SABICイノベーティブプラスチックス、Exatecとアルバック、自動車用グレージングにポリカーボネート樹脂の採用を加速するコーティング技術の量産化で技術提携を発表

SABICイノベーティブプラスチックスの完全子会社Exatecと株式会社アルバックは耐候性と耐傷つき性に優れるプラズマコーティングを施したポリカーボネート樹脂製自動車用グレージング(樹脂ガラス)の低コストでの量産化促進に向け技術提携を結んだ

SABICイノベーティブプラスチックスの100%子会社Exatec*(以下エグザテック)と真空装置の最大手メーカー株式会社アルバック(以下アルバック)は、耐候性と耐傷つき性に優れるプラズマコーティングを施したLexan*(レキサン*)ポリカーボネート(PC)樹脂製 自動車用グレージング(樹脂ガラス)の、低コストでの量産化促進に向けて技術提携を結んだと発表した。今回の技術提携によりアルバックは今後、同社の大型真空装置技術とエグザテックのプラズマコーティング技術とを駆使した、即量産可能なシステムの製造を進める。

エグザテックとアルバックの技術の統合は、自動車メーカーや部品サプライヤーが従来の重いガラス窓をLexan PC樹脂製グレージングに置き換えることで、今後さらに強まるCO2排出規制への対応に加え、設計自由度の大幅な向上や部品統合化によるコスト低減に貢献する。さらにこの技術は他の産業、特に家電業界の幅広い製品に対して、耐久性と耐傷つき性に優れたコーティング・ソリューションを提供する。エグザテックの技術を用いた樹脂グレージングの量産を図る自動車メーカーは、製造装置を近い将来、アルバックから購入できることになる。

エグザテックのドミニク・マクマーン最高経営責任者(CEO)は「世界規模で排出ガス低減に対する要求が強まっており、各自動車メーカーには、高品質と高耐久性を備えた軽量化ソリューションの適用が求められています。プラズマコーティングを施したPC樹脂グレージングは、軽量化を実現する大きな可能性を秘めています。この技術は既に実証済みであり、さらにアルバックとの技術提携は、量産化に向けた道を拓くものです。私たちは、アルバックの実用装置技術に当社のコーティング技術が加わることで、自動車グレージングの将来を変え、燃費の向上や排出ガスの低減、航続距離の延長に大きく貢献できるものと確信しております。」と述べる。

アルバックの中村久三会長は「今回のエグザテックとアルバックの技術提携は、プラズマコーティングPC樹脂グレージングの量産を間違いなく加速することでしょう。エグザテックの優れたPC樹脂ハードコーティング技術は既に生産が始まっており、当社には様々な真空コーティング装置を製造販売してきた実績があります。私たちは、今回の技術提携が自動車業界や家電業界の顧客に包括的なソリューションを提供するものと確信しています。」と語る。

SABICイノベーティブプラスチックスのグレッグ・アダムス自動車部門バイスプレジデントは「市場では、自動車の設計自由度を向上すると同時にグレージング部品の軽量化が可能な新素材が求められています。ここ数年、エグザテックのコーティングとLexan樹脂は、革新的な自動車メーカーによる多くの技術実証車のグレージングに採用されてきました。このたびのアルバックとの技術提携は、自動車業界におけるPCグレージングの採用拡大に向けた画期的なできごとと言えるでしょう。」と述べる。

世界の主な自動車市場では、今後さらなる排出ガス規制の厳格化が計画されている。米国では、2016年までに乗用車の燃費として1ガロンあたり平均35.5マイル(約57 km、リッター換算約15 km/L)が義務化される。一方欧州では、2015年までに全ての新車平均で走行1 kmあたりのCO2排出量を130グラムにまで削減し、2020年までには同じく95グラムに削減する目標を掲げている。

