国境の島 対馬の森を守る共創コミュニティ「対馬もりびと」結成。人とヤマネコの共生に向けて、林家や漁師等が組んで対馬の放置林の整備や森林資源の価値化に挑戦します。
「100年後も、人とツシマヤマネコ等の動植物たちが対馬の森で豊かに生きていくために」。対馬もりびと協同組合は、林業事業者・漁師・自伐林家、起業家等が中小企業等協同組合法に基づく事業共同組合を組織し、多種多様な森づくり事業の共創するプラットフォームです。組合では、対馬の放置林を森林所有者から借り受け、「対馬もりびとの森」として自主認定し、ヤマネコなどの多様な生きものが生息する明るい広葉樹の森を再生させるとともに、高付加価値化による森林資源の持続可能な利用や管理を進め、雇用創出や地域経済の循環に挑戦します。このたび、対馬もりびとの森1号(貝口スス山)は、環境省の自然共生サイトに長崎県で初の認定地として登録されました。対馬もりびと協同組合では、放置した森林の整備や持続可能な管理(活用)を任せていただける森林所有者や森林資源の活用を共に進めていく事業者(パートナー)を随時募集しています。
【設立趣旨】
国境の島対馬。国防上も生態学的にも重要な位置にある対馬は、89%が森林です。古くから林業が盛んで、パルプ、しいたけ、薪炭など広葉樹天然林において農林業の暮らしが営まれていました。近年、人口減少とともにしいたけ栽培者や薪炭生産者も減少したことにより、天然林の活用機会が減っており、人が森へ入る機会が無くなり、その結果森は荒れ、有害鳥獣の増加と大雨災害などによる林地崩壊へとつながっています。山林の荒廃は、漁業環境にも悪影響を及ぼし、対馬固有の天然記念物ツシマヤマネコをはじめとした森里海の生態系にも悪影響を及ぼしています。
しかし、地方創生や国際政治的な問題(海外からの輸入制限)など、これからの時代を考えると地域資源としての海や森の潜在的な価値は大きく、 新たな働き方(半農半X型)を求める若者の活躍の場、ソーシャルビジネスの場や機会としての可能性、地産地消による自給自足の重要性も非常に大きいと考えています。
そこで対馬の林業事業者だけでなく、漁師やソーシャルビジネスに取組む起業家が手を組み、横断的に多様な森づくりを進め、地域産業の振興と併せ、山と海の環境改善を主目的とし、当組合を設立します。当組合を組織化するにあたっては、2020年度から環境省の地域循環共生圏づくりプラットフォーム事業の活動支援を受けて、関係者で協議を重ねて、様々な試行を繰り返しながら、あるべき姿や組織体制、事業内容を検討してまいりました。
組合名称は、対馬の森に関わる「森人」として、対馬で生きながら対馬を護る「防人」=「対馬もりびと」を集め、育てる教育機関としても活躍したいという想いをこめ、「対馬もりびと協同組合」と命名します。
私たちが目指す理想的な森は、人々が里山を持続可能な形で多様に利用することで、管理や保全も行き届き、人々の暮らしの豊かさを高める大切な場所、そして、その結果、多様な生きもので賑わう自然豊かな場所になること。モニタリングを丁寧に行い、科学的根拠をもとに、事業の評価を行い、順応的管理により森づくり活動を真価させていきます。
当組合では、主に放置された小規模の里山林(主に広葉樹)の環境整備及び調査委託に関する共同受注を行い、組合員の取り扱う木材丸太並びに木材製品の共同販売を行います。また、対馬市から借用する施設(旧舟志小学校)を活動拠点として整備し、林業や木工・家具、その他森林資源の活用に向けた商品開発・製造拠点として活用し、対馬での雇用の増加や地域経済の循環にも貢献します。さらには、そういった森林の整備や高付加価値化した森林資源の活用を進める担い手として「対馬もりびと」の仲間を増やすために、もりびとコミュニティを充実させていきます。
