温泉学会は、第15回愛知・奥三河大会会員総会において「温泉と地熱発電の共生にかかわる要望書」を採択、環境省担当部局、その他関係諸機関に送付しました。
温泉学会(会長:竹下賢/関西大学法科大学院教授 本部:大阪府吹田市 会員数:350名)は、9月10日、11日の2日間、愛知県湯谷温泉郷にて開催された温泉学会第15回愛知・奥三河大会での会員総会にて、「温泉と地熱発電の共生にかかわる要望書」を採択し、環境省担当部局その他関係諸機関あて送付致しました。
温泉学会(会長:竹下賢/関西大学法科大学院教授 本部:大阪府吹田市 会員数:350名)では、去る9月10日(土)、11日(日)の2日間、愛知県新城市湯谷温泉郷にて開催された、温泉学会第15回愛知・奥三河大会(大会実行委員長:池田敏雄/関西大学名教授)での会員総会におきまして、「温泉と地熱発電の共生にかかわる要望書」を採択し、環境省担当部局、その他関係諸機関あて送付致しましたのでお知らせ致します。
本件につきましては、一般温泉利用者にもかかわる問題であるという点を踏まえ、要望書を広く一般の方々にもお知らせするものです。
各メディア、プレス取材の皆様への個別取材などのご要望にもお応えできるようにしておりますので、メディア窓口までお気軽にお尋ね、お申し付け下さい。
また、要望書のほかに、本学会の設立趣旨と活動概要の資料をご用意致しましたので、合わせてご覧頂ければと存じます。
要望書本文
平成23年9月10日
環境省自然環境局自然環境整備担当参事官室及び関連諸機関 御中
温泉学会愛知・奥三河大会第9回総会決議
温泉と地熱発電の共生にかかわる要望書
要望事項
1 地熱エネルギー事業の展開に当たっては、温泉事業者等の関係機関、地元の関係行政機関、大学・企業等の専門機関等からなる協議会を設立し、その協議を通して地産地消型のエネルギー活用を行う必要がある。
2 地熱発電の温泉への影響が深刻であることから、一定規模以上の地熱発電と温泉の双方についてモデリング・シュミレーションなどによる適正採取量を設定し、地熱開発業者と温泉事業者が長期的かつ継続的なモニタリングを実施する。
3 地熱発電開発調査情報(地熱開発情報・周辺環境や温泉などの影響調査情報・温暖化防止情報など)の正しいデータや情報を収集し、適時に情報を公開する。
4 地熱エネルギー事業着手後の温泉減衰等に対して廃止措置を含めたセイフティネットを構築する。
5 地熱開発の掘削に伴う地元のリスクは高いので、国は万一の場合の地元に対する補償制度を整備する。
趣旨
「本ものの温泉」を後世に遺すことを旗印にする温泉学会においては、地熱発電問題検討委員会を立ち上げ、温泉と地熱発電の共生可能性について数回議論し、今年3月8日開催の温泉学会第14回三重・熊野大会シンポジウムでも、この問題を取り上げ、そこでは地産地消型の比較的小規模な地熱発電の有効利用を認めつつも、温泉が観光立国日本の代表的な資源であることを基本に、日本の文化的・歴史的遺産として地域社会の発展につながる環境共生型の社会構築をすべきであるとの認識が賛同を得ました。
世界の各地で洪水あるいは干ばつが起こるなど地球温暖化問題への対応が迫られる中で、日本政府は2020年までに CO2を25%削減することを表明しており、風力発電・太陽光発電など再生可能自然エネルギー(新エネルギー)による温暖化防止対策が講じられてきました。その一環として、現状の地熱発電は資源量の約50分の1の約53.5万kwしか利用されていないとして、2020年には約3倍の171万kw(東日本大震災後、地熱発電開発可能性の見直しとともに400万kw超)にする提案もなされております。
ところが、大規模地熱発電が可能な摂氏150度以上の熱水地域の大半が国立公園やその近辺にあり、既存の温泉地域と重なることや、熱水の枯渇による再掘削箇所が増大するため、地下および地表環境の科学的調査に基づき慎重に開発が進められなければ、自然環境や景観の破壊さらには温泉の枯渇など、温泉事業者だけでなく温泉の一般利用者にとっても大きな被害をもたらしかねません。
去る3月11日に世界を震撼させる東日本大震災に伴う被害甚大な福島原発事故が発生し、原発に代わる新エネルギーの開発はこれまで以上に活発化してきます。しかしながら、その選択肢の一つとして地熱発電開発を進めるに当たっては、温泉の一般利用者の立場から温泉の保護を強く訴えてきた温泉学会として、上記のことが実現されることを火急且つ切に要望いたします。
