第８回「食品産業もったいない大賞」農林水産省食料産業局長賞を受賞！ ～外食５社連携による共同食品リサイクルループの構築、大臣認定取得が評価～

この表彰は、食品産業の持続可能な発展に向け、「省エネルギー・ＣＯ２削減」「廃棄物の削減・再生利用」「教育・普及」などの観点から、顕著な実績を挙げている食品関連事業者ならびに食品産業によるこのような取組を促進・支援している企業、団体および個人を対象としています。

【受賞テーマ】

全国初！外食事業者5社連携による飼料化の共同食品リサイクルループ構築～食のサーキュラーエコノミーを目指して～

外食産業は、発生する食品廃棄物が「少量・多品種・分散発生」などリサイクルの対応が困難な課題が多く、業種別再生利用等実施率も目標50％に対し32％（H29年度推計）と低迷しています。そこでSEFでは、地域循環共生圏の創出への寄与と外食産業の再生利用等実施率の向上に貢献すべく、主催する「ゼロエミッション研究会」への参加者のうち、環境マネジメントに関し高い水準（ISO14001、エコアクション21など）で取組む外食5社が連携し、競合的同業他社による共同食品リサイクルループの構築に取組みました。

【具体的な内容】

「ゼロエミッション研究会」を開催：食品リサイクルに取組む前段階として、食品ロスの削減に向けた各社の取組を共有し、相互啓発の場として活用しました。

外食店舗の調理くず・食べ残し等のリサイクルループを構築：SEFが事務局となって外食事業者、収集運搬業者、再生利用事業者、配合飼料メーカー、生産者のパートナーシップを構築し、外食事業者が商品として使用しやすい鶏卵として買戻すリサイクルループを実現、全国初となる複数の外食事業者による飼料化の再生利用事業計画の認定を取得しました。

持続可能な仕組みを構築：関連法令の遵守、排出量等の把握といった運用状況の管理には、SEFが開発・提供する資源管理適正化支援システム「SEF-Net」を活用しています。

【参加事業者（業種別、五十音順）】

外食事業者：株式会社セブン＆アイ・フードシステムズ、株式会社トリドールホールディングス、株式会社松屋フーズ、リンガーハットジャパン株式会社、ワタミ株式会社

収集運搬業者：株式会社岩田清掃、三和清掃株式会社

再生利用事業者：中部有機リサイクル株式会社

配合飼料メーカー：日本農産工業株式会社

生産者：サンエッグファーム株式会社（三州食品グループ）

【効果】

2020年12月現在、名古屋市内36店舗が参加しています。

焼却処分から再生利用へ：これまで焼却処分されていた年間約170㌧の食品循環資源が約34㌧のエコフィードとして養鶏場で使用され、生産された鶏卵のうち約44㌧（約70万個）を外食事業者が買戻し、お客様に提供しています。

収集運搬の効率化：収集ルートを効率化し、各社単独で取組んだ場合と比較して、車輌台数が16台から8台へ半減しています。

【今後の展開】

2020年度中100店舗へ：認定取得により近隣市町村へ対象を拡げ、新たな事業者の参加や取組地域の拡大を図ります。

取組みの横展開：この取組みをモデルとして、2020年に群馬県東部、2021年には関西、2022年は新潟で新たな食品リサイクルループの構築を計画しています。群馬県東部での取組みには、外食事業者に加え食品小売事業者も３社が参加を検討しています。

今回の受賞は、外食事業者が企業の壁を越え、地域の中で共同して食品循環資源のリサイクルループに取組み始め、それを鶏卵に買い戻すという形で実現したことが高く評価されたものです。また、今後この地域での取組みについては参加店舗の拡大を図ること、また同様の取組みを他地域に展開していく計画があることについても、高い評価をいただきました。

■公益財団法人Save Earth Foundation

【住　所】　東京都大田区羽田１－１－３   

【設　立】　1965年4月

【代表者】　代表理事　渡邉美樹

【事　業】　資源の循環に資する事業、森林の再生に資する事業

【ホームページURL】　https://save-earth.or.jp/