花田清輝(1909〜1974)の全小説と戯曲、そしてほとんどの評論が大活字版でよみがえる。「ザ・作家シリーズ」の第三書館が、「ザ・花田清輝」を刊行。

戦中から戦後の論壇で唯一無二の異彩を放ち、「稀代の論客」と呼ばれた花田清輝の全小説、戯曲、評論を収録した「ザ・花田清輝」が5月8日に発行されます。上下巻に200万字を収録した決定版です。

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   大活字版『ザ・花田清輝』上・下
花田清輝:著  小沢信男:解説  久保覚:年譜
定価各2500円+税 第三書館
四六倍判、2段組、
上734ページISBN978-4-8074-0808-5
下782ページISBN978-4-8074-0809-2
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●生誕100年を記念した「決定版」です
 1909年、福岡県に生まれた花田清輝は、戦中に「復興期の精神」で鮮烈なデビューをはたし、戦後の論壇では一方の雄として確かな地位を占めてきました。また、「ものみな歌で終わる」などで劇作家としての才能を示し、「小説平家」で新しい歴史小説を生み出すなど、まさに「多面体精神」と評される活躍を見せ、死後30年を経た現在も新たな読者を生み出しています。しかしながら、現代の出版界は、ほんの一部を除いて、花田の膨大な著作の多くを実質上の絶版としており、古書ルートのみで流通しているのが実状です。
 第三書館では、1986年に花田清輝の全著作を収録した「ザ・清輝」を発行してきましたが、このたび全文を大活字版に組み直し、上下2巻に装いを新たにして、発行することにしました。
 生誕100年を前にして、戦後思想史に不可欠な著作を系統的に、なおかつ「グラスレス=眼鏡不要」で読める機会が訪れたのです。

●総頁数1500の「二冊全集」です
 上巻では、花田が22歳のときに発表した出世作「七」など8編の中長編小説と、「ものみな歌でおわる」をはじめとする7編の戯曲が収録されています。
 また、下巻には、「復興期の精神」など、洋の東西、また古今を問わずに、世界の「知」の海を縦横無尽に泳ぎまわる花田が残した評論・エッセイが多数収められています。
 上下巻で1500頁に達する「全二冊全集」の本書には、200万字におよぶ花田の遺産が凝縮されているのです。

●詳細な年譜、解説を併載しています
 岡本太郎、安部公房といったさまざまな表現者に影響を与えつづけてきた花田清輝の軌跡を知るために、本書には、詳細な年譜と解説を併載しました。
 上巻の解説は、『裸の大将一代記 山下清の見た夢』で知られる作家の小沢信男が書き下ろし。また、下巻の年譜は、評論家の久保覚が執筆し、「これ以上にくわしい花田の年譜はない」と言明しています。
 花田が活躍した戦後の状況を踏まえて、「当時もいまも大転換期にはちがいない。われらは清輝を読んで勇気がわいたのだ」と語る小沢は、「花田清輝は、大活字で読むにかぎる」とも言っています。

【本件に関するお問い合わせ先】

第三書館
東京都新宿区大久保2-1-8
電話 03-3208-6668 ファクス 03-3208-6623
Eメール d3skan@hanmoto.com
本のデータ、注文は http://www.hanmoto.com

《関連URL》
http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-8074-0808-5.html
http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-8074-0809-2.html

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