。eBinderは、C/C++コンパイラを含む各種開発ツール
群と、あらゆる組込みソフトウェアのベースとなるターゲットプラット
フォームを構成するモジュール群があわせて提供されます。
▽ 「eBinder」詳細:http://www.esol.co.jp/embedded/ebinder.html
【イーソル株式会社について】
イーソル株式会社は「Inside Solution」をブランドスローガンに、1975年の
創業以来、組込みソフト業界、および流通・物流業界で実績を重ねてきまし
た。組込みソフト開発向けには高信頼かつ高性能の組込みOS・開発環境・各
種ミドルウエアを自社開発、販売し、デジタルカメラなどの情報家電製品か
ら車載情報機器や人工衛星システムにいたるまで、数多くの組込みシステムに
採用されています。
▽ eSOLホームページ:http://www.esol.co.jp/
*eBinder、eParts、PrKERNEL、PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECT、
PictDirectはイーソル株式会社の登録商標です。
*eCROS、eT-Kernel、PrHTTPD、PrMAIL、PrSNMP、PrUSB、
PrPCCARD、PrMTPはイーソル株式会社の商標です。
*TRON は"The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
*ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
*μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
*TRON, ITRON, T-Engine, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称で
あり、特定の商品ないしは商品群を指すものではありません。
*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。
■ 本リリースに関するお問い合わせ先
イーソル株式会社 エンベデッドプロダクツ事業部マーケティング部 村上
TEL:03-5302-1360 / FAX:03-5302-1361
E-Mail:ep-inq@esol.co.jp URL:http://www.esol.co.jp/embedded/
報道関係者各位
イーソル株式会社
金星探査機「あかつき」にT-Kernelベースソフトウェア
プラットフォーム「eCROS」が採用
イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田 勉、以下
イーソル)は、T-Kernelベースソフトウェアプラットフォーム「eCROS」が、
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が5月21日に打ち上げた金星探査機
「あかつき」と小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS(イカロス)」に
採用されたことを発表します。イーソルは、eCROSの提供を通じて、これら
宇宙機システムの信頼性と品質の確保、および短期間、低コストでの開発実現
に寄与しました。eCROSは、今後打ち上げが予定されているさまざまな人工
衛星や探査機などにも採用される見込みです。
あかつきには、赤外線から紫外線までの異なる波長の光を捉え、金星の様々な
高度の大気の様子を撮影する5台の観測カメラが搭載されていますが、その
うちの4台を制御する統合計算機のリアルタイムOSとして、eCROSの中核を
なすリアルタイムOS「eT-Kernel」が使われています。この統合計算機は観測
カメラのシーケンス制御のほか、撮影した写真の機上データ処理やデータ記録
などを行います。さらに、IKAROSの帆(ソーラーセイル)の展開・制御など
を行う計算機にもeT-Kernelが搭載されています。これらの計算機には、宇宙
機システム搭載コンピュータのための「Space Cubeアーキテクチャ」の技術が
生かされています。また計算機のアプリケーションの一部は、eCROSの開発
ツール「eBinder」を利用して開発されました。
あかつきは、5台の観測カメラを駆使して金星の大気の三次元的な動きを連続
的に調べ、金星の気象学を確立することを目的とした探査機です。金星は、
大きさや質量、太陽からの距離などの点で地球と似ていることから、地球の
兄弟惑星とも称されます。しかし大気の96%を構成する二酸化炭素の温室効果
で地表面は約460℃、気圧は約90気圧という高温・高圧の環境であり、また
硫酸の厚い雲で覆われているなど、金星の環境は地球のそれとまったく異なり
ます。金星の気象を調べて地球との違いが分かれば、地球の誕生や気候変動を
解明する手がかりが得られると期待されています。あかつきは、打ち上げ後
半年をかけて2010年12月に金星軌道に到着し、2年間以上観測を続けること
が予定されています。また、小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」は、
宇宙空間で帆を広げ、太陽の光を受けて太陽系を航行できること、さらに、帆
の一部に貼り付けた薄膜太陽電池で発電できることを世界で初めて実証する
ことが目的とされています。
宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 プラネットCプロジェクト
主幹研究員 Planet-Cプロジェクト・ファンクションマネージャ 鈴木睦 様
のコメント
「eT-Kernelは、昨年打ち上げられた「小型実証衛星1型」に搭載の超小型
宇宙実験プラットフォーム「スペースワイヤ実証モジュール(SWIM)」に採用
されたリアルタイムOSということで、今回あかつきとIKAROSにも信頼性や
品質、性能面において安心して採用することができました。またeCROSは
eT-Kernelに加えて、eT-Kernelに特化した開発ツールや、充実したプロ
フェッショナルサービスがプラットフォームとして整備されていたため、効率
