カナダ・オンタリオ州、サンドバイン社の技術支援に1,500万カナダドルを支援　

カナダ・オンタリオ州政府は、最先端のクラウド・ベースの技術を支援するために、同州に拠点をおくネットワーキング機器の世界的リーダー、サンドバイン（Sandvine）社と提携します。最先端の技術開発を支援していくことで、オンタリオ州はICT(情報通信技術)のグローバルリーダーとしての評価を確固たるものにしていきます。

サンドバイン社は世界90ヶ国に250以上の顧客を有し、日本ではNTTコミュニケーションズ、またグローバ大手企業では、米コムキャスト、スペインのテレフォニカなどが顧客となります。

オンタリオ州のキャスリーン・ウィン首相は、ウォータールーのサンドバイン社本社を訪問し、サンドバイン社の研究開発プロジェクト支援のため最大1,500万カナダドル（約12億7,700万円）の助成金を「雇用と繁栄基金」（Jobs and Prosperity Fund）を通じて提供すると発表しました。　サンドバイン社によると、同プロジェクトの総コストは7年間で1億6,900万ドル（約143億9,400万円）にのぼります。

サンドバイン社は、高速インターネット接続を提供する通信サービス・プロバイダー向けの販売を行っているグローバル企業で、収入の85％を輸出が占めています。同社の製品は、顧客に、実用的なビジネス・インサイツ（洞察力）や新たな加入者の拡大、および「サブスクライバ―・インターネット・クオリティ・オブ・エクスペリエンス」（加入者が感じるインターネットのサービス品質）を提供しています。

今回の研究開発プロジェクトは、サンドバイン社のビジネスを、最新の成長分野である「ネットワーク機能仮想化」（Network　Function Virtualization、NFV）に近づけると見られています。サンドバインの「バーチャル・シリーズ」製品はクラウド・ベースのサーバーで実行させることが可能です。これにより、顧客は、急速に変化するビジネスの要求に対応することが可能になり、新しいネットワーキング・サービスをより素早く、より安価に展開することが可能になります。

そして、オペレーターが新しい市場機会を切り開き、ネットフリックス（Netflix）のような人気のあるアプリケーションの台頭など、公衆インターネットの急速な変化に、迅速に、大規模に適応する必要性に対応します。

「サンドバイン社の躍進は、オンタリオ州の真のサクセス・ストーリーです。政府はサンドバイン社の成長の次の局面を支援できることを喜ばしく思います。それによって高い品質の雇用の創出を助けます。サンドバイン社のような企業と連携することで、私たちはオンタリオ州のダイナミックなICT（情報通信技術）部門を強化し、オンタリオ州の現在、及び将来の成長へつなげることができます」と、ウィン州首相は述べています。

サンドバイン社のデーブ・キャプート（Dave Caputo）最高経営責任者（CEO）は、次のように述べています。

「弊社は、オンタリオ州で生まれ育った企業であり、同州の活気あるイノベーションシステムの一員であることを誇りに思います。今回の州政府の支援は弊社のビジネスにポジティブな影響をもたらし、技術革新をさらに加速させます。　弊社の顧客が長期にわたって競争社会で勝ち続けられるように、新しい製品や付加価値の高いサービスを今後も開発、販売していく所存です」。

関連情報

●オンタリオ州のICT（情報通信技術）部門は、26万人を直接雇用しています。これはカナダ全体のICT関係雇用の50％近くになります。

●「雇用と繁栄基金」（JPF）は生産性を高め、イノベーションを推進し、オンタリオの輸出を拡大するために10年間で27億カナダドルの資金を提供しています。

●JPFはすでにオンタリオにおいて、多くの企業に対して支援を行っています。近年では、ファーウェイ・カナダ（Huawei Canada）、スーパーパフ（Superpuff）、A.ラソンデ社（A. Lassonde Inc.）、トヨタ、リナマー（Linamar）などの企業に対して投資を行い、オンタリオ州のイノベーションと雇用創出を支援してきました。その投資の総額は12億カナダドルを超えています。

●Sandvine社の詳細は、こちらをご覧ください。https://www.sandvine.com

※為替レートは1カナダドル＝85円で計算しています。

■オンタリオ州について

オンタリオ州はカナダ経済の中心地となっており、カナダ全体のGDPの37%、人口の39%、カナダの輸出品の38%がオンタリオ州に集中しています。オンタリオ州のビジネス環境は世界で成功するために設計されており、北米で効率のよい、国際貿易と投資の中心となっています。多文化の労働力、合理的な規則、低リスクの投資環境、競争力のあるビジネスコスト等多くの事柄が保証されています。

世界の主要企業がこれまでにオンタリオ州で事業を設立または、拡大を行ってきました。それらの企業の分野は、自動車、航空宇宙産業、ライフサイエンス、バイオテック、金融、鉱業など多岐にわたります。約200社の日系企業も、オンタリオ州に投資しており、ホンダ、トヨタ、日産、三菱重工業、カプコン、コーエイ、アステラス製薬、武田薬品工業、キヤノン、住友精密などの主要企業が現地法人を置いています。

■オンタリオ州政府在日事務所について

オンタリオ州政府在日事務所（Ontario International Marketing Centre、東京都港区カナダ大使館内）は、日本とオンタリオ州の貿易・投資促進を図る目的で2006年2月に開設されました。同在日事務所は、日本企業の投資誘致活動、オンタリオ企業・輸出業者への支援、日本の行政・媒体関係者の協調関係を深めるなど、様々な活動を通じてオンタリオ州の産業、ビジネスを紹介し、日加間のビジネス交流・貿易の促進に取り組んでいます。