2022年第3四半期におけるインドのスマートフォン市場の出荷を発表〜前年同期比で減少し、iPhoneが出荷ランキングトップに〜
カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、インドのスマートフォン出荷は2022年第3四半期(7月~9月)に、前年同期比で11%減少し、4,500万台超となったというMarket Monitor サービスによる最新調査を発表致しました。
前年同期比割れは、第3四半期としては初めてのことであり、その理由は、昨年はコロナ禍で積みあがった需要が一気に掃けて出荷が伸びたこと、ローエンドやコストパフォーマンスの高い低価格帯で消費者の需要が弱かったことが挙げられます。
インドのスマートフォン市場動向に関して、カウンターポイント社シニアリサーチアナリストPrachir Singh氏は次の通り述べています。
「需要は8月に入って上向き、お祭りに合わせた商戦があった9月末にピークとなった。特に中位~高級機セグメントで、この傾向が強かった。しかし、2022年第2四半期に在庫が積みあがっていたことと、ローエンドや低価格帯の需要がいまひとつであったことが足を引っ張り、2022年第3四半期の出荷は期待ほどではなかった。ほとんどのメーカーに影響があったが、特にローエンドと低価格帯への影響が大きかった。マクロ経済の良くない状況が、2022年第4四半期、特にディワリ(10月末~11月初頭のインド歴での新年の祝祭期間)以降のインドのスマートフォン市場に影響を及ぼすだろう。それでも、年末商戦には需要が戻るかもしれない。」
インドのスマートフォン市場における競合状況に関して、カウンターポイント社リサーチアナリストShilpi Jain氏は次の通り述べています。
「5Gネットワークの提供が始まり、機種をアップグレードしたい消費者を中心に、5Gスマートフォンへの関心がぐっと高まった。2022年第3四半期には、5Gスマートフォンは前年同期比31%伸びて、出荷全体の32%を占めるまでになった。価格帯別でみれば、高級機セグメント(30,000インドルピー、約5.2万円以上)のシェアは、この四半期に過去最高の12%に達した。Appleが高級機セグメントをリードし、SamsungとOnePlusがこれを追っている。Appleのインドにおける出荷シェアは過去最高となり、iPhone 13はスマートフォン機種別ランキングにおいて2022年第3四半期のトップとなった。インドでAppleの機種がトップになったのは初のことである。10,000インドルピー(約1.7万円)を切る価格帯は、消費者の需要が落ち込んでいる関係で出荷全体の27%となり、昨年の31%からシェアを落とした。」
図1: インドのスマートフォン市場における市場シェア・2022年第3四半期
出典: カウンターポイント社Market Monitor, Q3 2022
※XiaomiにPOCO、vivoにIQOOを含む。
※OPPOにはOnePlusは含まない。
※四捨五入の数字となるため、合計は100にならない。
インドにおける携帯電話端末全体(スマートフォンとフィーチャーフォン全体)の市場は、2022年第3四半期に前年同期比15%減少しました。マクロ経済環境が悪く、それがユーザー層のボトム・ピラミッドに悪影響を及ぼしているため、フィーチャーフォン市場は前年同期比24%も減少しました。itelがインドのフィーチャーフォン市場をリードし、2022年第3四半期のシェアを28%獲得したことで、itelはほぼ3年に渡ってフィーチャーフォンのトップを維持しています。
図2: インドの携帯電話端末市場におけるシェア率・2022年第3四半期
出典: カウンターポイント社Market Monitor, Q3 2022
※XiaomiにPOCO、vivoにIQOOを含む。
※OPPOにはOnePlusは含まない。
※四捨五入の数字となるため、合計は100にならない。
マーケットサマリー
Xiaomiは、2022年第3四半期におけるインドのスマートフォン市場をリードしたが、その出荷は前年同期比で19%減少した。ローエンド価格帯で消費者心理が弱いことが大きな理由である。それでも、低価格帯と中位価格帯での新製品投入によりXiaomiの出荷は伸び、首位を維持することができた。20,000インドルピー(約3.5万円)以下の価格帯では、Xiaomiは2022年第3四半期における5Gスマートフォンのトップとなった。
Samsungは第2位を2022年第3四半期に確保した。スマートフォンのトップ5社の中で、年間で数字を伸ばしたのは同社だけである。Samsungはモバイル端末全体(フィーチャーフォンとスマートフォン)でも18%のシェアで首位である。また、インドにける5Gスマートフォンの首位も維持した。お祭りシーズンの商戦に向けて、積極的にオンラインチャネルの在庫を積み上げ、魅力的なキャンペーンで販売したことが成長に繋がった。Samsungは2022年9月には月間でスマートフォンの首位を獲得した。また、Galaxy MシリーズとFシリーズが好調で、10,000~20,000インドルピー(約1.7万~3.5万円)の価格帯でも首位である。さらに、高級機セグメントでは、Samsungはトップ5社のなかで最速で成長中である。
