金融危機による景気後退の影響が教育へ 進学断念者増加の兆し

米国のサブプライム・ローン問題に端を発する金融危機が、高校生の進路選択にどのよう影響を及ぼしているかについて、全国高校・大学を対象に、緊急調査した。

米国のサブプライム・ローン問題に端を発する金融危機により、海外のみならず、国内においても急激な景気の減速を招いている。保護者のリストラや減収など、家計への影響も無視できない。また、内定の取り消しや求人の取り下げなど、高卒・大卒求人にも影響が及んでいる。
こうした状況が生徒の進路選択にどのよう影響を及ぼしているかについて、緊急アンケートを実施し、高校からは、進路選択の現実を、大学からは受験生・在学生への支援策について、対応を聞いた。


■進学断念者 増加の兆し

「進学断念者や進路変更した生徒が増えたか」という問いに、高校の進路指導担当教諭は、「前年と比べて増えた」と約2割が回答した。
大学進学率別にみると、50〜70%と、30〜50%の高校で約3割が「増えた」と回答し、平均を上回っている。進路多様校では、景気後退が進路選択に大きく影響し、大学から修業年限の短い短大・専門学校へ、また、大学・短大・専門学校進学から就職へと変更するケースが多く出ているようだ。
また、最も回答が多かったのは「変わらない」で7割強。景気後退だけの理由だけでなく、それ以前から、経済的負担が大きいため進学を断念する生徒がいるということも無視できない。「進学断念者は以前から存在する」という意見からも、そのことが分かる。



■進路変更の実状

2009年度入試の結果が出始めているAO・推薦入試の合格者の中で、合格を辞退した生徒がいるかを聞いたところ1割弱の高校から、「いる」との回答があった。具体例としては、「県外の専門学校へ合格していたが、家庭の経済的事情により、県内へ切替えた。」「短大への進学(公募制推薦合格)を決めていたが、入学金を支払えずに断念した女子生徒がいた」などがある。
大学進学率上位層に少ないのは、AO・推薦入試よりも、一般入試、センター入試受験者が多いからだろう。今後、受験前に進路変更・断念するケースや、2月、3月の合格発表後に辞退するケースも予測される。
高卒就職者への影響も大きく、約1割の高校が、企業からの内定の取り消しや求人の取り下げが「ある」と回答した。「11月になっても、就職先が見つからない生徒が10人近くいる。(栃木県・公立)」といった声も聞かれる。
進学希望から就職希望へと切り替えても、求人も少ないのが現状だ。大学等には、奨学金制度の充実など、支援策が求められている。



■大学の支援策

高校の進路指導の現場からは、大学・短大等に対する「奨学金の充実」の声が最も大きい。
それに対して、半数の大学が、「既存の制度で対応する」と回答している。すでに奨学金制度や特待生制度などの範囲内で対応しているようだ。また、数は少ないが、新たな支援策を「実施している」、「現在はないが、検討している」との回答もあり、今後支援策を設けていく大学も増えてくることが予想される。


※グラフ等詳細は添付ファイルに記載

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