京都の民間企業 2 社が共同で放射能測定を開始 ー研究所並みの高性能機種を導入、東日本方面の販路維持に不可欠ー

株式会社山田製油(京都市西京区)と株式会社坂ノ途中(京都市南区)の 2 社が、共同でシンチレーション式放射能測定器(GDM-20、詳細は後述)を導入し、測定を開始しましたことをお知らせいたします。

■「東」と「西」で、放射能検査に大きな温度差。高付加価値型企業は対応に苦慮


東日本では、放射能検査体制を整え顧客に自社商品の安全をアピールする食品メーカーや食品流通業者が増え続けているのに対し、西日本で放射能検査を行っているところはほとんどないのが現状。放射能対策は、首都圏に顧客を抱える西日本の企業にとっては大きな課題でした。
山田製油と坂ノ途中は、いずれも日頃から健康や環境への関心が高いお客さまとお付き合いしており、原発事故後は汚染の実態や対応について多くのお問い合わせをいただいてきました。たとえ西日本産の原料を使用していても、東日本のお客さまから検査実施の要望が寄せられることもしばしば。しかし西日本では日常的に検査を行うことのできる施設がないため、そうした声にお応えし、自社商品の安心・安全を保証することができないのが大きな悩みでした。そこで同じ問題を抱える 2 社共同で今回の導入に踏み切ったのです。山田製油は原料や製品、坂ノ途中は農産物や提携生産者の土壌の放射能測定を行い、結果を順次公開する予定です。


■高性能機器を万全の態勢で導入
今回設置されたのは「GDM-20」。ヨーロッパを中心に、大学等の研究機関でも導入されている高性能機種です。日本でも行政機関での導入が増えています。


導入に際しては、担当スタッフが関東・東北で既に開設されている測定所を視察して機種の選定にあたり、専門学術機関で放射線の専門知識に関する研修を受けるなど、慎重に準備してきました。社内でも放射能に関する勉強会や機器操作の講習会をたびたび開催し、全社あげての取り組みとして進めています。


<機種の紹介>
GDM-20
スウェーデン・Gammadata Instrument 社製
ヨウ化ナトリウムシンチレーション式
定量下限値(Cs-137、90 分測定時):2 Bq/kg
一般価格:1 台 528 万円


■ふたたび高まる関心、やはり西日本で測定のニーズも

他企業や地域住民の方々からの測定を請け負うことも検討していたところ、さっそく複数の問い合わせが寄せられています。やはり西日本でも測定のニーズがあるといえそうです。また、批判の声も大きい中で福井県の大飯原発が再稼働し、関西でも原発問題への関心は再び強くなっています。事故から 1 年以上を経た今、福島第一原発事故の影響の実態を明らかにすることの意義はますます高まっているのです。

京都の小さな企業 2 社ですが、原発事故をきっかけに大きく変化したお客さまの意識に応え、また社会全体の問題に向き合う先行事例となるべく、今回の活動に踏み出しました。こうした思いを多くの方に知っていただきたく、このたびリリースをいたします。よろしくお取り計らいのほどお願い申し上げます。

企業情報

企業名 株式会社山田製油
代表者名 山田康一
業種 食品関連

コラム

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