vivoは前年同期比で出荷が15%落ち込むも第3位を確保した。Y01とY15をオフライン(路面店)で売り、Vシリーズを刷新し、IQOOとTシリーズでオンラインでの存在感を増すという施策で、値ごろ価格帯に注力したことが、vivoがこの四半期に第3位を維持する上で功を奏した。Y01は2022年第3四半期においてインドのスマートフォン市場2番目に売れた機種となった。
realmeは2022年第3四半期も第4位に留まり、14%のシェアを獲得した。同社は前四半期比で2%成長した。10,000~15,000インドルピー(約1.7万~2.6万円)の価格帯のスマートフォンのトップ10機種のうち、3機種がrealme製である。realmeのCシリーズは同社のポートフォリオの55%を占め、2022年第3四半期の出荷の主役となった。
OPPOはインドのスマートフォン市場で第5位を守ったが、2022年第3四半期は前年同期比で7%の減少となった。OPPOは一貫して上位セグメントでの出荷を増やしてきている。2021年第3四半期には20,000インドルピー(約3.5万円)を超える価格帯はOPPOのポートフォリオの15%だったが、2022年第3四半期には22%に上昇している。Reno 8 Proの投入で、同社は最高級セグメント(45,000インドルピー、約7.8万円以上)に再参入した。
Transsionグループ(itel、Infinix、TECNO)は、インドの携帯端末全体の市場で12%のシェアを確保し、第3位にランクアップした。itelが6,000インドルピー(約1万円)未満のスマートフォンセグメントで56%のシェアを獲得し、このセグメントのリーダーである。A23 ProとA27の出荷が好調だった。TECNOは8,000インドルピー(約1.4万円)未満のスマートフォンセグメントで第3位だった。Spark Go 2022とPop 5 LTEの需要が強かったことが売上に貢献した。
Appleはこの四半期、インドのスマートフォン市場で過去最高の5%のシェアを獲得した。お祭りシーズンの商戦で販売チャンネルに攻勢をかけたのが効いた。iPhone 13は、iPhoneシリーズとして初めて、今四半期のインドにおける機種別のスマートフォン出荷ランキングで第1位になった。高級機セグメント(30,000インドルピー、約5.2万円以上)においては、Appleはスマートフォン出荷首位で、4割のシェアを獲得している。
OnePlusは2022年第3四半期に前年同期比35%成長した。Nord CE2シリーズとNord 2Tが好調だった。同社は高級機セグメント(30,000インドルピー、約5.2万円以上)で第3位を維持している。また、OpnePlusは、20,000~30,000インドルピー(約3.5~5.2万円)では、Nordのラインナップが貢献し、首位である。またインドの5Gスマートフォン出荷においても、2022年第3四半期は、OnePlusは第2位を獲得した。
Nothingはこの四半期に最初のスマートフォンを発売し、認知されるとともに高級機セグメントでのシェアも得ることができた。高級機セグメントの話題となったもう一社はGoogleで、Pixel 6aが8月、9月と好調だった。
本プレスリリースに関する詳細並びに情報は、こちらからご覧いただけます。
https://report.counterpointresearch.com/posts/report_view/Monitor/3243
今回の発表は、チャネル情報、POSデータ、ディストリビューターアンケート調査、公開データなどボトムアップデータソースとトップダウンリサーチの組み合わせによるカウンターポイント社独自の調査方法で実施したものです。 (調査時期:2022年7月1日~2022年9月30日)
【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/
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企業情報
企業名 | Counterpoint Research HK Limited |
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代表者名 | Tom Kang |
業種 | その他サービス |
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