以上
本件に関するお問合せ(メディア窓口)
温泉学会 広報担当:大川哲次(温泉学会副会長/弁護士)
電話(06)6365−8137
FAX(06)6365−6518
よつば法律事務所
E-MAIL: press@onsen-ac.org
本件につきましては、一般温泉利用者にもかかわる問題であるという点を踏まえ、要望書を広く一般の方々にもお知らせするものです。
各メディア、プレス取材の皆様への個別取材などのご要望にもお応えできるようにしておりますので、メディア窓口までお気軽にお尋ね、お申し付け下さい。
また、要望書のほかに、本学会の設立趣旨と活動概要の資料をご用意致しましたので、合わせてご覧頂ければと存じます。
要望書本文
平成23年9月10日
環境省自然環境局自然環境整備担当参事官室及び関連諸機関 御中
温泉学会愛知・奥三河大会第9回総会決議
温泉と地熱発電の共生にかかわる要望書
要望事項
1 地熱エネルギー事業の展開に当たっては、温泉事業者等の関係機関、地元の関係行政機関、大学・企業等の専門機関等からなる協議会を設立し、その協議を通して地産地消型のエネルギー活用を行う必要がある。
2 地熱発電の温泉への影響が深刻であることから、一定規模以上の地熱発電と温泉の双方についてモデリング・シュミレーションなどによる適正採取量を設定し、地熱開発業者と温泉事業者が長期的かつ継続的なモニタリングを実施する。
3 地熱発電開発調査情報(地熱開発情報・周辺環境や温泉などの影響調査情報・温暖化防止情報など)の正しいデータや情報を収集し、適時に情報を公開する。
4 地熱エネルギー事業着手後の温泉減衰等に対して廃止措置を含めたセイフティネットを構築する。
5 地熱開発の掘削に伴う地元のリスクは高いので、国は万一の場合の地元に対する補償制度を整備する。
趣旨
「本ものの温泉」を後世に遺すことを旗印にする温泉学会においては、地熱発電問題検討委員会を立ち上げ、温泉と地熱発電の共生可能性について数回議論し、今年3月8日開催の温泉学会第14回三重・熊野大会シンポジウムでも、この問題を取り上げ、そこでは地産地消型の比較的小規模な地熱発電の有効利用を認めつつも、温泉が観光立国日本の代表的な資源であることを基本に、日本の文化的・歴史的遺産として地域社会の発展につながる環境共生型の社会構築をすべきであるとの認識が賛同を得ました。
世界の各地で洪水あるいは干ばつが起こるなど地球温暖化問題への対応が迫られる中で、日本政府は2020年までに CO2を25%削減することを表明しており、風力発電・太陽光発電など再生可能自然エネルギー(新エネルギー)による温暖化防止対策が講じられてきました。その一環として、現状の地熱発電は資源量の約50分の1の約53.5万kwしか利用されていないとして、2020年には約3倍の171万kw(東日本大震災後、地熱発電開発可能性の見直しとともに400万kw超)にする提案もなされております。
ところが、大規模地熱発電が可能な摂氏150度以上の熱水地域の大半が国立公園やその近辺にあり、既存の温泉地域と重なることや、熱水の枯渇による再掘削箇所が増大するため、地下および地表環境の科学的調査に基づき慎重に開発が進められなければ、自然環境や景観の破壊さらには温泉の枯渇など、温泉事業者だけでなく温泉の一般利用者にとっても大きな被害をもたらしかねません。
去る3月11日に世界を震撼させる東日本大震災に伴う被害甚大な福島原発事故が発生し、原発に代わる新エネルギーの開発はこれまで以上に活発化してきます。しかしながら、その選択肢の一つとして地熱発電開発を進めるに当たっては、温泉の一般利用者の立場から温泉の保護を強く訴えてきた温泉学会として、上記のことが実現されることを火急且つ切に要望いたします。
以上
本件に関するお問合せ(メディア窓口)
温泉学会 広報担当:大川哲次(温泉学会副会長/弁護士)
電話(06)6365−8137
FAX(06)6365−6518
よつば法律事務所
E-MAIL: press@onsen-ac.org
企業情報
企業名 | 温泉学会 |
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代表者名 | 竹下 賢 |
業種 | 未選択 |
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