幸福な結婚についての統計的分析 参鍋篤司 シニア・フェロー (株)政策基礎研究所 2012年2月24日
結婚生活満足度が高い人は、どのような人か。アンケート調査を行い、統計的に検証した。 「学生時代学校で」「合コンで」現在の結婚相手と知り合っていた場合、結婚生活満足度が高かった。また、 女性は35―39歳で結婚した場合、結婚生活満足度が最も高くなること等、結婚生活満足度へ影響を与える様々な要因が判明した。
幸福な結婚についての統計的分析
「全般的に見て、あなたは、ご自身の結婚生活にどれぐらい満足されていますか。」
という問いに対して、1.全く満足していない、2.あまり満足していない、3.どちらでもない、4.やや満足している、5.非常に満足している、の五つのうちどれかを回答してもらった。
どのような人が、この結婚満足度が高いのか。統計的な分析を、(株)政策基礎研究所(EBP)シニア・フェロー [ OECDコンサルタント・日本学術振興会特別研究員(PD)] 参鍋 篤司(https://sites.google.com/site/sannabeatsushi/home)
が行った。
結果の概要は以下の通りである。
・「配偶者との出会い方」の、結婚生活満足度への影響
<女性の場合>
「学生時代に学校で」、「合コンで」、相手と知り合った場合、結婚生活の満足度(以下満足度)は高い
「出会い系サイトで」、「仕事の取引先で」、「カップリング・パーティーで」、知り合った場合、満足度は低い
<男性の場合>
「学生時代に学校で」、「合コンで」、「家族・友人等の紹介で」、「お見合いで」、知り合った場合、満足度は高い
→結果の解釈については、<「この」出会い
https://docs.google.com/viewer?a=v&pid=sites&srcid=ZGVmYXVsdGRvbWFpbnxzYW5uYWJlYXRzdXNoaXxneDpkYTNhMjE4NzllZjhiYmM >
を参照されたい。
・「結婚した時の年齢」と結婚生活満足度への影響
女性の場合、35−39歳で結婚したとき、一番満足度が高いことが分かった。男性の場合、何歳で結婚しても影響はない。
・「結婚へ踏み切ったきっかけ」と結婚生活満足度への影響
<女性の場合>
「好きになって一緒に暮らしたいように思った」「交際期間の長さを考えて」「ライバルが出現したので」。これらのきっかけの場合、満足度は高い。一方、
「友達・仲間の多くが結婚したので」と回答した場合、満足度は低かった。
<男性の場合>
「好きになって一緒に暮らしたいように思った」「家族・子供が欲しくなったので」「転勤・海外赴任が決まったので」。これらのきっかけの場合、満足度は高い。一方、
「自分の年齢を考えて」、「相手に結婚を迫られて」、「子供ができたので」、「親の年齢を考えて」。これらの回答の場合、満足度は低かった。
→男女とも、内発的な動機の場合、満足度が高いといえる。
・「同居者の形態」と結婚生活満足度
<女性の場合>
子供との二世代、親との二世代、子供・夫婦・配偶者の親、という同居形態の場合、満足度は低下する。
<男性の場合>
子供との二世代、子供・夫婦・自分の親、という同居形態の場合、満足度は低下する。
→男女問わず、子供を育てることに負担感があり、満足度が低下することが見て取れる。その一方、男性側の親との同居が、いわゆる「嫁姑」の問題を発生させ、満足度を低下させがちなことを窺わせる。
・「住居の形態」と結婚生活満足度
<女性の場合>
女性の場合、民間の賃貸住宅に住んでいる場合、満足度が低下する。
→一般的に、女性は(割と高額であろう)賃貸料を払うことを嫌っている可能性が高く、おそらく、持ち家のローンを支払うことをより好むと考えられる。
・その他のポイント
<女性の場合>
結婚までの交際期間が長い・結婚までに交際した人の数が多い場合、満足度は低下している。また、配偶者が派遣・パートの職についている場合、収入をコントロールしてもなお、満足度は低下する。
また、女性自身の収入が上がっても結婚生活の満足度は上昇せず、配偶者の収入が高まることでのみ、満足度は上昇する。
<男性の場合>
男性の場合、配偶者の収入が上がっても満足度は上昇せず、自身の収入が上がることで満足度は上昇する。従って、日本の家庭においては、女性の収入増加は結婚満足度の上昇をもたらさず、男性の収入が増えることのみにより上昇する、という状態にあることが分かった。
*本稿での意見は、筆者の所属する諸組織とは一切関連がなく、筆者個人のものであります。
*使用したデータ:「地域間格差生成の要因分析と格差縮小政策」(科学研究費補助金 基盤研究(A) 研究課題番号19203012 研究代表者 橘木俊詔)の研究資金により実施されたアンケート調査「ライフプランニングと幸福感に関するアンケート」に基づく
*回帰分析の結果についての詳細は、< 回帰分析結果表
https://docs.google.com/viewer?a=v&pid=sites&srcid=ZGVmYXVsdGRvbWFpbnxzYW5uYWJlYXRzdXNoaXxneDoyNTNhNjkwMzU1Y2Y4NDQ4 >
を参照されたい
連絡先
参鍋 篤司 (シニア・フェロー)
(株)政策基礎研究所 〒104-0032 東京都中央区八丁堀2-30-16 丸高八丁堀ビル3F
メールアドレス sannabe@doctoral.jp
