2022年第3四半期における欧州EV乗用車市場の販売シェアを発表〜Mercedesが欧州EV市場でVWとの競争に競り勝つ〜
カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、欧州のEV乗用車の販売*は2022年第3四半期に前年同期比で17%成長したという調査結果を含むGlobal Passenger Electric Vehicle Model Sales Trackerによる最新調査を発表致しました。
EV乗用車販売に対して、バッテリー駆動のEV (BEV)は、この四半期におけるEV販売全体の61%を占めました。欧州EV乗用車市場は、ドイツが欧州における最大の市場で全体の1/3を占め、これにイギリスとフランスが続いています。
当該市場動向に関して、カウンターポイント社調査担当バイスプレジデントPeter Richardson氏は、次の通り述べています。
「欧州の自動車市場全体はこの3四半期縮小を続けている。経済的な逆風とサプライチェーンの分断とが原因である。しかし、主要な自動車製造国であるドイツ、イギリス、イタリア、スペインではこの四半期に販売が伸びており、特にEVが健闘している。」
図1: 欧州EV乗用車トップブランド販売シェア・2022年第3四半期
出典: カウンターポイント社Global Passenger Electric Vehicle Model Sales Tracker, Q1 2018 - Q3 2022
【市場サマリー】
Mercedes-Benzは、引き続き欧州のEV市場をリードし、2022年第3四半期のシェアは9.2%だった。同社のEV販売の35%はBEVによるもので、前年同期比75%の伸びである。同社のプラグインハイブリッドEV(PHEV)モデルはGLEクラス、GLCクラス、Cクラスなどであり、一方BEVで代表的なモデルはEQB、EQA、EQC等がある。Mercedesは欧州のEV販売をリードしているが、ベストセラー10車種の中に同社の車はランクインしていない。Mercedesは20車種を超えるEVを販売しており、その車種数は全自動車メーカーのなかで最多であるが、どの車種の販売シェアも1%未満で横並びである。
Volkswagenは第2四半期に販売不振で、前年同期比でEV販売の44%を失った。しかし、第3四半期にサプライチェーンが復旧すると、8.9%のシェアで BMWを抜き第2位のEVメーカーとなり、ランクを上げた。同社のBEV車種はID.3、ID.4、ID.5などのIDシリーズが代表格である。また、PHEVモデルの出荷も大きく改善した。
BMWは第3位に転落し、シェアは8.6%となった。BEVが同社のEV販売の45%を占めている。最も売れているBEV車種はi3で、その次にi4とiXが続く。またX5が最も売れているPHEV車種で、その次に3シリーズとX3が続く。
EVランキング上位のメーカーの中では、Teslaが前四半期より販売が大幅に改善し、トップ5に返り咲きました。Model Yは9月の欧州におけるEVベストセラー車種となり、Teslaの売上の7割を占めました。
EVのトップ10車種は2022年第3四半期の欧州EV市場において全体の27%を占め、Tesla Model Y、Volkswagen ID.4、Ford Kugaが第3四半期に最も売れたモデルとなりました。
図2: 欧州EV乗用車トップ10モデル・2022年第3四半期
出典: カウンターポイント社Global Passenger Electric Vehicle Model Sales Tracker, Q1 2018 – Q3 2022
欧州EV市場の見通しに関して、カウンターポイント社アソシエイトディレクターのMohit Agrawal氏は次の通り述べています。
「2022年の欧州のEV市場は、250万台をわずかに下回るぐらいになるだろうと予測している。その背景には、欧州各国の政府は充電インフラに巨額の投資をしており、消費者がEVを選ぶのを後押ししていることがある。この傾向に関する背景は、カウンターポイント社のGlobal Passenger Vehicle Model Sales Trackerにて詳細を説明している。現在のところ、MercedesやBMWといった高級車メーカーが、EVとPHEVの両方を揃えることでEV販売をリードしている。しかし、コストパフォーマンスに優れるメインストリームの車種を扱うRenault、Volkswagen、PeugeotといったメーカーがEVのポートフォリオを充実させてくると、EV販売全体がもっと急成長することになるだろう。」
*ここでの販売はメーカー卸し値、各社の工場からの出し値を指す。
*本調査対象の国: オーストリア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ルクセンブルグ、オランダ、ノルウェイ、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、ロシア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、ウクライナ
*ここでのEVとは、バッテリー駆動(BEV)とプラグインハイブリッド(PHEV)のみを指す。ハイブリッド自動車と燃料電池車(FCV)は調査の対象外である。
本プレスリリースに関する詳細並びに情報は、こちらからご覧いただけます。
https://report.counterpointresearch.com/posts/report_view/AutomotiveFutures/3509
今回の発表は、チャネル情報、POSデータ、ディストリビューターアンケート調査、公開データなどボトムアップデータソースとトップダウンリサーチの組み合わせによるカウンターポイント社独自の調査方法で実施したものです。 (調査時期:2022年7月1日~2022年9月30日)
【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/
ログインするとメディアの方限定で公開されている
お問い合わせ先や情報がご覧いただけます
添付画像・資料
添付画像をまとめてダウンロード
企業情報
企業名 | Counterpoint Research HK Limited |
---|---|
代表者名 | Tom Kang |
業種 | その他サービス |
コラム
Counterpoint Research HK Limitedの
関連プレスリリース
-
2024年上半期二輪車(2Ws)グローバル市場における販売量を発表
2024年11月15日 9時
-
2024年上半期スマートフォングローバル市場におけるIDH・ODMによるスマートフォン出荷量を発表〜前年同期比6%増加し、Longcheerが市場をリード〜
2024年11月7日 9時
-
2024年第3四半期スマートフォングローバル市場における販売量を発表〜前年同期比2%成長し、4四半期連続の成長に〜
2024年10月24日 9時
-
2024年第2四半期セルラーIoTモジュールグローバル市場における出荷量を発表
2024年10月21日 9時
Counterpoint Research HK Limitedの
関連プレスリリースをもっと見る