本活動をソーシャルビジネスの視点で推進するにあたっては、休眠預金等活用事業(ソーシャルビジネス第3世代による九州位置(地域)価値創造事業)の支援を受け、「自然共生型森づくりの多主体参加モデル事業」として2021年から実装に取り組んでおります。
【対馬もりびと協同組合について】
■設立日 2023年7月31日
■開業日 2023年10月1日
■役員/組合員
代表理事:松本辰也 (対馬木材事業協同組合 代表理事)
専務理事:吉野 元 (一般社団法人MIT 代表理事 )
理事:細井尉佐義(海子丸 船長)
理事:園田益也 (自伐林家)
■出資金
800,000円
■所在地
〒817-2333 長崎県対馬市上対馬町舟志甲1684番地
■事業内容
1. 組合員の取り扱う木材丸太並びに木材製品の共同販売
2. 組合員のための森林の整備及び調査委託に関する共同受注
3. 組合員のための共同施設の管理運営
4. 組合員の事業に関する共同宣伝
5. 公の施設に関する指定管理業務の受託
6. 組合員の事業に関する経営及び技術の改善向上又は組合事業に関する知識の普及
7. 組合員の福利厚生に関する事業
8. 前各号の事業に附帯する事業
■ウェブサイト
https://www.tsushima-moribito.com/
【現在取り組んでいること】
・対馬産エッセンシャルオイル(スギ・ヒノキ・モミノキ)等の製造と販売
・対馬もりびとの活動拠点(旧舟志小学校)の整備と活用
・「対馬もりびとの森」の森林整備と活用方法・モニタリング手法の検討
※対馬もりびとの森1号(貝口 スス山)は、環境省自然共生サイトに登録済
・対馬産材を活用した商品開発(家具や木工品、メープルシロップ等)
・森林資源を活用した各種体験メニューやESDプログラムの開発と試験的提供
・獣害対策に向けた多頭捕獲の実証実験
・担い手育成のための各種研修の開催
【今後の展望】
対馬の放置林を森林所有者から借り受け、ヤマネコなどの多様な生きものが生息する明るい広葉樹の森を再生させるとともに、高付加価値化による森林資源の持続可能な利用や管理を進め、雇用創出や地域経済の循環に挑戦します。
放置した森林の整備や持続可能な管理(活用)を任せていただける森林所有者や森林資源の活用を共に進めていく事業者(パートナー)を募集しています。
■森林所有者の皆さまへ
対馬島内に所有する山林を一緒に再生しませんか。かつて、人が集い、営みの場として利用した里山や神社・お寺の裏山、磯場へ続く山道など、荒れた山林を整備して、ヤマネコなどの多様な生きものが生息し、人々の癒しの場所・営みの場所・美しい森を再生させましょう。
ご依頼者様からご希望を伺った上で、一緒に再生や活用方法を考えていきます。アクセスの悪い場所や倒木などの危険な場所、整備が困難な場所等については整備が難しい場所もありますので、現場を見ながら丁寧に方法を検討いたします。
■対馬もりびとのパートナーとなり、森づくり活動を実践されたい方へ
私たちと一緒に、森づくりの活動を始めませんか?
私たちは、対馬もりびとの理念に共感し、協働して新しい事業に挑戦する仲間を待っています。私たちが、想定しているパートナーは、「対馬もりびとの森」やもりびとの活動拠点(旧舟志小学校)などの共同利用、放置林の整備や自然共生サイトへの登録、森林資源を用いた新商品開発やソーシャルビジネス(兼業/副業等)の立ち上げ、森林の調査・モニタリング等の共同研究、ヤマネコ等の生物多様性の保全に寄与する企業活動などを一緒に取組む方々です。対馬の森づくりプラットフォームとしてご活用ください。
関心のある方は事務局までお問い合わせください。
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企業情報
企業名 | 対馬もりびと協同組合 |
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代表者名 | 松本辰也 |
業種 | 農林水産 |