「遊びでわかる」漢字教材、ロングセラーで浸透
発行部数60万部を超えた「漢字がたのしくなる本」シリーズ。なかでも人気は漢字カルタ。白川静さんの文字学による漢字の体系が、遊びで身につく。書き取りいらずの漢字学習とは。
1989年から刊行を開始した「漢字がたのしくなる本」シリーズ*の発行部数が2007年12月で60万部を超えた。
同シリーズのトップセラーは、92年に発売した『101漢字カルタ』。象形文字を中心とした101字の基本漢字のなりたちが一目瞭然でわかるカルタとして、学校・家庭・塾などで広く使われ、9万部以上を売り上げている。
●「分ければ見つかる知ってる漢字」
そもそものはじまりは87年。小学校教師の宮下久夫さん(1927-97年)と伊東信夫さん(82歳)が、2人の編集者とともに「丸暗記や書き取りの反復練習ではなく、漢字を楽しみながら、システマティックに学ぶ方法を創ろう」という意気込みのもと、教材づくりを始めた。原案のプリントができるごとに、小学校や地域の母親教室で授業をおこない、子どもの反応を見ては改訂をくり返す。複雑に見える漢字も、ほとんどが小学3年生までに習う基本的な漢字の組み合わせだ。「分ければ見つかる知ってる漢字」を合い言葉に漢字を分解する遊びで、教室は沸きかえった。そして、分解された漢字の組み合わさり方にも、意味と音が縦横につらなる織物のようなみごとな体系がある。その法則性がわかれば、子どもたちは面白がりながら多くの漢字をいっぺんに身につけられるようになる。
●白川漢字学との出会い
漢字の体系を教材にしていく過程で、文字学の巨星、白川静さん(1910-2006年)と出会う。白川さんが著書『字統』で示した字源と他の辞書の字源との違いは、教材づくりの「難所」となっていたところと符合した。宮下さんたちは教材づくりを白川漢字学に準拠してすすめることを決め、数度にわたり京都に白川さんを訪ねて教えを受けた。
●テキスト完成後の展開
こうして91年には『漢字がたのしくなる本 500字で漢字のぜんぶがわかる』のテキスト全6巻が完成する。学年配当漢字**を丸暗記する習得とはまったく違い、漢字のもつ形(かたち)、音(読み)、義(意味)を学ぶシステムとなった。同時に、漢字学習の要所と難所が遊びで身につく『ワーク』シリーズの刊行も始まった。
この『ワーク』に収録された漢字遊びが、カルタやビンゴゲームなど、書籍の枠を超えた教材へと発展する。
●カルタのヒット
とくに大きなヒットとなっているのがカルタだ。『101漢字カルタ』『98部首カルタ』『108形声文字カルタ』の3点はいずれも税込価格2987円という、カルタとしては異例の高額にもかかわらず、書店や生協・通販などで売れ続けている。東京の桐朋小学校や京都の立命館小学校など、有名私立小学校で使われているようすが報道されると、さらに人気は高まった。
使った人から「大人もいっしょに楽しんでいます」といった声も多く寄せられ、「みんなで遊びながら学ぶ」というスタイルが受け入れられている。
●海外でも高まる人気
当初考えていなかったところからも反響が来た。漢字を体系的な学習で身につけられる方法として、外国人の日本語学習の現場で使われはじめたのだ。また、在外邦人の子どもたちも、日常の生活で触れることが少なくなりがちな漢字に、カルタをとおして親しんでいる。これから拡大すると見ているのが、日本で育つニューカマーの子どもたちに向けた学習への需要。発行元の太郎次郎社エディタスでは、母語や生活背景が違う人びとにも漢字の魅力を伝える教材として、これからも「漢字がたのしくなる本」シリーズを広めていく方針だ。
*注1 シリーズの紹介 http://www.tarojiro.co.jp/search/kanji/index.html
**注2 現在、小学校で習う漢字は1006字(教育漢字)、中学校では939字。あわせて1945字にもなる常用漢字すべての習得が、義務教育課程に組み込まれている。この数の字をそれぞれバラバラに、教科書で新出するごとに書き取り反復練習で習得するよう、多くの学校で指導されている。
●会社概要
株式会社太郎次郎社エディタス
代表者 北山理子
資本金 1000万円
所在地 東京都文京区本郷4-3-4 明治安田生命本郷ビル3F
Tel.03-3815-0605 Fax.03-3815-0698
URL http://www.tarojiro.co.jp/
沿 革 2003年5月、株式会社太郎次郎社から出版部門を独立して設立。
2004年に太郎次郎社の営業権を引き継ぎ、新刊企画と既刊書籍の販売全般をおこなっている。
このプレスリリースのPDF版や発行部数の明細は
http://www.tarojiro.co.jp/press/kanji.html からダウンロードできます。
【本件に関するお問い合わせ】
株式会社太郎次郎社エディタス
担当:須田正晴
Tel.03-3815-0605 Fax.03-3815-0698 mail: tarojiro@tarojiro.co.jp まで
《関連URL》
http://www.tarojiro.co.jp/press/kanji.html