電話番号 03-5860-8336
*できるだけ上記メールでお問い合わせくだされば幸いです
「全般的に見て、あなたは、ご自身の結婚生活にどれぐらい満足されていますか。」
という問いに対して、1.全く満足していない、2.あまり満足していない、3.どちらでもない、4.やや満足している、5.非常に満足している、の五つのうちどれかを回答してもらった。
どのような人が、この結婚満足度が高いのか。統計的な分析を、(株)政策基礎研究所(EBP)シニア・フェロー [ OECDコンサルタント・日本学術振興会特別研究員(PD)] 参鍋 篤司(https://sites.google.com/site/sannabeatsushi/home)
が行った。
結果の概要は以下の通りである。
・「配偶者との出会い方」の、結婚生活満足度への影響
<女性の場合>
「学生時代に学校で」、「合コンで」、相手と知り合った場合、結婚生活の満足度(以下満足度)は高い
「出会い系サイトで」、「仕事の取引先で」、「カップリング・パーティーで」、知り合った場合、満足度は低い
<男性の場合>
「学生時代に学校で」、「合コンで」、「家族・友人等の紹介で」、「お見合いで」、知り合った場合、満足度は高い
→結果の解釈については、<「この」出会い
https://docs.google.com/viewer?a=v&pid=sites&srcid=ZGVmYXVsdGRvbWFpbnxzYW5uYWJlYXRzdXNoaXxneDpkYTNhMjE4NzllZjhiYmM >
を参照されたい。
・「結婚した時の年齢」と結婚生活満足度への影響
女性の場合、35−39歳で結婚したとき、一番満足度が高いことが分かった。男性の場合、何歳で結婚しても影響はない。
・「結婚へ踏み切ったきっかけ」と結婚生活満足度への影響
<女性の場合>
「好きになって一緒に暮らしたいように思った」「交際期間の長さを考えて」「ライバルが出現したので」。これらのきっかけの場合、満足度は高い。一方、
「友達・仲間の多くが結婚したので」と回答した場合、満足度は低かった。
<男性の場合>
「好きになって一緒に暮らしたいように思った」「家族・子供が欲しくなったので」「転勤・海外赴任が決まったので」。これらのきっかけの場合、満足度は高い。一方、
「自分の年齢を考えて」、「相手に結婚を迫られて」、「子供ができたので」、「親の年齢を考えて」。これらの回答の場合、満足度は低かった。
→男女とも、内発的な動機の場合、満足度が高いといえる。
・「同居者の形態」と結婚生活満足度
<女性の場合>
子供との二世代、親との二世代、子供・夫婦・配偶者の親、という同居形態の場合、満足度は低下する。
<男性の場合>
子供との二世代、子供・夫婦・自分の親、という同居形態の場合、満足度は低下する。
→男女問わず、子供を育てることに負担感があり、満足度が低下することが見て取れる。その一方、男性側の親との同居が、いわゆる「嫁姑」の問題を発生させ、満足度を低下させがちなことを窺わせる。
・「住居の形態」と結婚生活満足度
<女性の場合>
女性の場合、民間の賃貸住宅に住んでいる場合、満足度が低下する。
→一般的に、女性は(割と高額であろう)賃貸料を払うことを嫌っている可能性が高く、おそらく、持ち家のローンを支払うことをより好むと考えられる。
・その他のポイント
<女性の場合>
結婚までの交際期間が長い・結婚までに交際した人の数が多い場合、満足度は低下している。また、配偶者が派遣・パートの職についている場合、収入をコントロールしてもなお、満足度は低下する。
また、女性自身の収入が上がっても結婚生活の満足度は上昇せず、配偶者の収入が高まることでのみ、満足度は上昇する。
<男性の場合>
男性の場合、配偶者の収入が上がっても満足度は上昇せず、自身の収入が上がることで満足度は上昇する。従って、日本の家庭においては、女性の収入増加は結婚満足度の上昇をもたらさず、男性の収入が増えることのみにより上昇する、という状態にあることが分かった。
*本稿での意見は、筆者の所属する諸組織とは一切関連がなく、筆者個人のものであります。
*使用したデータ:「地域間格差生成の要因分析と格差縮小政策」(科学研究費補助金 基盤研究(A) 研究課題番号19203012 研究代表者 橘木俊詔)の研究資金により実施されたアンケート調査「ライフプランニングと幸福感に関するアンケート」に基づく
*回帰分析の結果についての詳細は、< 回帰分析結果表
https://docs.google.com/viewer?a=v&pid=sites&srcid=ZGVmYXVsdGRvbWFpbnxzYW5uYWJlYXRzdXNoaXxneDoyNTNhNjkwMzU1Y2Y4NDQ4 >
を参照されたい
連絡先
参鍋 篤司 (シニア・フェロー)
(株)政策基礎研究所 〒104-0032 東京都中央区八丁堀2-30-16 丸高八丁堀ビル3F
メールアドレス sannabe@doctoral.jp
電話番号 03-5860-8336
*できるだけ上記メールでお問い合わせくだされば幸いです
企業情報
企業名 | 株式会社政策基礎研究所(EBP) |
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代表者名 | 市田行信 |
業種 | その他サービス |