中国の「日本語の日」創設を――日本僑報社の段躍中編集長が提唱
11月30日に配信されたメールマガジン日本僑報電子週刊第1255号に、日本僑報社の段躍中編集長が書いた『中国の「日本語の日」創設を』が掲載されました。全文は下記の通りです。
中国の「日本語の日」創設を――段躍中編集長が提唱
第12回「中国人の日本語作文コンクール」(日本僑報社・日中交流研究所主催)の受賞作品集である『訪日中国人 「爆買い」以外にできること』(日本僑報社刊)が昨日、納品されました。年に一度、この時期に出版しており、今年でシリーズ12作目となりますが、こうして完成する時は毎回わくわくしています。そして刷り上ったばかりの書物を手にすると深い感動を覚えます。
というのもこれは日本留学の経験のない中国の学生たちが、一生懸命学んだ日本語で、素直な思いを綴った作文をまとめた本です。外国語で作文を綴るのがいかに難しいかは、多くの方に理解してもらえるのではないでしょうか。そしてこのシリーズ本は、お陰様で毎年、日中の各方面から高い評価を受けています。そのような様々な思いが去来し、本書を手にして感慨にひたっているところです。
振り返れば、この作文コンクールは私どもの主催で2005年にスタート。以来、毎年開催し、今年で第12回を迎えました。この12年で中国全土の300校を超える大学や大学院、専門学校などからのべ3万3171名の応募があり、中国国内でも規模の大きい、知名度と権威性の高いコンクールへと成長を遂げています。
とくに今回は過去最多の5190本(前回は4749本)の応募を数え、この受賞作品集には(これも過去最多となる)3等賞以上の上位入賞作81本を収録しました。中国でこのような、ごく普通の若者たちが日本語習得のために努力していることは、日本ではあまり知られていません。そうした思いもあって、本書をぜひ多くの方に読んでいただきたいと一層強く願っています。
この数年、作文コンクールの表彰式は毎年12月12日という覚えやすい日に、北京の日本大使館で開催しています。日本大使自ら最優秀賞(日本大使賞)を選出され、表彰式では毎年挨拶していただくとともに、各地から集まった学生たちと交流していただいています。学生たちも生まれて初めて“生”の日本人と交流したり、日本の外交官と接したりする人が圧倒的に多く、会場では日本語で積極的に交流している姿をよく見かけます。学生たちには、このチャンスを生かして日本人との交流や日本文化への理解を一層深めてもらいたいと思います。
さて、来年は日中国交正常化45周年、再来年は日中平和友好条約締結40周年の節目の年を迎えます。この記念イヤーを前にして、私段躍中は、中国で初めての「日本語の日」を創設したいと考えます。中国の「日本語の日」は、作文コンクール表彰式と合わせて12月12日とします。
その日は、中国で日本語を学ぶ学生たちに、北京で開催する表彰式に多く参加してもらいます。あるいは1日、日本語の本を読んだり、日本の番組を見たり、日本の友人を自宅に招いて一緒にギョウザを作り、日本語でおしゃべりしたりと、日本語にかかわる活動をする意識を持ってもらいたいと思います。そうして日中友好の種をまいて、将来につなげていきたいと考えます。
中国の「日本語の日」創設は簡単ではありませんが、学生たちをはじめ日本語の先生方のご理解と賛同を得られたらと思います。
聞くところによると現在、中国における日本語学習者数は世界一で100万人超。しかしその一方で、中国に行く日本人や中国に滞在する日本人は年々減っているそうです。そのため、こうした「日本語の日」を創設し、中国人学生の一層の日本理解、日本人理解のために少しでも役に立てたらと考えた次第です。そして生の日本人と交流を深め、中国でのキャンパスライフをより充実させてもらいたいと思います。
日本と中国は、長い交流史において「友好の時代」が圧倒的に長期に及んだことは、皆様もご承知のことと思います。未来の日中友好につながる中国の「日本語の日」の創設を、ここに提唱いたします。ぜひ多くの方にご賛同いただきたく、よろしくお願いいたします!
2016年11月30日
段躍中
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企業名 | 日本僑報社 |
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代表者名 | 段躍中 |
業種 | 新聞・出版・放送 |
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