プラズマコーティングPC樹脂グレージングの商業化
エグザテックとアルバックの技術提携は、両社の優れた先進技術を統合し、樹脂グレージングの大量生産向けに最適化するものである。エグザテックのLexan PC樹脂向けプラズマコーティングは、卓越した耐候性および耐傷つき性によって、車の耐用年数以上にわたり高い透明性と魅力的で耐久性に優れたグレージングを実現する。アルバックによる先進の真空装置技術は、このコーティングシステムの量産化を可能にする。このシステムは高い成膜速度と連続プロセスを特徴とし、複雑な形状を持つ多様なサイズの部品に対応できる。両社は今回の技術提携によってこのシステムを最適化し、抜群の品質、耐久性、生産性を実現していく。

アルバックについて
株式会社アルバック(社長 諏訪秀則)は、日本における真空技術の先駆け企業として1952年に設立されました。真空技術の発展と共に成長を続け、現在ではLCD、PDP、有機ELなどのディスプレイデバイス、太陽電池、各種電子機器及び半導体、自動車用部品や医薬品等多岐に渡る産業分野に、真空技術を応用した製品及びサービスを提供する世界で唯一の真空総合メーカーです。アルバックグループ全体では2009年6月末現在で売上高約2240億円、従業員約6900名です。装置や部品の提供のみならず、生産ラインとしての一貫ラインの提供、材料の供給、委託生産、保守・改善提案等トータルソリューションを展開することで、顧客満足の向上に努めております。又、真空技術の枠にとらわれることなく、新たな分野での製品開発を進め、産業の発展に貢献してまいります。

EXATECについて
エグザテック( www.exatec.biz )は、SABICイノベーティブプラスチックスの100%子会社です。同社は1998年に設立され、無機ガラス並みの性能を誇るプラズマコーティング技術の独占的な供給をはじめ、先進のPC樹脂グレージングシステムを実現する、業界で最も幅広い技術を提供しています。エグザテックのテクノロジーソリューションは、SABICイノベーティブプラスチックスの広範な樹脂原料と成形加工技術に基づいており、次世代ポリカーボネート素材や高い機能を付与する成形技術、ウェットコートやプラズマ化学蒸着、部品のマーキング、熱線デフロスターなど全ての製造プロセスを網羅しています。エグザテックの最先端プラズマコーティングシステムは、業界最高の耐候性、耐久性、ガラス並みの耐傷つき性を実現します。これらのプラズマコーティング技術は、コスト効率に優れ複雑な形状の部品の、ロスが少なく高い生産性での製造を実現します。エグザテックは、10万平方フィートの敷地に最新の技術開発センターを有する米ミシガン州ウィクソムに本社を置いています。

SABICイノベーティブプラスチックスについて
SABICイノベーティブプラスチックス( www.sabic-ip.com )は、熱可塑性エンジニアリングプラスチックスのグローバルサプライヤーであり、75年にわたり、顧客が直面する大きな課題を解決する画期的なソリューションを提供してきました。現在SABICイノベーティブプラスチックスは、数十億ドル規模の企業であり、35か国以上に事業展開し、全世界で約9,000人の従業員がいます。SABICイノベーティブプラスチックスは、顧客とのコラボレーションや、新たなポリマー技術、グローバル・アプリケーション開発、加工技術、および環境に配慮したソリューションへの継続的な投資により、自動車、エレクトロニクス、建築/建設、輸送、医療などの幅広い市場をターゲットに、今後もプラスチックス業界のリーダーであり続けます。当社の幅広い製品ポートフォリオには、熱可塑性プラスチックス、コーティング、特殊コンパウンド、フィルム、シートなどがあります。SABICイノベーティブプラスチックスは、世界の5大石油化学製品メーカーの1つであるサウジ基礎産業公社(Saudi Basic Industries Corporation: SABIC)の100%子会社です。

* SABIC Innovative Plastics IP BVの商標です。


【本件に関するお問い合わせ先】
SABICイノベーティブプラスチックスジャパン
代表電話:03-3593-4700
代表FAX:03-3593-4709


《関連URL》
http://www.sabic-ip.com

企業情報

企業名 SABICジャパン合同会社
代表者名 松林卓弘
業種 エネルギー・素材・繊維

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