高齢者の約半数が「住み替え予備軍」。住み替える理由は、「孤独」と「高齢期の暮らしに合わない家」【高齢期の住まいと住み替えに関する調査】
高齢期のライフスタイルの充実について調査・研究する、特定非営利活動法人「老いの工学研究所」(大阪市中央区、理事長:西澤一二)は、「高齢期の住まいと住み替えに関する調査」を行い、60歳~91歳まで317名から回答を得ましたので、その結果についてお知らせ致します。
高齢期のライフスタイルの充実について調査・研究する、特定非営利活動法人「老いの工学研究所」(大阪市中央区、理事長:西澤一二)は、「高齢期の住まいと住み替えに関する調査」を行い、60歳~91歳まで317名から回答を得ましたので、その結果についてお知らせ致します。
(調査期間:2015年12月1日~12月20日。 調査方法:郵送)
【図1】現在の住まいを“終の棲家”にする予定ですか?(添付画像を参照)
住み替えを検討している人の割合(「終の棲家にするのは難しい」「住み替えるつもりだ」の合計)は、男性で21%、女性の24%となりました。「分からない」とした人を合わせると47%(男女の合計)で、約半数が住み替える可能性があることになります。
また、「終の棲家にするのは難しい」「住み替えるつもりだ」と回答した人に、その理由を訊いたところ、次のようになりました。(複数回答可)
・介護状態になったら、面倒をみてくれる人がいないから 35%
・家や庭が広すぎて、掃除や管理が大変だから 34%
・事故や病気の際に、気付いてくれる人がいないから 28%
・屋内に階段や段差があって危険だから 23%
・子供や親族に心配や迷惑をかけたくないから 20%
・家が老朽化し、使いにくく、不便を感じるから 18%
・子が独立し、友人なども減っていき寂しいから 9%
・周辺に坂道や段差があり、歩くのがしんどいから 6%
住み替える可能性がある理由は、面倒を見てくれる人、万一の際に気付いてくれる人がいないといった「孤独への不安」と、広すぎる・老朽化・段差など「家が高齢期の暮らしに合っていないこと」の二点が大きいと考えられます。
【図2】家族構成別・住み替え意向(添付画像を参照)
家族構成別に見ると、子・孫と一緒に住む「三世代同居の高齢者」の92%が、現居を終の棲家にする予定としており、その他の家族構成に比べて突出して高くなりました。三世代の同居が、孤独を解消し、介護・病気・事故など万が一への備えにもなり、また、家の掃除や維持管理の手間を軽減している結果と考えられます。
なお、夫婦と子の世帯が夫婦2人世帯や一人暮らし世帯とあまり変わらなかったのは、これから子の独立などを迎えるケースも多いからではないかと思われます。
【図3】年代別・住み替え意向(添付画像を参照)
年代が上がるごとに「終の棲家にするつもりだ」と回答した割合が増加しており、60歳代から、将来を見越した住み替えが始まっている様子が伺えます。
企業情報
企業名 | NPO法人「老いの工学研究所」 |
---|---|
代表者名 | 川口雅裕 |
業種 | その他サービス |
コラム
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