的な開発を実現できました。」
イーソル株式会社 常務取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山伸幸
のコメント
「先日打ち上げられたあかつきとIKAROSに、昨年のSWIMに続いてeCROS
を採用していただき、大変光栄です。世界からもその成果が期待されている
あかつきとIKAROSの重要な役割を担う統合計算機にeT-Kernelが搭載された
ことで、感動とともに気の引き締まる思いを感じています。今後もより優れた
ソフトウェアプラットフォームの開発を継続し、宇宙機システム開発の信頼性
と品質の確保と効率的なソフトウェア開発を強力に支援してまいります。」
<参考>
● 2009年6月5日発表「T-Kernelベースソフトウェアプラットフォーム
「eCROS」が採用された人工衛星が宇宙へ」
<http://www.esol.co.jp/company/press/emb_press090605.html>
● 2006年6月20日発表「次世代の宇宙機器開発用プラットフォーム「Space
Cube II」に、イーソルのT-Kernelとソフトウェア開発環境が標準採用」
<http://www.esol.co.jp/company/press/emb_press060620.html >
▽ 宇宙航空研究開発機構ウェブサイト:<http://www.jaxa.jp/>
▽ あかつき特設ウェブサイト:
<http://www.jaxa.jp/countdown/f17/index_j.html>
<補足資料>
【eCROSについて】
eCROSは、イーソルのコア技術を注入したリアルタイムOSをベースとする
ソフトウェアプラットフォームです。eCROSにより、ソフトウェア共通化に
よるコスト削減および開発期間短縮と、システムの信頼性確保を支援します。
マルチコアプロセッサもサポートするT-Kernel拡張版「eT-Kernel」とμITRON
4.0仕様準拠「PrKERNELv4」を中心に、開発ツール「eBinder」、豊富なミドル
ウェアに加え、製品サポートや受託開発などを含むプロフェッショナル
サービスで構成されています。
▽ 「eCROS」詳細:http://www.esol.co.jp/embedded/ecros.html
【eT-Kernelについて】
eT-Kernelは、リアルタイムOSベンダーであるイーソルがこれまでμITRON
で培ってきたノウハウと技術をもとにして、性能面・機能面で改良・拡張を加
えたT-Kernelの拡張版です。eT-Kernelには、さまざまなシステム規模と用途
をカバーするスケーラブルな4つのプロファイルがあります。「eT-Kernel/
Compact」、「eT-Kernel/ Standard」、「eT-Kernel/Extended」、および
「eT-Kernel/POSIX」です。それぞれのプロファイル上で構築したソフト
ウェアを共通化したプロダクトライン型ソフトウェア開発も容易です。
▽ 「eT-Kernel」詳細:http://www.esol.co.jp/embedded/et-kernel.html
【eBinderについて】
eBinderは、T-Kernel、μITRONをコアとするシステム向けの開発スイート
です。従来のT-Kernel/μITRONソフトウェア開発に不足していた、優れた
開発環境を提供します。eBinderは、C/C++コンパイラを含む各種開発ツール
群と、あらゆる組込みソフトウェアのベースとなるターゲットプラット
フォームを構成するモジュール群があわせて提供されます。
▽ 「eBinder」詳細:http://www.esol.co.jp/embedded/ebinder.html
【イーソル株式会社について】
イーソル株式会社は「Inside Solution」をブランドスローガンに、1975年の
創業以来、組込みソフト業界、および流通・物流業界で実績を重ねてきまし
た。組込みソフト開発向けには高信頼かつ高性能の組込みOS・開発環境・各
種ミドルウエアを自社開発、販売し、デジタルカメラなどの情報家電製品か
ら車載情報機器や人工衛星システムにいたるまで、数多くの組込みシステムに
採用されています。
▽ eSOLホームページ:http://www.esol.co.jp/
*eBinder、eParts、PrKERNEL、PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECT、
PictDirectはイーソル株式会社の登録商標です。
*eCROS、eT-Kernel、PrHTTPD、PrMAIL、PrSNMP、PrUSB、
PrPCCARD、PrMTPはイーソル株式会社の商標です。
*TRON は"The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
*ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
*μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
*TRON, ITRON, T-Engine, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称で
あり、特定の商品ないしは商品群を指すものではありません。
*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。
■ 本リリースに関するお問い合わせ先
イーソル株式会社 エンベデッドプロダクツ事業部マーケティング部 村上
TEL:03-5302-1360 / FAX:03-5302-1361
E-Mail:ep-inq@esol.co.jp URL:http://www.esol.co.jp/embedded/
企業情報
企業名 | イーソル株式会社 |
---|---|
代表者名 | 長谷川 勝敏 |
業種 | コンピュータ・通信機器 |
コラム
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