http://www.tarojiro.co.jp/search/kanji/index.html
同シリーズのトップセラーは、92年に発売した『101漢字カルタ』。象形文字を中心とした101字の基本漢字のなりたちが一目瞭然でわかるカルタとして、学校・家庭・塾などで広く使われ、9万部以上を売り上げている。
●「分ければ見つかる知ってる漢字」
そもそものはじまりは87年。小学校教師の宮下久夫さん(1927-97年)と伊東信夫さん(82歳)が、2人の編集者とともに「丸暗記や書き取りの反復練習ではなく、漢字を楽しみながら、システマティックに学ぶ方法を創ろう」という意気込みのもと、教材づくりを始めた。原案のプリントができるごとに、小学校や地域の母親教室で授業をおこない、子どもの反応を見ては改訂をくり返す。複雑に見える漢字も、ほとんどが小学3年生までに習う基本的な漢字の組み合わせだ。「分ければ見つかる知ってる漢字」を合い言葉に漢字を分解する遊びで、教室は沸きかえった。そして、分解された漢字の組み合わさり方にも、意味と音が縦横につらなる織物のようなみごとな体系がある。その法則性がわかれば、子どもたちは面白がりながら多くの漢字をいっぺんに身につけられるようになる。
●白川漢字学との出会い
漢字の体系を教材にしていく過程で、文字学の巨星、白川静さん(1910-2006年)と出会う。白川さんが著書『字統』で示した字源と他の辞書の字源との違いは、教材づくりの「難所」となっていたところと符合した。宮下さんたちは教材づくりを白川漢字学に準拠してすすめることを決め、数度にわたり京都に白川さんを訪ねて教えを受けた。
●テキスト完成後の展開
こうして91年には『漢字がたのしくなる本 500字で漢字のぜんぶがわかる』のテキスト全6巻が完成する。学年配当漢字**を丸暗記する習得とはまったく違い、漢字のもつ形(かたち)、音(読み)、義(意味)を学ぶシステムとなった。同時に、漢字学習の要所と難所が遊びで身につく『ワーク』シリーズの刊行も始まった。
この『ワーク』に収録された漢字遊びが、カルタやビンゴゲームなど、書籍の枠を超えた教材へと発展する。
●カルタのヒット
とくに大きなヒットとなっているのがカルタだ。『101漢字カルタ』『98部首カルタ』『108形声文字カルタ』の3点はいずれも税込価格2987円という、カルタとしては異例の高額にもかかわらず、書店や生協・通販などで売れ続けている。東京の桐朋小学校や京都の立命館小学校など、有名私立小学校で使われているようすが報道されると、さらに人気は高まった。
使った人から「大人もいっしょに楽しんでいます」といった声も多く寄せられ、「みんなで遊びながら学ぶ」というスタイルが受け入れられている。
●海外でも高まる人気
当初考えていなかったところからも反響が来た。漢字を体系的な学習で身につけられる方法として、外国人の日本語学習の現場で使われはじめたのだ。また、在外邦人の子どもたちも、日常の生活で触れることが少なくなりがちな漢字に、カルタをとおして親しんでいる。これから拡大すると見ているのが、日本で育つニューカマーの子どもたちに向けた学習への需要。発行元の太郎次郎社エディタスでは、母語や生活背景が違う人びとにも漢字の魅力を伝える教材として、これからも「漢字がたのしくなる本」シリーズを広めていく方針だ。
*注1 シリーズの紹介 http://www.tarojiro.co.jp/search/kanji/index.html
**注2 現在、小学校で習う漢字は1006字(教育漢字)、中学校では939字。あわせて1945字にもなる常用漢字すべての習得が、義務教育課程に組み込まれている。この数の字をそれぞれバラバラに、教科書で新出するごとに書き取り反復練習で習得するよう、多くの学校で指導されている。
●会社概要
株式会社太郎次郎社エディタス
代表者 北山理子
資本金 1000万円
所在地 東京都文京区本郷4-3-4 明治安田生命本郷ビル3F
Tel.03-3815-0605 Fax.03-3815-0698
URL http://www.tarojiro.co.jp/
沿 革 2003年5月、株式会社太郎次郎社から出版部門を独立して設立。
2004年に太郎次郎社の営業権を引き継ぎ、新刊企画と既刊書籍の販売全般をおこなっている。
このプレスリリースのPDF版や発行部数の明細は
http://www.tarojiro.co.jp/press/kanji.html からダウンロードできます。
【本件に関するお問い合わせ】
株式会社太郎次郎社エディタス
担当:須田正晴
Tel.03-3815-0605 Fax.03-3815-0698 mail: tarojiro@tarojiro.co.jp まで
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企業名 | 版元ドットコム有限責任事業組合 |
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